第8章 ナトリウム,カリウム,塩素―浸透圧調節,電解質平衡,電流
8.1 はじめに
8.2 受動拡散
8.3 ゲートチャネル
8.4 チャネルの選択性と可能な構造
8.5 能動輸送―ポンプ
8.6 選択的ポンプの性質
8.7 電解質回路の形成
8.7.1 ポンプとチャネルの位置
8.7.2 ATPaseポンプ―いくつかの一般的説明
8.7.3 交換輸送体
8.7.4 電流担体としての有機アニオンと有機カチオン
8.7.5 イオンによる電流と形態形成パターン―成長
8.8 単純塩と高分子電解質の条件
8.8.1 DNAとの結合
8.9 カリウムを要求する酵素
8.10 イオン遺伝学とネットワーク
8.10.1 K+回路,Na+回路,Cl-回路
8.10.2 チャネルの進化
8.11 まとめ
第9章 マグネシウムの生物化学―リン酸代謝
9.1 はじめに
9.2 マグネシウムの空間分布
9.3 マグネシウムの化学
9.4 細胞内のマグネシウムポンプ
9.5 マグネシウムによる強力な結合
9.6 細胞壁中や細胞膜中のマグネシウム
9.7 マグネシウム酵素―マグネシウムとリン酸
9.8 マグネシウムと筋肉細胞
9.8.1 張力の活性化
9.8.2 マグネシウムと筋弛緩―カルシウム緩衝作用
9.9 マグネシウムとポリヌクレオチド
9.9.1 DNA粒子,RNA粒子の構造
9.9.2 リボザイム
9.10 ポリアミンとの競合
9.11 高分子平衡―チューブリン,DNA,細胞周期
9.12 細胞外マグネシウム
9.12.1 ゾル/ゲル平衡とマグネシウム
9.13 マグネシウムと脂質
9.14 マグネシウムとクロロフィル
9.14.1 タンパク質中のクロロフィル結合
9.14.2 クロロフィルへのマグネシウム挿入―ケラターゼ
9.15 マグネシウムプローブとしてのマンガンの利用
9.16 Mg2+生化学に対する他のカチオンの緩衝
9.17 リチウムとマグネシウム
9.18 Mg2+-タンパク質とネットワークの進化と遺伝
9.19 結論
第10章 カルシウム―制御とトリガー
10.1 はじめに
10.2 遊離カルシウムイオンレベル
10.2.1 パルス信号を受けた細胞内のカルシウム濃度
10.3 カルシウムイオン
10.3.1 凝縮平衡
10.4 カルシウムとタンパク質配位子
10.5 マグネシウム/カルシウム競合
10.6 細胞内カルシウムの静止状態
10.7 カルシウムトリガー作用―カルモジュリン
10.8 カルシウムトリガータンパク質
10.9 S-100タンパク質
10.10 その他のトリガー作用様式―アネキシンとC-ドメイン
10.10.1 小胞内容物とその放出―エンドサイトーシス
10.10.2 カルシウム,フィラメント,細胞形状
10.11 カルシウムとタンパク質リン酸化
10.12 細胞内のカルシウム緩衝とカルシウム輸送
10.13 カルシウムの流れ―膜,チャネル,ゲート,ポンプを介した動き
10.14 カルシウム交換体
10.15 細胞内カルシウム誘導性プロテアーゼ―アポトーシス
10.16 細胞内制御系総論
10.17 小胞内の細胞質外カルシウム
10.17.1 小胞内カルシウム
10.17.2 細胞小器官カルシウム
10.18 循環体液中の細胞外カルシウム
10.18.1 消化と凝血におけるカルシウム
10.18.2 細胞間接合部におけるカルシウム
10.19 生体鉱物のカルシウムタンパク質
10.20 カルシウムを含む生体鉱物
10.21 細胞質内外のカルシウムバランス
10.21.1 カルシウムの多重結合部位
10.21.2 細胞の形状
10.21.3 細胞の形態形成
10.22 今日のカルシウムネットワーク
10.23 カルシウム結合タンパク質の遺伝的制御
10.24 カルシウムの生物化学のまとめ
第11章 亜鉛―ルイス酸触媒と調節
11.1 ルイス酸とは
11.2 生体空間内における亜鉛
11.3 遊離Zn2+イオンの利用可能性と濃度
11.4 亜鉛会合タンパク質の型
11.4.1 亜鉛酵素
11.4.2 酵素以外の亜鉛タンパク質
11.4.3 亜鉛分配のためのタンパク質
11.4.4 亜鉛フィンガー
11.5 亜鉛の交換速度
11.6 亜鉛に対する配位子の数と選択性
11.7 酵素内の触媒基としての亜鉛
11.7.1 ルイス酸としての亜鉛
11.7.2 亜鉛と酸化還元反応
11.7.3 拘束的 (entatic) 状態とプローブ
11.8 亜鉛タンパク質のまとめ
11.9 亜鉛の調節的・制御的役割
11.10 亜鉛酵素の輸送―消化とペプチドメッセージ
11.11 亜鉛酵素とペプチドホルモン
11.12 細胞外における亜鉛のその他の機能
11.12.1 細胞外マトリックスの架橋と硬化
11.12.2 固体デバイス中の亜鉛
11.13 亜鉛の遺伝学
11.13.1 FURとZUR
11.14 亜鉛と進化
11.15 まとめ―亜鉛は今日のマスターホルモンか? ノート―同形置換と指示薬色素による金属部位のプローブ
第12章 非ヘム鉄―酸化還元反応と制御
12.1 生体系の遷移金属概論
12.2 鉄生化学序論
12.3 鉄の取り込み
12.4 非ヘム鉄タンパク質
12.5 鉄/硫黄タンパク質
12.5.1 電子伝達鎖
12.5.2 コハク酸デヒドロゲナーゼ―ミトコンドリアの粒子II
12.6 酵素中のFe/S活性中心
12.6.1 ヒドロゲナーゼの諸特性
12.7 Fe/Sタンパク質の局在箇所
12.8 細胞中にFenSnクラスターが存在する理由
12.8.1 細菌内Fen/Sn集合体の遺伝学―遺伝的構造
12.9 フェレドキシンの組織と選択性
12.9.1 他の金属によるFe/Sクラスター部位の競合
12.10 Fe_O_Feクラスター
12.11 単核非ヘム鉄/非Fe/S鉄と酸化酵素
12.11.1 特異な鉄酵素の例
12.12 鉄と二次代謝
12.13 非ヘムタンパク質/非Fe/Sタンパク質中の結合配位子
12.14 酸触媒としての細胞外部の鉄
12.15 非ヘム鉄(非Fe/S酵素)機能の要約
12.16 鉄に関する緩衝作用と輸送体
12.17 鉄による代謝制御
12.18 鉄調節と遺伝子および進化との関係 ノート―Fe/S中心の発見
第13章 ヘム鉄―酸化還元共役反応
13.1 ポルフィリン中の鉄
13.2 単離されたヘムユニットの特性
13.3 鉄特性によるヘムタンパク質の分類
13.4 二次構造によるヘム鉄タンパク質の分類
13.5 ヘムタンパク質は細胞内のどこに存在するか?
13.6 ヘムタンパク質の機能 (I) ―電子伝達
13.6.1 単純な電子伝達タンパク質
13.6.2 マルチヘム電子伝達タンパク質
13.6.3 電子伝達/プロトン輸送共役―モデル
13.6.4 シトクロムbc1複合体
13.6.5 膜電子伝達タンパク質―側鎖プロトン共役
13.7 ヘムタンパク質の表面
13.8 ヘムタンパク質の機能 (II) ―貯蔵と輸送
13.8.1 酸素分子―貯蔵,輸送,シグナル伝達
13.8.2 一酸化窒素とヘム受容体
13.8.3 シトクロムcとシアン化合物
13.9 ヘムタンパク質の機能 (III) ―オキシダーゼとジオキシゲナーゼ
13.9.1 シトクロムオキシダーゼ
13.9.2 シトクロムP-450
13.9.3 ペルオキシダーゼとカタラーゼ
13.10 ヘム酵素の基質と二次代謝
13.10.1 ヘムと窒素および硫黄の高酸化状態―還元反応
13.11 ヘムの制御機構 13.12 ヘム合成とその遺伝子
13.12.1 ヘム含有タンパク質の遺伝子
13.12.2 ヘムとメタローム
13.13 ヘム鉄機能の要約
第14章 マンガン―分子状酸素の進化とグリコシル化
14.1 はじめに
14.2 マンガンの化学
14.2.1 酸化状態
14.2.2 Mn(II)‐有機配位子錯体の構造
14.2.3 Mn(II) 平衡と生化学
14.2.4 Mn(II) 錯体の反応速度論
14.3 Mn(III) とMn(IV) の単量体化学
14.3.1 構造
14.3.2 熱力学
14.3.3 Mn(III) とMn(IV) の反応速度論
14.3.4 マンガンクラスターの化学
14.4 マンガンの生物化学
14.4.1 マンガンの存在量と生物にとっての得られやすさ
14.4.2 マンガンの取り込み
14.4.3 マンガンのポンプ輸送
14.4.4 生体系におけるマンガンの分布
14.5 分子状酸素の生成
14.6 マンガンとペルオキシドの代謝
14.7 マンガンと加水分解反応
14.8 マンガンの析出
14.9 マンガンの制御系と遺伝
14.10 マンガン機能の進化
14.11 まとめ
第15章 銅―細胞質外オキシダーゼとマトリックス形成
15.1 はじめに
15.2 銅と電子伝達
15.3 銅と分子状酸素
15.3.1 ヘモシアニン
15.3.2 シトクロムオキシダーゼの銅について
15.3.3 銅と細胞外オキシダーゼ
15.3.4 銅オキシダーゼの基質
15.3.5 銅タンパク質と補酵素PQQ
15.4 銅酵素と酸化窒素
15.5 スーパーオキシドジスムターゼ
15.5.1 存在場所
15.5.2 スーパーオキシドジスムターゼの反応
15.6 銅の輸送とホメオスタシス
15.6.1 緩衝タンパク質と輸送担体タンパク質
15.6.2 銅ポンプ
15.6.3 銅輸送担体
15.6.4 銅の交換速度
15.6.5 銅の遺伝学
15.7 銅の全般的機能
第16章 ニッケルとコバルト―原始生命の名残?
16.1 はじめに
16.2 コバルトとニッケルの化学
16.3 ヒドロゲナーゼ
16.4 ビタミンB12の反応
16.5 生命の有機金属化学
16.6 ニッケルとコバルトによる加水分解的触媒反応
16.6.1 ウレアーゼ―液胞中のニッケル
16.6.2 B12を使わないコバルト酵素
16.7 ニッケルとコバルトの取り込み
16.7.1 ニッケルとコバルトの取り込みの遺伝的制御
16.8 大腸菌におけるコバルト遺伝子とニッケル遺伝子
16.9 結論
第17章 モリブデン,タングステン,バナジウム,クロム
17.1 はじめに
17.2 モリブデン,タングステン,バナジウム,クロムの利用可能性
17.3 モリブデン酵素―概観
17.4 モリブデンの生物化学
17.4.1 モリブデン酸の取り込み
17.4.2 酵素における酸化状態と酸化還元電位
17.4.3 モリブデン反応の型と速度
17.4.4 酸素原子転移反応
17.5 モリブデン酵素の構造と機能
17.5.1 ニトロゲナーゼとその反応中心FeMoco
17.5.2 モリブデンの交換および考えられる制御機能
17.6 モリブデンの遺伝学
17.7 モリブデンのまとめ
17.8 タングステンの生物化学
17.9 バナジウムの化学と生化学
17.9.1 生物におけるバナジウムの化学
17.9.2 バナジウムの生物学的な存在形式と機能
17.9.3 バナジウムと鉄
17.10 進化におけるモリブデン,バナジウム,タングステン
17.11 クロムの生物化学
第18章 リン酸,シリカおよび塩化物―酸-塩基非金属類
18.1 非金属類への序
18.2 リン酸塩の生化学
18.2.1 リン酸の化学
18.3 結合型リン酸の形とエネルギー
18.3.1 ピロリン酸のエネルギーと細胞の静止状態
18.3.2 リン酸制御
18.3.3 リン酸系メッセンジャー
18.3.4 リン酸スイッチ―タンパク質リン酸化,脱リン酸化および時間的階層関係
18.3.5 リン酸と遺伝子転写
18.3.6 リン酸塩ミネラル
18.3.7 リン酸の取り込みと輸送
18.4 リン酸諸機能のまとめ
18.5 塩化物のチャネル,ポンプおよび交換装置
18.6 アニオンバランス―塩化物,リン酸塩,硫酸塩およびカルボキシラート
18.7 ケイ素の生化学
18.7.1 ケイ素の出現と物理的性質
18.7.2 生物におけるシリカの化学
18.7.3 ケイ素の取り込みと輸送
18.8 生物界におけるホウ素
18.9 ハライドおよび他の非金属微量元素
第19章 硫黄,セレンおよびハロゲン―酸化還元性非金属
19.1 はじめに
19.2 硫黄の生化学
19.2.1 酸化状態と酸化還元反応
19.2.2 酸-塩基反応
19.2.3 基転移反応―カップリング
19.2.4 硫黄サイクル
19.2.5 硫黄の細胞化学と遺伝子化学
19.3 硫黄の生化学のまとめ
19.4 セレンの生化学
19.5 進化とセレン
19.6 ハロゲンの利用について
19.7 硫黄,セレンおよびヨウ素の細胞内含量(メタローム)
第20章 元素による統合生体系
20.1 はじめに
20.2 系の性質
20.2.1 平衡状態系列としての地球
20.2.2 非平衡領域系列としての地球
20.2.3 地球化学的・生化学的相互作用
20.3 詳細に見た地球表面の進化の過程
20.3.1 地球上の組織化された流れの進化―パターン
20.3.2 パターンの永続性
20.3.3 閉じた空間内におけるパターンの永続性
20.4 高分子系
20.5 生命の始まり
20.5.1 基本細胞流れと元素ホメオスタシス―基本メタロ−ム
20.6 生存,増殖,そしてコードされた分子の必要性
20.7 進化―導入および形態的変化
20.7.1 内部形態の発達―真核生物の進化
20.7.2 外部形態の発達―多細胞生物の進化と動物の登場
20.8 進化とメタローム
20.8.1 メタロームと生存強度
20.9 原核生物における元素の変化
20.9.1 「嫌気性」の硫酸塩利用細菌と保護
20.10 真核生物―新たな膜組成の発達(新脂質)
20.10.1 初期「嫌気性」真核生物におけるメタローム
20.10.2 好気性単細胞真核生物とそのメタローム
20.11 輸送体 (carrier)
20.12 多細胞生物の細胞外液おようび小胞内溶液のメタローム
20.13 脳の細胞外液のメタローム
20.14 メタローム含有量の概要
20.15 非金属元素のプロテオーム中,有機分子中における変化
20.15.1 非金属代謝における変化
20.16 細胞外情報交換ネットワーク
20.16.1 神経と脳
20.17 系の存続―元素の有効価値のまとめ |