痒み 創薬 セミナー
                  
痛みのメカニズムとこれからの治療薬・治療法の開発
次世代のがん治療薬・診断のための研究開発
 
<セミナー No.706132>

★NCマウスを使用しない痒みの評価方法とは!

痒みの臨床評価・創薬研究と病態モデルの作製

〜蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、湿疹・皮膚炎群、皮膚掻痒症〜


■ 講師
【第1部】  筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 教授 長瀬博 氏
【第2部】 近畿大学医学部皮膚科 教授 川田暁 氏
【第3部】 国際医療福祉大学薬学部薬理学教室 新井巌 氏
■ 開催要領
日 時 平成29年6月20日(火) 10:00〜16:40
会 場 [東京・五反田] 日幸五反田ビル 8階 技術情報協会 セミナールーム
聴講料

1名につき55,000円(消費税抜き/昼食・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき50,000円〕
〔大学、公的機関、医療機関の方には割引制度(アカデミック価格)があります。
詳しくはお問い合わせください〕

■ プログラム  

【10:00-12:00】

【第1部】 難治性掻痒症治療薬の研究開発と痒み伝達機構の解明

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 教授 長瀬博 氏

 

【講座趣旨】

 最近まで難治性掻痒症に対する薬物がなく、腎透析、肝炎の患者は夜も眠れない重篤な痒みに悩まされてきた。さらに、有効な薬物がないため、病気と認められず、患者、家族は我慢を強いられてきた。しかし、2009年にオピオイドκ作動薬、ナルフラフィン(商品名:レミッチカルセル)が腎透析の患者の重篤な痒みを適用として発売され、有効率80%と驚異的な効果が得られたのを契機に痒みは治療すべき対象として認められ、腎透析の患者は痒みから解放されつつある。さらに、2015年には肝炎の痒みにも適用拡大がなされ、痒みに対する作用機序の解明も加速されている。 本講演会では、オピオイドから薬物依存性を分離した手法、痒みを対象とした開発のきっかけ、薬理作用、臨床効果、市販後調査の結果を報告する。さらに、最近、この薬物を利用して痒みの基本的メカニズム、「痒いと引っ掻く」行動の解明も、痒みに関与するニューロンの発見で達成された。さらに他社のκ作動薬が不可避であった薬物嫌悪作用をナルフラフィンのみが分離している理由を我々の研究を通して解明しつつあり、そのトピックも本講演で報告する。

【講座内容】

1.ナルフラフィンの設計・合成
  1-1 オピオイドの歴史
  1-2 オピオイドタイプ選択的拮抗薬の設計・合成
 
1-3 アクセサリー部位の概念とκオピオイド作動薬の設計
  1-4 ナルフラフィンの創出

2.ナルフラフィンの薬理作用
  2-1 鎮痛作用
 
2-2 薬物依存性の評価方法  
  2-3 止痒作用

3.ナルフラフィンの臨床試験
  3-1 オープン試験結果
 
3-2 二重盲験試験結果  
  3-3 安全性試験結果
  3-4 市販後調査結果

4.痒み伝達機構の解明  
  4-1 内因性オピオイドと痒みの関係  
  4-2 新規ニューロン、B5-Iニューロンの発見  
  4-3 痒いと引っ掻く行動の解明

5.ナルフラフィンが薬物嫌悪作用を分離した機序の解明

【質疑応答】


【12:50-14:20】

第2部】 かゆみ治療の現状と皮膚科医が求める新薬像

近畿大学医学部皮膚科 教授 川田暁 氏

 

【講座主旨】

 皮膚科領域において痒みに対する治療の重要度はきわめて高い。多くの場合内服薬 による治療が行われる。本講演では、痒みに対する治療の実際と皮膚科医が薬剤に 対して求めているものについて述べたい。

【講座内容】 

1.痒みを伴う皮膚疾患とその病態
 
A.蕁麻疹   ・病態 ・ガイドライン ・治療のトピックス  
  B.アトピー性皮膚炎   ・病態 ・ガイドライン ・治療のトピックス  
  C.湿疹・皮膚炎群   ・病態 ・治療  
  D.皮膚掻痒症   ・病態 ・治療

2.薬剤の選択における皮膚科医師の考え方  
 
・抗ヒスタミン薬と抗アレルギー剤  
  ・薬理作用の違い  
  ・インバースアゴニズム  
  ・副作用  
  ・インペアードパフォーマンス

3.皮膚科医師が求める薬剤とは  
  ・薬理作用  
  ・効果  
  ・使用方法  
  ・副作用  
  ・外国との違い  
  ・外用薬への期待  
  ・保険審査での問題点   
                                      

【質疑応答】


【14:40-16:40】

【第3部】 皮膚炎モデル動物の作製

国際医療福祉大学薬学部薬理学教室 新井巌 氏

 

【講座趣旨】

  アトピー性皮膚炎の病態を考えると病態モデルとして妥当なのは自然発症皮膚炎動物のNCマウスと考える。その根拠として、掻痒誘発物質であるIL-31の発現と痒覚過敏の発現がある。ところがNCマウスは汚染動物の為、飼育できないという研究施設もあるが、NCマウスを使わなくてもアトピー性掻痒を評価出来る実験方法を中心に口演を行う。

【講座内容】 

1. 皮膚炎モデル動物
  ・接触性皮膚炎モデル(TNCB誘発皮膚炎)
  ・自然発症皮膚炎モデル(NC/Ngaマウス)

2. 掻痒誘発物質としてのIL-31の特異性
  ・掻破行動の測定
  ・掻痒誘発物質皮内注入による掻破行動
  ・IL-31誘発掻破行動

3. 痒覚過敏の発現
  ・痒覚過敏(Alloknesis)とは何か?
  ・痒覚過敏の改善

4. 無菌物質を用いたアトピー性掻痒の評価
  ・BALB/cマウスを用いたアトピー性掻痒評価
  ・抗ヒスタミン薬の効果
  ・ステロイド剤の効果
  ・プロトピックの効果

5. 痒覚過敏の生理的意義に関する考察
  ・掻痒過敏と疼痛の関係
  ・疼痛過敏の改善

【質疑応答】


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