第1章 透明性樹脂の分子設計・透明化
第1節 屈折率制御
1.1 屈折率と分子構造
1.1.1 屈折率の定義
1.2 屈折率の波長依存性
1.3 屈折率の温度依存性1.4 屈折率の制御
1.4.1 Lorentz-Lorenz式に基づいた屈折率の制御
1.4.2 高屈折率化
1.4.3 低屈折率化
1.5 屈折率の精密測定
1.6 光学ポリマーの屈折率予測システム
第2節 低複屈折化
2.1 複屈折と屈折率楕円体
2.1.1 等方性と異方性
2.1.2複屈折と屈折率楕円体
2.1.3複屈折媒体に入射した光の振る舞い
2.2 配向複屈折
2.2.1 ポリマーの配向複屈折
2.2.2 配向複屈折の低減化
2.3 応力複屈折
2.3.1 光弾性効果と応力複屈折
2.3.2 応力複屈折の低減化
2.4 複屈折の低減化
第3節 高透明化
3.1 ポリマーの透明性
3.1.1 本質的損失要因
3.1.2 透明性の表現
3.2光吸収損失
3.2.1 電子遷移吸収
3.2.2 原子振動吸収
3.2.3 光吸収損失の低減化
3.3 光散乱損失
3.3.1 光散乱による高次構造解析法
3.3.2 屈折率不均一構造と光散乱損失
3.3.3 高透明化のための高次構造制御
3.3.4 ポリマーの分子構造と光散乱損失
3.3.5 光散乱損失の低減化
3.4 高透明化のための分子設計
3.5 光学ポリマーの透明性予測システム
第4節 光学ポリマーのエイジング
4.1 高分子ガラスの構造緩和
4.2 光学ポリマーのエイジング
第2章 光学用樹脂の動向および各種手法を用いた開発と設計法
第1節 国内外における光学用透明樹脂の動向
1.はじめに
2.各種光学用透明性プラスチック
2.1 アクリル樹脂(PMMA:ポリメタクリル酸メチル)
2.2 ポリカーボネート(PC)
2.3 ポリスチレン(PS)
2.4 ポリエチレレンテレフタレート(PET)
2.5 ポリエチレレンナフタレート(PEN)
2.6 MS樹脂
2.7 CR‐39(ADC樹脂)
2.8 ポリビニルアルコール(PVA)
2.9 トリアセチルセルロース(TAC)
2.10 ノルボルネン系樹脂(COP):日本ゼオン鰍フ「ゼオネックス」、「ゼオノア」
2.11 変性ノルボルネン系樹脂:JSR鰍フ「アートン」
2.12 環状オレフィン共重合体(COC):三井化学鰍フ「アペル」、TAP GmbH社の「Topas」
2.13 非晶性フッ素樹脂:旭硝子鰍フ「サイトップ」
2.14 ポリアリレート(PAR):ユニチカのUポリマーなど
2.15 ポリエーテルスルホン(PES)住友化学工業鰍フ「スミカエクセル」など
3.ディスプレイ用光学高分子フィルム
第2節 無機ナノ粒子−有機ポリマー複合化を用いた光学材料の作製
1.ナノコンポジット中のナノ粒子
1.1 ナノ粒子による入射光の散乱
1.2 ポリマーマトリックス中のナノ粒子による透過光の強度低下
1.3 光散乱を生じないナノ粒子の大きさ
2.透明ポリマーナノコンポジットへのアプローチ
2.1 重合性化合物による表面修飾ナノ粒子−ポリマーグラフトによるナノコンポジット形成
2.2 重合開始性化合物による表面修飾ナノ粒子−ポリマーグラフトによるナノコンポジット形成
2.3 ポリマーマトリックス中でのナノ粒子の直接生成によるナノコンポジット形成
2.4 ナノ粒子コア−マトリックスポリマーシェル粒子の溶融加工によるナノコンポジット形成
2.5 ナノ粒子と親和性のある側鎖官能基をもつポリマーへの直接分散によるナノコンポジット形成
第3節 ナノ粒子分散光学ポリマーの設計技術
1. 高分子ナノハイブリッドの調製
1.1 ナノ粒子
1.2 マトリックス高分子
1.3 ハイブリッドの調製方法と分散−凝集特性の評価
2. 分散−絡み合い架橋凝集特性
2.1 分散−凝集特性の評価方法
2.2 分散−凝集特性に及ぼすポリマー濃度の影響(調製方法1)
2.3 SiO2ゾル濃度の影響(調製方法2)
2.4 分散−凝集特性に及ぼすポリマー濃度の影響(調製方法2)
2.5 ポリマーの分子量依存性:絡み合い架橋凝集(調製方法2)
3. ポリマー分子の絡み合い架橋凝集の理論解析:C*のポリマーの分子量依存性
3.1 ポリマー分子同士が接触し始める臨界濃度C*
3.2 分散−絡み合い架橋凝集:概念図
3.3 ナノ粒子のマトリックスポリマーへの分散安定化:応用展開
第4節 ポリマーブレンドによる光学樹脂の設計
1. 透明性
1.1 静的な屈折率ゆらぎによる光散乱損失
1.2 一相状態における透明性(動的な屈折率ゆらぎによる光散乱損失)
2. 屈折率
2.1 組成依存性
2.2 波長分散特性
3. 複屈折
3.1 複屈折低減
3.2 波長分散特性制御
第5節 遷移金属重合による環状オレフィン系ポリマーの精密合成
1.環状オレフィンの開環メタセシス重合(Ring-Opening Metathesis
Polymerizaton, ROMP)による合成方法
2.ビニル付加重合による環状オレフィン系共重合体の合成
2.1 エチレンとノルボルネンとの共重合
2.2 エチレンと他の環状オレフィンとの共重合
第6節 官能基導入による光学樹脂の合成法
1.ノルボルネンの重合形態
2.極性ノルボルネン類のROMP
2.1 エステル基を有するノルボルネン類の ROMP
2.1.1 モリブデン触媒を用いる含エステル基ノルボルネン類の ROMP
2.1.2 タングステン触媒を用いる含エステル基ノルボルネン類の ROMP
2.1.3 ルテニウム触媒を用いる含エステル基ノルボルネン類の ROMP
2.2 シアノ基を有するノルボルネン類の ROMP
2.2.1 モリブデン触媒を用いる含シアノ基ノルボルネン類の ROMP
2.2.2 タングステン触媒を用いる含シアノ基ノルボルネン類の ROMP
2.2.3 ルテニウム触媒を用いる含シアノ基ノルボルネン類の ROMP
3.極性ノルボルネン類の付加重合
3.1 エステル基を有するノルボルネン類の付加重合
3.1.1 パラジウム触媒を用いる含エステル基ノルボルネン類の付加重合
3.1.2 ニッケル触媒を用いる含エステル基ノルボルネン類の付加重合
3.2 シアノ基を有するノルボルネン類の付加重合
第7節@ 電子線による屈折率の制御
1.電子線反応による屈折率制御
2.透明ポリイミドの電子線反応による屈折率制御
3.種々のポリイミドの電子線反応
4.電子線クロミック反応による屈折率誘起
第7節A 光による屈折率の制御
1.フォトオプティカル効果
2.フォトオプティカル効果の原理
3.フォトオプティカル分子の例
4.フォトオプティカル効果材料の反応設計
5.光異性化反応量子収率
第3章 光学用樹脂における機能性付与技術
第1節 屈折率および粒子径を制御した複合酸化物フィラー用いる透明樹脂の高機能化
1.フィラーの屈折率と透明性
2.フィラーの充填率と粒子径の影響
3.金属酸化物フィラーによる透明樹脂の高機能化の実用例
第2節 UV硬化樹脂における屈折率の調整、低吸水化
1.高分子材料の屈折率
1-1.屈折率を決定する要因
1-2.屈折率の算出方法
1-3.化学構造と屈折率
2.UV硬化樹脂の屈折率制御のポイント
2-1.一般的なUV硬化樹脂の屈折率
2-2.UV硬化樹脂における屈折率の温度依存性
2-3.UV照射量と屈折率との関係
2-4.UV硬化樹脂の波長分散
3.UV硬化樹脂の高屈折率化
3-1.芳香族基の導入
3-2.フッ素以外のハロゲン原子の導入
3-3.硫黄原子の導入
3-4.脂環式構造の導入
4.高分子材料の複屈折
4-1.UV硬化樹脂の複屈折
5.高分子材料の吸水率
5-1.一般的なUV硬化樹脂の吸水率
5-2.高屈折率UV硬化樹脂の吸水率
第4章 光学用樹脂における成形加工の最適化
第1節 光学樹脂における精密射出成形
1.光学樹脂を成形するための課題
2.課題を解決するための対応技術
2.1 ヤケ・コンタミ
2.2 ジェッティング・フローマーク
2.3 糸引き・ドルーリング
2.4 剥離時の製品傷
2.5 光学特性の品質バラツキ
2.5.1 金型内圧の変動
2.5.2 型締力の変動
2.5.3 金型内の圧力不足による転写性不良
第2節 光学フィルム・シートの押出成形における時空安定化技術
第5章 各種光学用樹脂の特性と応用事例
第1節 ノルボルネン系樹脂の特性と応用
1.「ARTON」の特長
2.分子設計の考え方
3.ARTONの特性
3.1光学特性
3.2耐熱性・機械特性
3.3成形加工特性
3.4ARTONの各グレード
4.ARTONの応用
4.1光学レンズ
4.2「ARTON FILM」
4.2.1 ARTON FILMの特長
4.2.2 ARTON FILMの用途
第2節 シクロオレフィン系樹脂の特性と応用
1. シクロオレフィンポリマー
2. ZEONEX 、ZEONOR?の物性
3.ブルーレーザー対応シクロオレフィンポリマー
4.シクロオレフィンポリマーの用途展開
5.ゼオノアフィルム?
第3節 環状オレフィンコポリマーの特性と応用
1.アペルRの構造
2.アペルRの物性
2.1.基本物性
2.2.光学物性
2.3.その他の物性
3.アペルRの用途
3-1.光学用途
3-2.包装材料用途
4.今後の展開
第4節 光学用光硬化樹脂とその応用
1. 微細形状転写性樹脂の設計
1.1.光硬化反応
1.2.樹脂の設計
2. 微細形状転写性樹脂の特性
2.1 微細形状転写性
2.2光学特性
2.3.耐環境性
2.4.連続転写性
3. 応用展開
3.1液晶ディスプレイ用バックライト部材
3.1.1液晶ディスプレイ用集光フィルム
第5節 PMMA樹脂の特性と光学製品への応用
1 はじめに
2 PMMAの特性
2.1.透明性
2.2.耐候(光)性
2.3.低複屈折率
3 光学材料分野への応用
3.1.バックライトユニットについて
3.2.液晶モニター用導光板
3.3.液晶テレビ用拡散板
3.4.表面高機能板
4 PMMA樹脂の今後の展開
第6節 ポリカーボネート樹脂の特性と光学分野への応用
1. はじめに
2. ポリカーボネート樹脂の分子構造
3. ポリカーボネート樹脂の製造方法
4. ポリカーボネート樹脂の種類と特徴
4-1 ビスフェノールタイプのポリカーボネート樹脂
4-2 ビスフェノールZタイプのポリカーボネート樹脂
4-3 ビスフェノールAFタイプのポリカーボネート樹脂
5. 光ディスクへのポリカーボネート樹脂の応用
5-1 光ディスク基板素材に求められる主な特性
5-2 光ディスク用ポリカーボネート樹脂
5-3 光ディスク基板材料としてのポリカーボネート樹脂
5-4 次世代光ディスクへのポリカーボネート樹脂の応用
6. LCDディスプレイへのポリカーボネートの応用
7. まとめ
第7節は著作権の都合上、掲載しておりません
第8節 ポリアミド樹脂における透明性の発現
1.ポリアミド樹脂における透明性発現
1.1 ポリアミド樹脂とは
1.2 透明性発現の要因
1.3 透明性ポリアミドの化学構造
1.4 透明性ポリアミド樹脂の開発の歴史
2.透明性ポリアミドの例
2.1 市場での透明性ポリアミド樹脂
2.2 過去に開発された退場した透明性ポリアミド樹脂
3.透明性ポリアミド−グリルアミドTR
3.1 グリルアミドTR
3.2 光線透過度
3.3 屈折率、アッベ数
3.4 透明性ポリアミドの透明性に外的要因が及ぼす影響
第9節 フルオレン系ポリエステルの特性と応用
1. 光学レンズ用プラスチック
2. フルオレン系ポリエステル
第6章 光学用透明樹脂の評価
第1節は著作権の都合上、掲載しておりません
第2節 屈折率の評価
1 透明性の評価
1.1.1 評価方法の概要
1.1.2 透過率(吸光度)測定による評価
1.1.3 エリプソメトリ法による評価
1.1.4 伝搬光ストリーク測定による評価
1.1.5 カットバック法による評価