【講座の趣旨】
高分子関連産業において高分子材料の分子設計やポリマーアロイ、フィラ―・繊維配合組成物材料設計が日常的に実施されてきた。しかし、2010年代以降、新規製品・新規事業の開発に着手する企業が増加してきており、1980〜2000年代に進められてきた高分子材料設計の考え方にも再検討が求められてきている。本講では、異種高分子鎖間の界面エネルギーに着目した基礎的な複合高分子材料設計の考え方を解説するとともに、フィラ―や繊維などの配合剤・充填剤の選定にも論及して、実用的な高分子材料の設計手法について述べる。
【セミナープログラム】
1.高分子間の界面自由エネルギー
1.1 異種高分子間の相溶性と非相溶性
1.2 異種高分子の混合における界面エネルギーの変化
1.3 高分子混合系の界面自由エネルギー変化と溶解性パラメーター
2.ポリマーアロイの基本的考え方
2.1 相溶性ポリマーアロイ 2.2 非相溶性ポリマーアロイ
2.3 界面活性化剤と相容化剤
3.実用化されたポリマーアロイ材料
3.1 第一世代(非相溶系)ポリマーアロイ
3.2 第二世代(相溶系)ポリマーアロイ
3.3 第三世代(非相溶系)ポリマーアロイとリアクティブプロセッシング
3.4 相容化剤の発生による界面エネルギー低減
4.新世代のポリマーアロイ
4.1 第四世代(ミクロ/ナノ 制御)ポリマーアロイ
4.2 界面から離脱する相容化剤の特異な挙動と材料物性への影響
5.配合組成物への応用
5.1 充填剤(フィラー)の影響と性能・機能制御
5.2 繊維系充填剤への適用
【質疑応答】
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