真空 書籍
 

No.1914

アクチュエータの新材料,駆動制御,最新応用技術
全固体電池のイオン伝導性向上技術と材料、製造プロセスの開発

レビュー 超高真空技術の新展開

〜数式による解析から真空回路・分子流ネットワークへ〜

発刊:2017年4月  体 裁:B5判 338頁  定 価:35,000円(税抜)

発行:(株)エヌ・ティー・エス  販売:(株)技術情報協会  ISBN:978-4-86043-479-3 C3053

【アカデミック価格対象外書籍です】
アカデミック価格は技術情報協会が発行元、主催元である商品のみです。技術情報協会以外の発行元、主催元の商品はアカデミック価格の対象外となりますのでご了承ください。

超高真空に関する様々な論文を紹介しながら検討し、従来の真空技術に対する理論を基に、著者自身が実践を経て、有効なもの、注意が必要な技法、材料などを、丁寧に解説。

研究者はもちろん、これから真空の研究を始める学生等にも役立つ一冊。


■執筆者

吉村 長光
 
長年にわたって日本真空学会とアメリカ真空学会の会員として、論文発表を行い、真空学会の 研究部会や日本非破壊検査協会の漏れ試験研究委員会に参画して活動しました。学会員として のメンバーシップは2015年前後に辞退しました。
 

経歴
1965年;大阪府立大学工学部電子工学科 卒業
日本電子(株)に入社、開発本部真空研究室に配属
  2000年;日本電子(株)を退職

  1985年; 大阪府立大学より工学博士号を授与される。    博士論文:電子顕微鏡の高真空システムの基礎と研究の開発
  1995年;技術士(応用理学部門)の資格を授与される。    ライセンス番号;No.; 32211(応用理学部門)

 
著書(真空技術の専門書、単独著者)
1.「マイクロ・ナノ電子ビーム装置における真空技術」、著者;吉村長光      監修;岡野達雄、2003年12月19日、エヌ・ティー・エス株式会社
2."Vacuum Technology Practice for Scientific Instruments" (in English) Nagamitsu Yoshimura, 09 January 2007, Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg
3."Historical Evolution Toward Achieving Ultrahigh Vacuum in JEOL Electron Microscopes" (written in English), Nagamitsu Yoshimura, 2014, Springer Briefs in Applied Science and Technology, Springer Tokyo Heidelberg New York, Dordrecht, London

■ 目  次

◇第1章 チャンバー壁面のガス放出機能と真空ポンプの排気機能との類似性◇ 

はじめに
1-1 チャンバー壁面のガス放出機能と真空ポンプの排気機能との類似性
1-1.1 鋳物の巣
1-1.2 陽極酸化アルミニウムの表面  
1-2 各種表面処理を施したステンレス鋼板の表面性状(N. Yoshimura et al.,1990, 1991 から)
1-3 光輝焼鈍と電解研磨のステンレス鋼表面の観察と分析(A. Tohyama et al.,1990 から)  
第1章のおわりに


◇第2章 表面による残留ガスの収着と表面からのガスの脱離◇

はじめに
2-1 平衡吸着(P. A. Redhead et al., 1968 から)
2-2 ガス放出特性
2-2.1 半経験的な式(B. B. Dayton, 1959 から)
2-2.2 金属の表面酸化層からのガス放出(B. B. Dayton, 1961 から)
2-2.3 考察:直線のように見える圧力上昇曲線(N. Yoshimura, 2009 から)
2-3 ガス放出の過渡現象
2-3.1 ガス放出量はガス脱離速度とガス収着速度の差
2-3.2 1 回目と2 回目のポンプダウン(K. W. Rogers, 1963 から)
2-3.3 ベーク前後のガス放出(Dayton, 1962 から)
2-3.4 排気弁の開閉を繰り返したときの圧力上昇特性(N. Yoshimura, 1991 から)  
2-4 拡散メカニズム
2-4.1 真の表面積(A. Schram, 1963 から)
2-4.2 ガス放出における温度効果(R. Calder and G. Lewin, 1967 から)
2-4.3 拡散ガス放出によるガス分圧の見積もり(D. J. Santeler, 1992 から)
2-4.4 金属表面からのH2O 放出のモデル(M. Li and H. F. Dylla,1993 から)
2-5 再結合制限ガス放出(B. C. Moore, 1995 から)
2-6 真空材料としてのステンレス鋼表面(R. O. Adams, 1983 から)  
第2章のおわりに


◇第3章 ガス放出量の測定方法◇

はじめに
3-1 オリフィス法
3-1.1 B. B. Dayton( 1959)のオリフィス法
3-1.2 A. Schram (1963)のオリフィス法
3-1.3 A. Berman et al.,( 1971) の可変コンダクタンス法
3-1.4 K. Terada et al.( 1989)のコンダクタンスモジュレーション法
3-2 差動的圧力上昇法(N. Yoshimura et al., 1970, 1985 から)  
3-3 パイプ3―ゲージ法(D. F. Munro and T. Tom, 1965 から)
3-4 新しいパイプ3点圧力法(H. Hirano and N. Yoshimura, 1986 から)
3-5 新しいパイプ3 点圧力法によるガス流量の測定(H. Hirano and N. Yoshimura, 1987 から)
3-6 新しいパイプ2 点圧力法とパイプ1 点圧力法(N. Yoshimura and H. Hirano, 1986 から)
3-7 ゲージ間の相対的感度補正  
第3章のおわりに


◇第4章 ガス放出量や透過係数などのデータ◇

はじめに
4-1 構成材料のガス放出量や透過係数
4-1.1 B. B. Dayton( 1959)のデータ
4-1.2 N. Yoshimura et al.( 1970) のデータ
4-2 超高真空チャンバー構成材料のガス放出量やガス透過量
4-2.1ステンレス鋼,軟鋼,クロムメッキされた軟鋼のガス放出量(Y. Ishimori et al., 1971 から)
4-2.2 超高真空チャンバー材料のガス放出量
4-3 エラストマーシールのガス透過とガス放出
4-3.1 ダブルOリングシールによる水の透過の防止(L. de Csernatony and D. J. Crawley, 1967 から)  
4-3.2 バイトンOリングシールの水の透過(N. Yoshimura, 1989 から)
4-3.3 エラストマーシールの最近の進歩(L. de Chernatony, 1977 から)
4-4 エラストマーシールの選択(R. N. Peacock, 1980 から)
4-5 バイトンO リングのフレオンガス雰囲気中での膨潤(N. Yoshimura, 2014 から)
4-6 元素の蒸気圧(R. E. Honig, 1957 から)  
第4章のおわりに


◇第5章 電子励起ガス脱離と光励起ガス脱離◇

はじめに
5-1 電子励起ガス脱離
5-1.1 M. H. Achard et al.( 1979)のデータ
5-1.2 Gomez-Goni and A. G. Mathewson(1997)のデータ  
5-2 光励起ガス脱離
5-2.1 S. Ueda et.al.( 1990)のデータ  
第5章のおわりに


◇第6章 微小電子プローブ照射で起こるコンタミネーションの堆積◇

はじめに
6-1 コンタミとなるハイドロカーボン分子の源と移動のプロセス
6-1.1 A. E. Ennos (1953)の実験と考察
6-1.2 R. W. Christy の実験と理論
6-2 微小電子プローブ照射で起こるコンタミ堆積のメカニズム
6-2.1 微小電子プローブ照射実験(N. Yoshimura et al. 1983 から)
6-2.2 実験結果(N. Yoshimura et al. 1983 から)
6-2.3 討論(N. Yoshimura et al. 1983 から)
6-3 電子線プローブ照射で起こるSEM 像の暗化  
6-3.1 C. Le Gressus et al.( 1979)の実験
6-4 電子顕微鏡における炭素系試料のエッチング
6-4.1 H. G. Heide (1962)の実験
6-5 各種真空用油の汚染源としての評価
6-5.1 N. Yoshimura et al.( 1970)の実験
6-5.2 Fluorocarbon oxide fl uid の評価(B. K. Ambrose et al., 1972 から)
6-6 Perfl uoropolyether
6-6.1 L. Holland et. al.( 1973)の論文  
第6章のおわりに


◇第7章 分子流コンダクタンスとガスフローパターン◇

はじめに
7-1 導管やオリフィスの分子流コンダクタンス
7-2 ガス通過確率
7-2.1 D. H. Davis の通過確率 (1960)
7-2.2 L. L. Levenson et al., の通過確率 [7-2]
7-3 ガスフローパターン  
7-3.1 B. B. Dayton (1956)のガスフローパターン
7-3.2 K. Nanbu (1985)のガスフローパターン
7-3.3 Tu Ji-Yuan (1988)のガスフローパターン
7-4 W. Steckelmacher(1966)のレビュー論文から
第7章のおわりに


◇第8章 分子流ネットワーク解析 ◇
はじめに
8-1 ガス放出源と真空ポンプの機能の類似性(N. Yoshimura, 1990 から)
8-2 ガス放出源の特性値(N. Yoshimura, 1985 から)
8-3 分子流ネットワーク理論の長い歴史
8-3.1 B. R. F. Kendall のコメント(B. R. F. Kendall, 1983 から)
8-3.2 2 つの異種ポンプで並列排気する真空システムの等価ネットワーク(B. R. F. Kendall, 1968 から)  
8-3.3 J. Aitken(1953)のシミュレータ回路
8-3.4 ネットワークシミュレータのさらなる応用(D. W. Stops, 1953 から)
8-4 真空系の一取扱法:排気系の並列運転について(S. Ohta, 1962 から)
8-5 電子顕微鏡高真空システムの圧力分布シミュレーション(S. Ohta, N. Yoshimura, and H. Hirano, 1983 から)
8-6 分子流領域圧力のコンピュータ解析(Hirano et al., 1988 から)  
第8章のおわりに

◇第9章 スパッタイオンポンプとゲッターポンプの基礎 ◇
はじめに
9-1 スパッタイオンポンプ 9-1.1 スパッタイオンポンプの物理(R. I. Jepsen , 1968 から)
9-1.2 超高真空用のスパッタイオンポンプ(S. L. Rutherford, 1964 から)
9-1.3 スパッタイオンポンプの開発(D. Andrew, 1968 から)
9-1.4 二極型ゲッターイオンポンプによる,安定した空気排気(R. L. Jepsen et al.,1960 から)
9-1.5 二極型ペニングポンプの不活性ガス排気のメカニズム(P. N. Baker and L. Laurenson, 1972 から)
9-1.6 スパッタイオンポンプの希ガス排気性能の向上(S. Komiya and N. Yagi, 1969 から)  
9-1.7 スパッタイオンポンプによるHe 排気とH2 排気(K. M. Welch, D. J. Pate, and R. J. Todd, 1993, 1994 から)
9-2 チタンサブリメーションポンプ
9-2.1 レビュー:Ti 膜の付着係数と収着容量(D. J. Harra, 1976 から)
9-2.2 Ti サブリメーションポンプからのメタンガス放出(D. Edwards, Jr, 1980 から)
9-3 非蒸発型ゲッターポンプ
9-3.1 St707 非蒸発ゲッター(Zr 70 V 24.6-Fe 5.4 wt%)の排気特性(C. Benvenuti and P. Chiggiato, 1996 から)
9-3.2 コンパクトなチタン―バナジウム非蒸発ゲッターポンプの設計と排気特性(Y. Li et al., 1998 から)  
第9章のおわりに

◇第10章 スパッタイオンポンプの開発 ◇
はじめに
10-1 超高真空スパッタイオンポンプ
10-1.1 高磁束密度スパッタイオンポンプの超高真空での排気特性(K. Ohara et al., 1992 から)
10-2 ノーブル型超高真空スパッタイオンポンプ
10-2.1 種々の形状の“Ta/Ti”カソード対をもつスパッタイオンポンプのアルゴン排気特性(N. Yoshimura et al., 1992 から)  
10-3 キセノン(Xe)が排気可能なノーブル型スパッタイオンポンプ
10-3.1 “ Slotted Ta on fl at Ti/“slotted Ta on fl at Ti”カソード対のポンプによるXe の排気(N. Yoshimura, 2013 から)  
第10章のおわりに

◇第11章 超高真空ゲージとマススペクトロメータ ◇
はじめに
11-1 エクストラクタゲージ(EG)とBA ゲージ(BAG)
11-1.1 低い残留電流の熱フィラメント電離真空計(P. A. Readhead, 1966 から)
11-1.2 BAG とEG の圧力指示値の比較(U. Beeck and G. Reich, 1972 から)
11-1.3 超高真空の全圧の測定(G. F. Weston, 1979 から)
11-2 UHV スパッタイオンポンプのイオン電流対圧力特性(N. Yoshimura et al., 1992[11-4]から)  
11-3 残留ガス分析計
11-3.1 G. F. Weston(1980)の論文
11-4 超高真空ゲージでの諸現象
11-4.1 BA ゲージとエクストラクタゲージ(EG, ヌード型)からのガス放出(N. Yoshimura et al., 1991 から)  
第11章のおわりに

◇第12章 振動の少ない超高真空油拡散ポンプと関連機器の開発◇
はじめに
12-1 振動の少ない超高真空油拡散ポンプと水冷バッフルの開発
12-1.1 DP 技術の進展(M. H. Hablanian and J. C. Maliakal, 1973 から)
12-1.2 軟鋼肉厚パイプ(3 mmt,Ni メッキ)のポンプボディーをもつ超高真空用油拡散ポンプの開発  
12-1.3 コールドキャップ付きシェブロンバッフルの開発
12-2 DP 排気系のクリーン排気特性(S. Norioka and N. Yoshimura, 1991 から)
12-3 液体窒素保持時間の長い冷却トラップの開発(H. Hirano and N. Yoshimura, 1981 から)  
第12章のおわりに

◇第13章 スイッチオーバー排気時に耐性を示す,ダイナミックな排気系 ◇
はじめに
13-1 高真空システムにおける過負荷を阻止するには(M. H. Hablanian, 1992 から)
13-1.1 体積流れと質量流れ
13-1.2 クロスオーバー圧力とは?
13-2 高電子顕微鏡のカスケード接続油拡散ポンプ排気系(N. Yoshimura et al.,1984 から)
13-2.1 DP1-DP2 直列系
13-2.2 スイッチオーバー時の過大ガス負荷に耐性のあるDP 排気系
13-2.3 電子顕微鏡のカスケード接続油拡散ポンプ排気系
13-2.4 カスケード接続油拡散ポンプ排気系を保護する安全システム  
13-3 積層積み重ね油拡散ポンプグループの到達真空に及ぼすインレットバルブの影響(N. T. M. Dennis 1982 から)
13-3.1 インレットバルブのガス放出
13-3.2 インレットバルブの運転
13-4 過大ガス負荷を抑制する先行低速度高真空排気(N. Yoshimura, 2009 から)
13-4.1 ガス放出の過渡現象
13-4.2 スイッチオーバー直後の過大ガス負荷
13-4.3 過大ガス負荷問題を解決する先行低速度高真空排気
13-5 ターボ分子ポンプ排気系  
第13章のおわりに  
結 び
 

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