【講座主旨】
データインテグリティ対応が進む中、依然として試験部門(QC)における対応が他のGxP領域よりも注目されている現状がある。データインテグリティ対応をより効果的に実践するには業務プロセスの電子化は欠かせない。しかし、試験部門(QC)においても実際には電子化されないままの業務プロセスも多く、依然として多くの紙文書・紙記録が存在している。効果的な電子化、電子化後のデータファイルの保管・管理におけるポイント等をデータインテグリティ対応の観点から説明する。
◆習得できる知識◆
・規制対応業務プロセスにおける電子化の考え方のヒント
・電子化ファイルの信頼性確保のポイント
・データインテグリティ対応のポイント
・データの運用・管理のポイント ほか
【講演内容】
1.生データとしての紙データ及び電子データの運用管理
・生データとは
・オリジナル記録とは
・生データに対して期待されること
・紙および電子データの運用・管理
2.データの運用管理に対する規制当局の期待
・ER/ES対応、Part11対応
・データインテグリティ対応
基礎概念〜対応の主要ポイント(ALCOA原則・監査証跡・オリジナル・データガバナンス、監査証跡レビューほか)
3.紙文書・紙記録からの電子化及びその後の保管・管理方法
・電子化の功罪
・電子化の必要性
・電子文書と電子化文書
・業務プロセスの電子化
・紙文書の電子化
・データ保管・管理方法における注意点
4.試験部門(QC)におけるシステム対応のポイント(規制対応の観点から)
・分析機器(クロマトグラフ等)、CDS
・LIMS、品質管理システム
・電子実験ノート
5.データ保管・管理及びデータインテグリティに関する当局査察指摘事項
6.試験部門(QC)におけるデータ保管・管理のヒント
7.「GMP事例集(2022年版)」から記録・データ運用管理関連箇所の解説
【質疑応答】
●略歴
某製薬会社入社後、CMC品質部門にて治験薬の規格及び試験方法・物化性の検討、分析研究および開発品の申請資料作成に従事。その後、品質保証部門にて治験薬の品質保証およびCMC薬事対応に従事。品質部門・品質保証部門所属と並行し、一貫してER/ES・CSV対応メンバーとして、主にCMC領域のER/ES・CSV対応を主導。
ER/ES・CSV対応全社推進部門に移り、社内体制構築・手順制定等に従事するとともに、CMC/GMP領域でのER/ES・CSV対応、FDA査察対応時のER/ES・CSV対応準備および業務プロセスの電子化対応等にも従事。
最新規制動向を踏まえた現場目線での効率的な対応を常に目指している。
ISPE GAMP Japan Forum サブリーダー
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