ゲノム 編集 書籍
 
No.2088
動物/疾患モデルの作製技術・病態解析・評価手法
iPS細胞の安全・高品質な作製技術

 

◎ 2020年のノーベル化学賞技術が持つ、巨大市場創出の可能性とは? どんな所に、どのように活かせるのか?
   エネルギー生産、疾患治療、植物品種改良などでの具体的な応用法、問題点を多角的に解説!

ゲノム編集技術を応用した

製品開発とその実用化

〜研究開発動向・課題解決策・技術予測と市場展望〜

発 刊:2021年2月26日  ISBN:978-4-86104-827-2    体 裁:A4判 602頁    定 価:88,000円(税込)

※書籍絶版 オンデマンド版 44,000円(税込)  (上製本ではありません) ISBN:978-4-86104-962-0


 
■試読を希望される場合は下記からお申し込みください
 
■ 執筆者(敬称略)
九州大学 石野良純 東京大学 池田有沙
東京大学 喜納(早下)裕美 東海大学 権藤洋一
東京大学 岡田尚己 大阪大学 水口裕之
自治医科大学 久米晃啓 大阪大学 鳥羽由希子
NPO法人くらしとバイオプラザ21 佐々義子 大阪大学 鈴木啓一郎
キャノングローバル戦略研究所 山下一仁 群馬大学 森田純代
文部科学省 伊藤裕子 群馬大学 堀居拓郎
特許業務法人セントクレスト国際特許事務所 橋本一憲 群馬大学 畑田出穂
自治医科大学 岩本禎彦 岩手大学 金子武人
東京農業大学 藤田信之 東海大学 大塚正人
ティア・リサーチ・コンサルティング(合) 内海潤 鹿児島大学 佐藤正宏
辻丸国際特許事務所 南野研人 山梨大学 玉井望雅
農業・食品産業技術総合研究機構 廣瀬咲子 山梨大学 犬飼岳史
特許業務法人志賀国際特許事務所 飯田雅人 順天堂大学 多田昇弘
大野総合法律事務所 森田裕 順天堂大学 中村衣里
山本特許法律事務所 駒谷剛志 国立医薬品食品衛生研究所 内田恵理子
特定非営利活動法人メディッセ 志甫理 国立成育医療研究センター 五十嵐隆
遺伝子組み換え情報室 河田昌東 国立成育医療研究センター 小野寺雅史
東京都医学総合研究所 宮岡佑一郎 大阪大学 吉村康秀
京都大学 黒田浩一 実験動物中央研究所 汲田和歌子
明治大学 乾雅史 実験動物中央研究所 佐々木えりか
東京都医学総合研究所 乾(加藤)朋子 東京医科歯科大学 田中光一
神戸大学 Ang Li 自治医科大学 大森司
神戸大学 光延仁志 自治医科大学 平本貴史
神戸大学 西田敬二 金沢工業大学 山口照英
愛知医科大学 小西裕之 京都大学 杉本直志
野村アグリプランニング&アドバイザリー(株) 石井佑基 京都大学 江藤浩之
九州大学 上平正道 国立循環器病研究センター 藤原祥高
九州大学 河邉佳典 東京大学 西増弘志
東京大学 丸山潤一 国立遺伝学研究所 鐘巻将人
農業・食品産業技術総合研究機構 増岡裕大 農業・食品産業技術総合研究機構 佐々木健太郎
農業・食品産業技術総合研究機構 坪田拓也 農業・食品産業技術総合研究機構 今井亮三
農業・食品産業技術総合研究機構 横井翔 日本たばこ産業(株) 加藤紀夫
農業・食品産業技術総合研究機構 瀬筒秀樹 東京都立大学 岡本龍史
産業技術総合研究所 迎武紘 東京大学 太田邦史
産業技術総合研究所 大石勲 東京大学 小田有沙
理化学研究所 野村俊尚 技術知財経営支援センター 秋葉恵一郎
理化学研究所 原田稜 東京農業大学 梶川揚申
(株)ユーグレナ 山田康嗣 北海道大学 山田哲也
(株)ユーグレナ 鈴木健吾 大阪大学 村中俊哉
理化学研究所 持田恵一 大阪大学 安本周平
神戸大学 柘植謙爾 国立医薬品食品衛生研究所 中村公亮
神戸大学 石井純 名古屋大学 立川雅司
神戸大学 近藤昭彦 東京大学 松尾真紀子
東京理科大学 島田浩章 東京大学 角田茂
経済産業省特許庁 三原健治 東京理科大学 荒添貴之
経済産業省特許庁 木原啓一郎 玉川大学 肥塚信也
経済産業省特許庁 坂井田京 九州大学  風間智彦 
東京大学 藤井渉 東京大学  有村慎一 
■ 本書のポイント
◆◆技術動向や製品開発、社会実装成功のポイントなどが これ1冊で掴める!
   −規制整備、知財、安全性、倫理問題、社会受容性など 各視点で解説!

 @商用化の壁となる、特許問題への対応
  −今も係争中のCRISPER-CAS9の基本特許問題の行方は?
    CRISPER-CAS9を使う歳の知財上の注意点とは?

 A安全性の課題とオフターゲット効果への対策
  −そのメカニズムや予測、変異検出による対応策、   
    オフターゲット効果を軽減した次世代技術の開発、モザイク現象まで

 Bスマートセルインダストリーへの応用とその課題解決
  −タンパク質の高生産細胞株の作製
    カイコ活用、鶏卵バイオリアクター、ミドリムシによるバイオ燃料生産

 Cモデル動物作製と医薬品評価への応用
  −HITI法、エピゲノム操作、エレクトロポレーション法、i-GONAD法など
    技術開発やその活用の最前線

 D遺伝子治療技術・再生医療の開発
  −国内外の規制整備の動向や各種疾患での応用最前線

 E農産物の品種改良への活用
  −乳酸菌、ダイズ、ジャガイモなどの品種改良技術、農作物の病原菌研究応用

■ 目  次

第1章 産業応用を見据えたゲノム編集技術の開発状況と
                          その実用化への課題解決

第2章 ゲノム編集技術の活用時に障壁となる知財問題への対応

第3章 ゲノム編集技術の安全性リスクの課題と
              オフターゲット効果・モザイク現象などへの対策

第4章 ゲノム編集によるスマートセルインダストリーの技術開発とその課題解決

第5章 ゲノム編集によるモデル作製技術と医薬品等の評価への応用

第6章 ゲノム編集による遺伝子治療技術・再生医療の開発とその課題解決

第7章 ゲノム編集を用いた食用動植物の品種改良の技術開発と今後の動向


◇第1章 産業応用を見据えたゲノム編集技術の開発状況とその実用化への課題解決◇

1節 ゲノム編集技術の進歩と研究開発への応用
1.CRISPR/Casが登場するまで
1.1 ゲノム編集以前
1.2 ゲノム編集技術へ
1.3 人工エンドヌクレアーゼの開発
2.CRISPR/Casとゲノム編集
2.1 CRISPRの発見
2.2 CRISPR配列の広がり
2.3 CRISPRと連動した遺伝子の存在
2.4 CRISPRは生体防御機能を担う
2.5 CRISPR/Casはどのように機能するのか
2.6 CRISPR/Casシステムの分類
3.CRISPR/Casとゲノム編集
3.1 CRISPR/Cas9をゲノム編集に応用する
3.2 Cas9エフェクターの改良
3.3 Casエフェクターの拡張
3.4 CRISPR/Casのその他の応用
3.5 微生物工学への応用

2節 ゲノム編集技術による遺伝子治療技術・再生医療技術の開発と実用化への課題
1.遺伝子治療のストラテジー
1.1 in vivo法
1.2 ex vivo法
1.3 ベクター発現細胞
2.遺伝子治療に用いるベクター
2.1 プラスミドDNA
2.2 アデノウイルス
2.3 レトロウイルス、レンチウイルス
2.4 AAV
3.ゲノム編集技術を用いた遺伝子治療
3.1 従来の遺伝子治療とゲノム編集技術を用いた遺伝子治療の違い
3.2 ZFNおよびTALEN
3.3 CRISPR/Casの概略
4.安全性の観点から解決が必要な課題
4.1 オフターゲット効果
4.2 ゲノム編集酵素の免疫原性
4.3 大量投与

3節 創薬を加速するゲノム編集技術の進展と課題
1.創薬におけるfunctional genomics
1.1 ゲノム編集の原理
1.2 ZFN、TALEN
1.3 CRISPR/Cas9
1.4 遺伝子ノックアウト
1.5 CRISPRi
1.6 CRISPRa
1.7 遺伝子置換
2.新薬開発の5段階
2.1 標的の同定
2.2 化合物スクリーニング
2.3 ヒット化合物の確認
2.4 リード化合物の同定と最適化
2.5 臨床試験と承認申請
3.CRISPR/Casスクリーニング
3.1 アレイ型スクリーニング
3.2 プール型スクリーニング
3.3 機能喪失スクリーニング
3.4 機能獲得スクリーニング
3.5 合成致死
4.モデル作成
4.1 細胞モデル
4.2 動物モデル
5.今後の課題

4節 ゲノム編集応用食品の開発状況とその市場浸透への課題
1.ゲノム編集食品の開発状況
1.1 高GABAトマト
1.2 肉厚タイ
1.3 天然毒のないジャガイモ
1.4 「養殖しやすい」クロマグロ
1.5 シンク容量改変(超多収)イネ
1.6 鶏卵を使って有用な組換えタンパク質を大量生産
2.消費者の受け止め方
2.1 消費者からみた社会実装にむけた現状
2.2 市民の受け止め方
2.3 慎重派の意見
2.4 いろいろな不安や懸念の整理
@安全性確認への不安
Aヒトへの応用と農林水産分野の違い
B消費者の知る権利
C後代育種
2,5 事業者の受け止め方
3.ゲノム編集技術をいかに説明するか

5節 ゲノム編集と食料供給
1.食品の安全性についての規制
1.1 遺伝子組換え食品に対する日米欧の考え方
1.2 遺伝子組換え食品の実態
1.3 遺伝子組換え食品についてアメリカは日本と同様な規制へ変更
1.4 ゲノム編集食品に対する規制
1.5 予防原則とリスクコミュニケーション
2.食料生産を飛躍的に拡大させる可能性
2.1 農業生産の特徴―BC過程とM過程
2.2 ゲノム編集の効果
2.3 小さな企業でも活用できる
3.世界の食料安全保障への貢献
3.1 食料危機と価格高騰
3.2 農業専門家が叫ぶのは「恒常的」な食料危機
3.3 食料危機とゲノム編集

6節 農業分野におけるゲノム編集技術の社会実装への動向と課題解決
1.新しい育種技術としてのゲノム編集技術
1.1 新しい育種技術とは
1.2 新しい育種技術としてのゲノム編集技術
2.新しい育種技術としてのゲノム編集技術の制度上の取扱い
2.1 日本の制度上の取扱い
2.2 米国や欧州等における制度上の取扱い
3.ゲノム編集技術を用いた農作物の育種
3.1 農作物のゲノム編集技術
3.2 研究段階のゲノム編集技術を用いた作物
4.農業分野におけるゲノム編集技術の社会実装の課題と解決案
4.1 遺伝子組換え作物の日本の現状とゲノム編集技術による農作物の将来
4.2 ゲノム編集技術による農作物の社会実装への提案

 
7節 ゲノム編集技術の基本特許と農業分野の社会実装に与える影響及び対策
1.ゲノム編集技術の基本特許の動向
1.1 CRISPR-Cas9
1.2 TALENs
2.基本特許の最終成果物に対する影響
3.農業分野の社会実装のための対策
3.1 ライセンスイン
3.2 国産ゲノム編集技術の開発

8節 ゲノム編集技術の活用に伴う倫理的課題と今後の展開
1.ゲノム編集が拓くバイオ産業の未来とその倫理的問題点
1.1 ゲノム編集を用いたヒト遺伝性疾患の遺伝子治療
(1)従来の遺伝子治療とゲノム編集技術を用いた遺伝子治療の比較
(2)ゲノム編集技術の限界
(3)ヒト受精卵・胚のゲノム編集
(4)ヒト体細胞のゲノム編集
(5)ゲノム編集技術の限界と遺伝学的考察
(6)エンハンスメント
(7)ゲノム編集技術を用いたヒト受精卵・胚の臨床応用に関する国内外の規制の現況
1.2 遺伝子ドライブ
(1)遺伝子ドライブとは
(2)遺伝子ドライブに懸念されるオフターゲット効果
(3)遺伝子ドライブの成功例と失敗例
2.ゲノム編集における倫理的問題の今後の展開

9節 ゲノム編集技術とカルタヘナ規制の動向
1.遺伝子組換え生物の定義
1.1 日本のカルタヘナ法における定義
1.2 EUその他における定義
2.国内における規制上の取扱い
2.1 検討の経緯
2.2 ゲノム編集生物のカルタヘナ法上の整理
(1)最終的なゲノム編集生物に細胞外で加工した核酸が含まれない場合
(2)最終的なゲノム編集生物に細胞外で加工した核酸が含まれる場合
2.3 カルタヘナ法の対象外とされたゲノム編集生物の取扱い
(1)主務官庁への情報提供
(2)情報提供する項目
(3)情報提供の具体的な方法
(4)拡散防止措置を執って使用する場合の取扱い
(5)カルタヘナ法以外での取扱い
3.海外における規制上の取扱い
3.1 EUの状況
3.2 その他の国の状況

10節 ゲノム編集技術の臨床応用に対する規制の論点
1.3つの報告書からのまとめ
1.1 対象となる技術
1.2 規制の要否
1.3 技術的課題
1.4 安全性評価
1.5 倫理的課題
1.6 社会的課題
1.7 規制の在り方
2.3つの各報告書の論点の趣旨要約
2.1 医薬品医療機器総合機構(PMDA)科学委員会の報告書
(1)検討の趣旨
(2)ゲノム編集技術特有の課題
(3)ゲノム編集技術の分類とその品質特性に関する課題
(4)安全性評価の考え方
(5)治験において留意すべき事項(長期フォローアップ等)
(6)総括
2.2 厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会専門委員会の報告書
(1)検討の趣旨
(2)規制対象とすべきゲノム編集技術等の範囲
(3)ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用に関する規制の要否
(4)ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用が容認される可能性
(5)総括
2.3 日本学術会議科学者委員会の提言3)
(1)検討の趣旨
(2)臨床応用の規制対象となる技術
(3)日本における法規制のあり方
(4)提言
(5)総括


◇第2章 ゲノム編集技術の活用時に障壁となる知財問題への対応◇

1節 国内外におけるゲノム編集技術の知財問題の動向
1.ゲノム編集技術の概要
1.1 第1世代:ZFN
1.2 第二世代:TALEN
1.3 第三世代:CRISPR-Cas9
1.4 各世代の技術比較
2.ゲノム編集技術に関する特許
2.1 第1世代:ZFN
2.2 第2世代:TALEN
2.3 第3世代:CRISPR-Cas9
(1)基本特許候補の概要
(2)日本における権利化状況
(3)米国における権利化状況
(4)欧州における権利化状況
(5)第2回インターフェアレンス
(6)ライセンス状況

2節 ゲノム編集技術開発における知財戦略の重要性
1.SIPにおけるゲノム編集技術の基本特許への対抗戦略
2.知財戦略に基づいた基盤技術開発研究
2.1 農業展開を目指したPPRの開発
2.2 TALENの改良
2.3 CRISPR/Cas9の改良
2.4 国産デアミナーゼの農作物への適用
2.5 標的遺伝子組み換え技術の利用
3.ゲノム編集の農作物への適用技術
3.1 ウイルスベクター法
3.2 iPB(in planta bombardment)法
3.3 その他の導入法
4.特許出願の戦略 
5.今後の研究戦略と知財の活用

3節 ゲノム編集技術の特許出願上の留意点と明細書作成実務
1.基本特許について
2.基本特許クレームから抽出されるクレームフォーマット、及び明細書作成上の留意点
2.1 クレームフォーマット
2.2 明細書作成上の留意点
3.拒絶査定不服審判拒絶審決に関する知財高裁判決

4節 ゲノム編集技術に関する特許調査の手法とポイント
1.特許調査の前に
1.1 特許出願技術動向調査報告書「ゲノム編集及び遺伝子治療関連技術」
1.2 国立研究開発法人科学技術振興機構研究開発戦略センター(CRDS)による
  (調査報告書)ゲノム編集技術/CRDS-FY2014-RR-06
2.特許の公開制度について
2.1 公開の時期について
2.2 公開公報の種類(公開系公報と登録系公報)について
2.3 特許ファミリー
3.特許調査の種類
3.1 先行技術調査・特許無効調査
3.2 侵害調査(FTO調査)
4.特許調査におけるゲノム編集技術の分類群
5.検索結果の解釈

5節 医薬・医療分野におけるゲノム編集技術の特許侵害対策
1.ゲノム編集について
2.ゲノム編集の技術
3.ゲノム編集の知財
4.侵害行為およびその分析
(1)ゲノム編集技術の特許の効力範囲
(2)各国での解釈、直接生産物、間接生産物、リーチスルー
(3)研究段階の問題
5.侵害防止の対策
6.医療医薬分野のゲノム編集対応策

6節 医薬・医療分野におけるゲノム編集技術のライセンスでの留意点
1.ゲノム編集技術のライセンス
1.1 CRISPR/Cas9法の特許権とライセンスの現状
(1)CRISPR/Cas9法の特許の現状
(2)CRISPR/Cas9法のライセンスの現状
1.2 その他のゲノム編集技術
(1)海外のゲノム編集技術
(2)日本のゲノム編集技術
1.3 医薬ライセンスの観点からの問題点
(1)医薬ライセンスとの違い
(2)非独占的ライセンスと最恵国待遇
2.ゲノム編集技術を使って研究開発された医療商品のライセンス
2.1 国際的医療商品開発競争 -各国の支援策-
(1)米国
(2)欧州
(3)日本
2.2 医薬ライセンスとしての問題点
(1) プロジェクト管理の限界
(2)基盤技術確立のための先行投資型ライセンスへの移行
(3)競合品開発の難しさと交渉力の重要性
(4)広範囲の権利を一括ライセンスすることの問題点
3.倫理的側面から見たゲノム編集技術のライセンス
3.1 ゲノム編集技術にかかわる倫理的規制の動向
(1)欧米
(2)日本
3.2 医薬ライセンスにおける留意点
(1)契約書における倫理的規制の明示
(2)研究・開発・販売における倫理的管理


◇第3章 ゲノム編集技術の安全性リスクの課題とオフターゲット効果・モザイク現象などへの対策◇

1節 ゲノム編集で問題となるオフターゲト効果のメカニズム
1.オフターゲットの原因(その1):同じ塩基配列が異なる遺伝子に存在る場合
2.オフターゲットの原因(その2):ガイドRNAによるDNA塩基配列のミスマッチ
3.オフターゲットの原因(その3):遺伝子のスプライシング
4.オフターゲットの原因(その4):切断されたDNAの修復に伴うオフターゲット
5.オフターゲットの原因(その5):ゲノム編集に使うDNA分解酵素やgRNAの濃度

2節 ゲノム中のオフターゲット領域の予測と変異検出による対応策
1.コンピューターによるオフターゲット領域の予測
1.1 gRNA上のミスマッチが起こる位置を考慮に入れたオフターゲット領域予測ツール
1.2 機械学習を基盤としたオフターゲット領域予測
2.試験管内でのゲノム編集活性によるオフターゲット領域の予測・変異の検出
2.1 Digenome-seq26):オフターゲットによるDNA切断を全ゲノム配列解読リードの切断面として検出
2.2 SITE-seq27):切断部位をビオチン化により精製して配列解読
2.3 CIRCLE-seq28):ゲノムDNAを分断した後に環状化し切断された配列のみを解読
3.細胞内でのゲノム編集活性によるオフターゲット領域の予測・変異の検出
3.1 IDLVsの利用32):レンチウイルスベクターがDNA二重鎖切断部位に挿入される現象の利用
3.2 GUIDE-seq21):二重鎖オリゴDNAがDNA二重鎖切断部位に挿入される現象の利用
3.3 BLESS33), BLISS34):細胞内で起きた二重鎖切断によって生じるDNA切断末端にリンカーDNAを付加して検出する
3.4 HTGTS35):細胞内で起きたDNA二重鎖切断を転座として検出
3.5 Discover-seq36):二重鎖切断が起きたDNA末端に結合するMRE11のChIP-seq

3節 オフターゲット変異を軽減した次世代ゲノム編集技術の開発
1.CRISPR/Cas9システムとその課題
2.塩基認識でのミスマッチ許容に起因するオフターゲット変異の低減
3.CRISPR Nickaseシステムによるオフターゲット変異の回避

4節 ゲノム編集で起きるモザイク現象とその対策
1.生物にとってのモザイク現象とは
1.1 モザイクは特別な状態ではない
1.2 生物にはDNA修復機構が備わっている
2.ゲノム編集とモザイク現象
2.1 ゲノム編集でモザイクが生じる原理
2.2 モザイク現象の問題点
2.3 モザイク問題への対策
2.4 モザイク現象を利用する

5節 デアミナーゼを用いたゲノム編集の開発とそのオフターゲット効果の評価
1.塩基編集技術の基本原理
2.塩基編集技術のバリエーション
3.ヌクレアーゼゲノム編集技術と塩基編集技術の安全性
4.塩基編集特有のオフターゲットと評価
5.オフターゲット低減へのアプローチ

6節 想定外の変異を抑えたゲノム編集による高精度ノックイン
1.なぜノックインを行うのか
2.ゲノム編集技術が誕生する前のノックイン法
3.ゲノム編集技術が誕生した後のノックイン法
3.1 ヌクレアーゼを用いるノックイン
3.2 相補的な一対のニック導入酵素を用いるノックイン
3.3 ゲノムへのニック導入によるノックイン
3.4 ゲノムとドナーDNAへのニック導入によるノックイン
3.4.1 ゲノムとドナーDNAのそれぞれ別の箇所へニックを導入する方法
3.4.2 ゲノムとドナーDNAの同じ箇所にニックを導入する方法


◇第4章 ゲノム編集によるスマートセルインダストリーの技術開発とその課題解決◇

1節 スマートセルインダストリーに応用が見込まれるゲノム編集技術の開発動向と実用化への課題
1.スマートセルインダストリーとは
2.スマートセル技術に至るまでの遺伝子工学の歴史
3.スマートセルインダストリースタートアップへの資金流入
4.スマートセルインダストリーに関する技術開発動向
5.スマートセルインダストリーに関するスタートアップの動向
6.スマートセルインダストリーにおける課題
7.SDGsへの貢献:スマートセルインダストリーが消費者に受け入れられるために

2節 ゲノム編集を用いたタンパク質の高生産細胞株の作製とバイオ医薬生産への応用
1.逐次遺伝子組込みシステム
1.1 部位特異的組換え酵素
1.2 逐次遺伝子組込みシステム
1.3 AGISを用いた特定染色体への繰り返し遺伝子組込みの迅速化
1.4 ミニサークルDNAドナーベクターによる生産細胞株構築
2.ゲノム編集技術を用いた生産細胞株構築
2.1 ゲノム編集技術
2.2 ゲノム編集技術による生産細胞株構築

3節 ゲノム編集技術による有用物質生産麹菌株の開発とその課題解決
1.麹菌におけるゲノム編集による効率的な多重遺伝子改変技術の開発
1.1 麹菌におけるゲノム編集を利用した効率的な物質生産と育種改変

4節 遺伝子組換えカイコによる有用物質生産技術の開発とその課題解決
1.カイコによる有用物質生産技術の開発
1.1 遺伝子組換えカイコ生産系とカイコーバキュロウイルス生産系
1.2 カイコ生産系の利点
1.3 遺伝子組換えカイコによる有用物質生産技術の開発
1.4 遺伝子組換えカイコによる有用物質生産の課題
2.カイコにおけるゲノム編集技術の開発
2.1 カイコにおけるゲノム編集基盤技術の開発
2.2 カイコにおけるノックイン技術の開発
2.3 ゲノム編集による有用物質生産の生産性向上へ向けて
3.データ駆動によるスーパーカイコ創出の試み
3.1 カイコにおけるゲノム情報基盤構築の歴史
3.2 データ駆動型アプローチによるスーパーカイコの創出
3.3 スーパーカイコ創出における今後の課題

5節 ゲノム編集による鶏卵バイオリアクターの技術開発とその課題解決
1.鶏卵バイオリアクター技術について
1.1 培養技術に基づく組換えタンパク質生産の課題
1.2 ニワトリ遺伝子改変の技術課題
2.ゲノム編集による鶏卵バイオリアクター技術の開発
2.1 始原生殖細胞によるニワトリ遺伝子改変技術
2.2 卵白遺伝子への遺伝子ノックインによる鶏卵バイオリアクターの実現
2.3 遺伝子ノックイン鶏卵の解析と評価
3.ゲノム編集技術による鶏卵バイオリアクターの特徴、課題、技術展望
3.1 ノックイン鶏卵バイオリアクターの利点
3.1.1 組換えタンパク質の低コスト生産
3.1.2組換えタンパク質の高効率生産性ならびに優れた生産調整能
3.1.3組換えタンパク質生産の堅牢性
3.2 鶏卵バイオリアクターの課題と技術展望
3.2.1鶏卵バイオリアクターの医薬品承認事例
3.2.2CRISPR/Cas3ゲノム編集技術の適用
3.2.3糖タンパク質生産への対応
4.鶏卵バイオリアクターを用いた組換えタンパク質の受託生産

6節 ミドリムシの高効率ゲノム編集技術とバイオ燃料生産への応用展開
1.ミドリムシ
1.1 食料資源としてのミドリムシ
1.2 ミドリムシのパラミロン
1.3 ワックスエステル発酵
1.4 ミドリムシの産業利用
1.5 ミドリムシの育種
2.ミドリムシのゲノム編集
2.1 ミドリムシのゲノム編集法の確立
2.2 ミドリムシにおける長鎖欠失変異の導入
2.3 ssDNAによる外来配列の導入
3.ミドリムシの生産性向上へのゲノム編集技術の応用
3.1 バイオ燃料生産への応用展開
3.2 ミドリムシの表現型解析と育種


7節 長鎖DNA合成技術による有用物質生産微生物の構築とその課題解決
1.長鎖DNA合成技術
1.1 枯草菌による遺伝子集積法のOGAB法による長鎖DNA合成
1.2 第二世代OGAB法
1.3 OGAB法による長鎖DNA合成バイオファウンドリー
2.長鎖DNAによる有用物質生産例
2.1 大腸菌によるカロテノイド生産
2.2 抗菌性ペプチド合成遺伝子クラスター
3. DBTLサイクルと長鎖DNAコンビナトリアルライブラリーによる有用物質生産宿主の育種
3.1 DBTLサイクル
3.2 Combi-OGAB法

8節 植物科学におけるゲノム編集の利用…dMac3を用いたゲノム編集ツールによる植物変異体の作出
1.植物の育種におけるゲノム編集の利用
2.翻訳エンハンサーdMac3を利用したタンパク質の高生産法
3.dMac3を利用した高効率ゲノム編集技術
4.ゲノム編集によるジャガイモの育種
5.ジャガイモ・デンプンの質的改良
6.今後の展開

9節 スマートセルインダストリー関連技術の特許出願動向について
1.調査概要
2.出願動向
2.1 出願人国籍別(地域別)の特許出願件数推移
2.2 技術区分別―出願人国籍別(地域別)の特許出願件数推移
3.主な調査結果と考察


◇第5章 ゲノム編集によるモデル作製技術と医薬品等の評価への応用 ◇

1節 各種ゲノム編集ツールを利用した遺伝子組換え動物作製
1.ZFN,TALEN,CRISPR/Cas9システムによる遺伝子改変動物作製
1.1 コンストラクトの準備
1.2 標的にできる配列の多様性
1.3 変異導入効率とオフターゲット変異
1.4 複数遺伝子を対象とした場合の簡便さ

2節 ゲノム編集による最適なモデル作製と課題および対策
1.ゲノム編集によるモデル作成と検証
2.遺伝子ノックアウトか配列置換か
2.1 ノックアウトモデル生物の作製と問題点
(1)NHEJに基づくフレームシフト変異の検証確認と問題の解消法
(2)NHEJに基づくフレームシフト変異導入の高効率の利点と問題点
(3)NHEJに基づく大きな欠失導入の可能性と対処法
2.2 配列置換モデル生物の作製と問題点
(1)NHEJに基づく大きな欠失導入の可能性と対処法
(2)両アレルをHRに基づく配列置換法でゲノム編集する方法(培養細胞株の場合)
(3)両アレルをHRに基づく配列置換法でゲノム編集する方法(生物個体の場合)
(4)両アレルをHRに基づく配列置換法でゲノム編集する方法(CRE-loxPの利用)
2.3 オフターゲット編集の検証と検討課題
(1)ゲノム編集によって作製された生物が遺伝子組換え体とならない工夫
(2)ゲノム編集で作製された生物が懸念される理由
(3)次世代シーケンサーを用いた全ゲノム解読と網羅的変異検出
(4)ゲノム編集で生じるオフターゲット変異と自然変異および育種に用いる変異の比較
3.ゲノム編集で作製したモデル生物の表現型検証 
3.1 顕性(優性)か潜性(劣性)か
(1)顕性および潜性をもたらす基本原理
(2)特殊な顕性・潜性表現型が現れる例:ハプロ不全
(3)特殊な顕性・潜性表現型が現れる例:顕性阻害
(4)特殊な顕性・潜性表現型が現れる例:APC遺伝子の機能喪失変異
(5)ゲノム編集変異から想定外の遺伝子発現が生じる例:定型外翻訳
(6)ゲノム編集のデザインと課題
3.2 メンデル形質か,量的形質か
3.3 ゲノム編集で得られたモデル生物の系統確立と保存

3節 ゲノム編集モデルの医薬品評価への応用とその課題
1.医薬品開発過程における非臨床試験の現状
1.1 ヒトモデルの有用性
1.2 薬物動態予測の課題
2.ヒトiPS細胞を用いたゲノム編集モデルの作製
2.1 ヒトPS細胞におけるゲノム編集の課題
2.2 ヒトiPS細胞を用いた高効率ゲノム編集法の開発
3.ゲノム編集ヒトiPS細胞モデルの医薬品評価
3.1 薬物代謝酵素CYP2C19ノックアウトモデル
3.2 トランスポーター MDR1ノックアウトモデル
3.3 トランスポーター PEPT1ノックアウトモデル
4.展望

4節 HITI法・SATI法による遺伝病動物モデルのゲノム編集治療技術の開発
1.遺伝病における遺伝子補完治療とゲノム編集治療
1.1 遺伝子補完治療
1.2 ゲノム編集治療
2.DNA修復機構を利用したゲノム編集技術と生体内への応用
2.1 DNA修復機構を利用したゲノム編集技術
2.2 細胞分裂に依存したゲノム編集技術
3.遺伝病動物モデルを用いたゲノム編集治療
3.1 NHEJによる遺伝子ノックアウトを用いたゲノム編集治療技術の開発
3.2 HDR法を用いたゲノム編集治療技術の開発
3.3 HITI法を用いたゲノム編集治療技術の開発
3.4 SATI法を用いたゲノム編集治療技術の開発
3.5 その他のゲノム編集治療技術

5節 狙った領域のエピゲノムを操作する「エピゲノム編集」技術の開発
1.エピゲノム編集技術とは?
2.エフェクターモジュールの種類
2.1 DNAメチル化
2.2 ヒストン修飾
2.3 転写調節因子
3.エピゲノム編集システムの改良
3.1 複数のエピゲノム修飾因子の融合タンパクを用いる方法(図4)
3.2 多数のエピゲノム修飾因子を集積させる方法(図5)
3.3 誘導型システム(図6)
4.エピゲノム編集の臨床応用にむけて
5.エピゲノム編集による疾患モデルマウスの作製

6節 エレクトロポレーション法を用いたゲノム編集動物の作製技術
1.マイクロインジェクション法による遺伝子改変動物作製法
1.1 マイクロインジェクション法による受精卵への外来遺伝子導入
1.2 マイクロインジェクション法の現状
2.ES細胞を用いた遺伝子改変動物作製法
2.1 遺伝子改変したES細胞の受精卵への導入
2.2 ES細胞を用いた遺伝子改変動物作製法の現状
3.ゲノム編集技術を用いた遺伝子改変動物作製法
3.1 ゲノム編集技術の遺伝子改変動物作製への応用
3.2 ゲノム編集技術を用いた遺伝子改変動物作製法
3.3 マイクロインジェクション法によるゲノム編集動物作製の現状
4.テイク法(受精卵エレクトロポレーション法)によるゲノム編集動物作製法の開発
4.1 エレクトロポレーション法による細胞への核酸導入
4.2 エレクトロポレーション法による受精卵への核酸導入法の開発
4.3 テイク法による遺伝子改変動物の作製の現状と応用
4.4 テイク法のメリットおよび汎用性

7節 体外での胚操作が不要なゲノム編集動物作製法i-GONADの開発・応用・課題
1.GONAD法/i-GONAD法の開発
1.1 従来の遺伝子改変動物作製法
(1)顕微注入法
(2)ESCsを用いた遺伝子ターゲティング法(標的遺伝子破壊法)
(3)電気穿孔(エレクトロポレーション)法
1.2 GONAD法/i-GONAD法の原理と開発
(1)GONAD法/i-GONAD法の原理
(2)GONAD法/i-GONAD法の開発
(3)i-GONAD法の手順
2.i-GONAD法の応用
2.1 i-GONAD法を用いたゲノム編集
2.2 マウス以外の生物でのi-GONAD法
(1)ラット
(2)ハムスター
3.i-GONAD法の課題
3.1 ノックイン
(1)長い配列のノックイン
(2)コンディショナルノックアウト動物作製
3.2 計画的な実験
(1)性周期同調
(2)産仔数への影響
3.3 他生物種への応用

8節 ゲノム編集技術を用いた薬剤耐性をもつ白血病細胞株の樹立と医薬品評価への応用
1.非相同末端結合を活用した遺伝子ノック・アウトによる薬剤耐性モデルの樹立
1.1 セレクション・マーカーを用いた選別
1.2 薬剤耐性の獲得を指標とした選別
2.相同組み換えを用いた変異の導入による薬剤耐性モデルの樹立
2.1 成功に至るまでの課題とその克服
(1)非相同末端結合をいかに抑制するか
(2)導入に適した変異の条件は?
(3)導入に適した細胞側の条件は?
(4)成功への糸口は?
2.2 相同組み換えを用いた薬剤耐性変異の導入における考え方
(1)Philadelphia染色体陽性の白血病におけるBCR-ABL1融合遺伝子とT315I変異
(2)既存の細胞モデルとその課題
(3)成功の可能性は?
(4)成功のための戦略は?
2.3 BCR-ABL1融合遺伝子へのT315I変異の導入における設計コンセプト
(1)変異導入のための設計コンセプト
(2)homology armの設定
2.4 BCR-ABL1融合遺伝子へのT315I変異の導入の実際
(1)T315I変異の導入によるImatinib耐性K562株の樹立
(2)SCR7の導入効率への影響の検証
(3)TCCSとKOPM28株へのT315I変異の導入
(4)T315I変異の以外のImatinib耐性機序の関与
(5)ABL1遺伝子におけるT315I変異の獲得
(6)T315I変異を導入した細胞株の意義と有用性
2.5 新たな取り組み

9節 CRISPR/Cas9の顕微注入におけるテクニックとトラブル事例
1.受精卵前核への顕微注入(マイクロインジェクション:MI)の実際
1.1 マウス1細胞期卵への顕微注入(MI)を行うための準備
1.1.1 機器類
1.1.2 器材
1.1.3試薬
1.2 培養液の準備
1.3 卵操作ピペットの作製
1.4 ホールディングピペット、インジェクションピペットの作製
1.5 過排卵誘起のためのホルモン投与
1.6 採卵
1.7 マウス1-細胞期卵(前核期卵)へのsgRNA,Cas9の顕微注入(マイクロインジェクション)
1.7.1 sgRNA, Cas9mRNA(Cas9蛋白質)の希釈
1.7.2 倒立顕微鏡
1.7.3 マイクロインジェクション(MI)
2.受精卵の細胞質内注入の実際
2.1 マウス受精卵の細胞質内注入を行うための準備
2.1.1 機器類
2.1.2 器材
2.1.3 試薬類
2.2 培養液の作成及び準備
2.3 卵操作ピペットの作製
2.4 ホールディングピペット・インジェクターピペットの作製
2.5 過排卵誘起のためのホルモン投与
2.6 採卵
2.7 マウス受精卵へのsgRNA/Cas9mRNAの細胞質内注入
2.7.1 sgRNA/ Cas9mRNA(Cas9蛋白質)混合液の準備
2.7.2 マウス受精卵への細胞質内注入
3.顕微授精の実際
3.1 顕微授精を行うための準備
3.2 培養液の作成及び準備
3.3 卵操作用ピペットの作製
3.4 ホールディングピペット・インジェクターピペットの作製
3.5 過排卵誘起のためのホルモン投与
3.6 採卵
3.7 精子の採取
3.8 顕微授精
3.8.1 精子懸濁液とsgRNA/ Cas9mRNA (Cas9蛋白質)/ donor vectorの混合液の準備
3.8.2 マウス未受精卵への顕微注入


◇第6章 ゲノム編集による遺伝子治療技術・再生医療の開発とその課題解決◇

1節 海外におけるゲノム編集技術を用いた遺伝子治療開発への規制事項
1.米国における規制事項
1.1 遺伝子治療製品のCMC情報に関するガイダンスの改正
1.2 遺伝子治療後の患者の長期フォローアップ観察に関するガイダンスの改正
(1)背景 
(2)ゲノム編集製品の非臨床評価に関する考慮事項
(3)臨床での長期フォローアップ観察に関する考慮事項
1.3 米国における今後の規制動向
2.欧州における規制事項
2.1 in vivo遺伝子治療製品に関するガイドラインの改正
2.2 ex vivo遺伝子改変細胞製品に関するガイドラインの改正案
(1)適用範囲 
(2)原材料
(3)製造工程
(4)ゲノム編集細胞の特性解析
(5)純度試験と品質管理 
(6)ゲノム編集細胞製品に特有の非臨床試験の考慮事項

2節 ヒトの受精卵ゲノム編集の臨床利用や基礎的研究に関する国内外の規制動向
1.海外の主な国における動向
1.1 英国
1.2 米国
1.3 カナダ
1.4 ドイツ
1.5 フランス
1.6b中国
2.わが国における現状と動向
2.1 ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚などの臨床研究
(1)科学技術的課題
(2)社会的倫理的課題
(3)ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会が示した方向性
2.2 ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚などの基礎研究

3節 ゲノム編集技術の遺伝子治療への応用と課題
1.ゲノム編集技術の概要
1.1 基本原理
1.2 ゲノム編集技術の種類
(1)タンパク質による識別
(2)核酸による識別
2.ゲノム編集技術を用いた臨床試験
2.1 ex vivoゲノム編集
2.2 in vivoゲノム編集
3.ゲノム編集技術の安全性
3.1 オフターゲット作用
3.2 造腫瘍性
3.3 免疫原性
4.In vivoゲノム編集の安全性
4.1 標的遺伝子と生体内分布
4.2 動物実験

4節 染色体組み換えによるiPS細胞の拒絶反応の低減 大阪大学医学系研究科 吉村康秀 
1.染色体組換え(相同組換え)という現象
1.1 染色体組換えの定義
1.2 生殖細胞における染色体組換え
1.3 体細胞における染色体組換え
2.人工的な染色体組換えシステムの構築
2.1 システムの概要
2.2 システムの課題と将来への展望
3.iPS細胞におけるHLAホモ化
3.1 免疫適合性を上げるHLAホモ化
3.2 親族間での適用
3.3 iPS細胞ストックプロジェクトへの貢献を目指して
4.造血幹細胞におけるHLAホモ化
4.1 臍帯血細胞への適用
4.2 高齢者の急性骨髄性白血病への適用=
5.組織幹細胞への適用
5.1 臍帯における間葉系幹細胞
5.2 皮膚における間葉系幹細胞
6.iPS細胞を用いた創薬への応用
6.1 モデル生物並みになってきたヒトの遺伝学
6.2 部分染色体ホモ化技術の創薬への応用
6.2.1 未知の疾患関連領域の探索手法として
6.2.2 GWASデータに命を吹き込む

5節 ゲノム編集による非ヒト霊長類モデルの作製と再生医療応用での課題
1.実験動物としての非ヒト霊長類動物
1.1 非ヒト霊長類動物とは
1.2 マーモセットの特徴
1.3 マーモセットの発生工学技術
2.非ヒト霊長類動物における遺伝子改変
2.1 遺伝子改変動物の作出
2.2 遺伝子改変霊長類動物の作出
3.ゲノム編集技術と霊長類動物
3.1 ゲノム編集
3.2 ゲノム編集による遺伝子改変霊長類動物の作出
4、再生医療への応用
4.1 再生医療におけるゲノム編集
4.2 再生医療研究における霊長類動物実験
4.3 再生医療における課題

6節 ゲノム編集を応用した難病に対する遺伝子治療の開発とその課題
1.DSBを起こす遺伝子治療
1.1 ドナーDNAを用いない遺伝子治療
1.1.1 1つのgRNAを用いた遺伝子治療
1.1.2 2つのgRNAを用いた遺伝子治療
1.2 ドナーDNAを用いる遺伝子治療
1.2.1 相同組換えを利用した遺伝子治療
1.2.2 非相同組換えを利用した遺伝子治療
2.DSBを起こさない遺伝子治療
2.1 転写調節技術を用いた遺伝子治療
2.2 塩基編集を用いた遺伝子治療
2.3 新しいゲノム編集ツールを用いた遺伝子治療
2.3.1 プライムエディティングを用いた遺伝子治療
2.3.2 トランスポゾンを用いた遺伝子治療

7節 ゲノム編集を利用した血友病治療技術開発の動向と今後の課題
1.現状の血友病に対する遺伝子治療
2.ゲノム編集による血友病治療の可能性
3.新規ゲノム編集技術による血友病治療の可能性
4.血友病治療に向けたゲノム編集技術の課題
4.1 編集可能領域
4.2 非特異的編集(オフターゲット作用)
4.2 肝臓へのゲノム編集ツールの送達
4.3 塩基編集の課題

8節 ゲノム編集を利用した遺伝子治療用製品の安全性評価とその課題
1.序論
2.従来の遺伝子治療と比較したゲノム編集技術の課題
2.1 ゲノム改変に付随する目的外の遺伝子改変リスクやがん化リスク
2.2 生殖細胞における意図しない遺伝子改変のリスク
3.遺伝子編集技術の分類とその特徴に関連する課題
3.1 ゲノム編集ツールによる分類と留意点
(1)ZFN、TALEN、CRISPR/Cas
(2)DSBを起こさないゲノム編集
3.2 ゲノム編集ツールの特徴とその課題、遺伝子改変細胞の評価
(1)ウイルスベクター、プラスミドベクター
(2)mRNAを用いたゲノム編集
(3)タンパク質とsgRNAを用いるゲノム編集
(4)ゲノム編集技術を用いたヒト細胞由来製品
3.3 ゲノム編集の目的による分類
(1)遺伝子ノックアウト)(21-26)と相同組換え(7,27,28)
(2)ゲノム切断を伴わない遺伝子改変などの新技術(dead Cas9、based-Cas9等、DNAメチル化/脱メチル化などのDSBを伴わないDNA改変)
4.安全性評価
4.1 ゲノム編集技術を用いた遺伝子治療製品の応用における課題
(1)オフターゲット作用
(2)ゲノム欠失・意図しないDNA配列の挿入と染色体の転座・逆転
(3)ゲノム編集細胞におけるp53などのDNA修復遺伝子変異リスク
(4)対象細胞間でのがんリスクの違い
(5)ゲノム編集酵素の免疫原性
4.2 その他の要因
5.臨床試験(長期フォローアップを含む)における重要な問題点

9節 輸血後に拒絶反応を起こさないiPS細胞由来血小板の作製とその課題
1.血小板輸血
1.1 輸血の概要
1.2 血小板輸血が解決しきれない課題
2.巨核球株、乱流型バイオリアクター、新規薬剤を用いたiPS血小板の製造
2.1 iPS細胞からの血小板製造の数的課題
2.2 生体内における血小板造血の様態
2.3 iPS細胞からの増殖可能な巨核球株imMKCLの樹立
2.4 imMKCLの増幅と成熟の促進、産生血小板の機能維持に寄与する新規薬剤の開発
2.5 乱流型バイオリアクターによって可能となったiPS血小板の大量産生
3.血小板輸血不応症とiPS血小板の臨床応用
3.1 自家iPS血小板によるファーストインヒューマン臨床試験
3.2 HLAホモ接合体iPS細胞を用いたoff the shelf同種iPS血小板
3.3 ユニバーサル製剤としてのHLA欠失細胞の製造
(1)NK細胞によるHLA欠失細胞拒絶の懸念
(2)HLA-C残しおよびHLA-E発現によるNK細胞免疫の逃避
(3)HLAクラスI欠失iPS血小板の作出とインビトロでのNK細胞に対する免疫原性の検証
(4)ヒトNK細胞も再構成されたヒト化マウスの作出と循環検証
4.HLAクラスI欠失iPS血小板の応用製剤の開発
4.1 HPA改変製剤
4.2 機能増強血小板製剤

10節 ゲノム編集技術を応用した精子受精能力の制御メカニズムの解明
1.CRISPR-Cas9による高効率KOマウス開発と必須遺伝子スクリーニング
2.精子の子宮-卵管移行を制御する分子メカニズムの解析
3.受精膜融合に関与する精子膜タンパク質の解析

11節 CRISPR-Cas9の立体構造をもとにしたゲノム編集技術開発
1.CRISPR-Cas9
2.CRISPR-Cas9の立体構造
3.異なるPAMを認識するCas9改変体
4.特異性の向上したCas9改変体

12節 改良型オーキシンデグロン法(AID2)を利用したタンパク質機能解析
1.オーキシンデグロン(AID)法
2.培養細胞におけるAID2によるタンパク質分解制御
3.マウス個体におけるAID2によるタンパク質分解制御


◇第7章 ゲノム編集を用いた食用動植物の品種改良の技術開発と今後の動向◇

1節 ゲノム編集を活用した食用植物の品種改良技術の開発動向
1.DNA修復機構を利用した人工ヌクレアーゼによるゲノム編集
2.人工ヌクレアーゼZFN, TALENによるゲノム編集
3.植物のゲノム編集で使用されるCRISPR/Casシステム
4.CRISPR/Casシステムによるゲノム編集
4.1 非相同末端結合(NHEJ) を利用したゲノム編集
4.2 相同組換え修復(HDR)を利用したゲノム編集
4.3 ベースエディティング(一塩基編集)
4.4 プライムエディティングによるゲノム編集
5.DNAフリーゲノム編集技術
5.1 CRISPR/Cas DNAの一過的発現によるゲノム編集
5.2 DNAを使わないゲノム編集
5.3 植物ウイルスベクターを用いたゲノム編集

 
2節 植物受精卵でのゲノム編集技術の開発と品種改良への応用とその課題
1.植物受精卵のバイオテクノロジー
2.イネ受精卵を用いたゲノム編集
2.1 試験管内受精によるイネ受精卵の作出
2.2 受粉後の花からのイネ受精卵の単離
2.3 イネ受精卵への物質導入
2.4 イネ受精卵へのCas9タンパク質-gRNA 発現プラスミドDNA導入によるゲノム編集イネの作出
2.5 イネ受精卵へのCas9-gRNA RNP導入によるゲノム編集イネの作出
3.トウモロコシ受精卵における単離・物質導入・ゲノム編集
3.1 酵素処理による受精卵の単離
3.2 PEG‐Ca2+トランスフェクション法による物質導入

3節 多部位ゲノム再編成系TAQingシステムによる生物機能の改良
1.ランダムゲノム再編成系の有用性
1.1 ゲノム編集とランダムゲノム再編成系の比較
1.2 ランダムゲノム再編成系の種類
(1)従来型の交配,変異導入処理
(2)ゲノムシャフリング
(3)SCRaMbLE法
(4)CRISPR/Cas9を用いたゲノムシャフリング
2.TAQingシステムの現状
2.1 TAQingシステム
(1)オリジナルTAQingシステム
(2)拡張型TAQingシステム(Ex-TAQingシステム)
(3)非遺伝子組換え体型TAQingシステム2.0
2.2 TAQingシステムの今後

4節 ゲノム編集技術に優れる企業・研究機関のランキング
   〜作物品種改良を大幅に短縮するゲノム編集技術の農業応用を見つめる〜
1.ゲノム編集技術の内容
2.農業分野への応用
(1)ゲノム編集育種
(2)食品の安全性確保に対する法的規制
3.特許係争と主導権争い
(1)特許権の帰趨
(2)見逃してはならない伏兵の存在
4.ビジネス環境
(1)ライセンス状況
(2)パテントプール
5.ランキング
(1)ゲノム編集技術で有力な特許を保有する企業・研究機関
(2)日本の特許出願状況

5節 乳酸菌のゲノム編集技術と産業応用への可能性
1.乳酸菌のゲノム編集
1.1 乳酸菌のゲノムと産業上重要な遺伝子機能
1.2 乳酸菌の遺伝子組換え技術
2.乳酸菌とCRISPRの関係
2.1 ファージに対する獲得免疫としてのCRISPR/Casシステム
2.2 乳酸菌における内在性CRISPR/Casシステムの分布と多様性
2.3 CRISPR/Casシステムを利用した乳酸菌のゲノム編集に関する研究
3.乳酸菌におけるCRISPR/Casシステムの応用
3.1 内在性CRISPR/Casシステムを利用したファージ耐性の付与
3.2 内在性CRISPR配列の解析による菌株レベルの識別・追跡
3.3 CRISPR/Casによる変異体スクリーニングへの応用

6節 ゲノム編集によるダイズの特性改良の事例
1.ダイズのゲノム編集方法
1.1 アグロバクテリウムを介したダイズのゲノム編集
1.2 パーティクルボンバードメントによるダイズのゲノム編集
2.特性改良の事例
2.1 ダイズ種子の大型化に関する事例
2.2 植物体の構造の改良に関する事例
2.3 環境適応性の改良に関する事例
2.3 貯蔵脂質の質的な改良に関する事例
2.4 加工時における不快臭の発生抑制に関する事例
2.5 低アレルゲン化に関する事例

7節 ゲノム編集によるジャガイモの特性改良の事例
1.ジャガイモの毒について
2.SGAの生合成とSSR2遺伝子の発見
3.SSR2遺伝子のゲノム編集
4.栄養繁殖性作物でのヌルセグリガント取得の困難さ
5.アグロ変異ジャガイモの取得
6.ゲノム編集の新たなターゲット
7.ジャガイモ新技術連絡協議会の設立

8節 ゲノム編集食品開発に対する世界の法規制対応
1.はじめに
1.1 3種類のゲノム編集様式(SDN-1, SDN-2, SDN-3)
1.2 ゲノム編集様式に対する世界の考え方
1.3 ゲノム編集の規制を判断する考え方
2.各国のゲノム編集作物に対する考え方
2.1 GMOと同様に規制しない(例:米国)
2.2 GMOと同様に規制する(例:欧州)
2.3 最終プロダクトを個別に判断する(「Plant with novel trait (PNT)」判断)(例:カナダ)
2.4 事前相談方式で個別に判断する(「Case-by-Case consultation」)

9節 植物へのゲノム編集応用に関する国内外の規制動向
1.アメリカ
1.1 農務省(USDA)
1.2 環境保護庁(EPA)
1.3 食品医薬品局(FDA)
2.EU
3.南米
3.1 アルゼンチン
3.2 チリ
3.3 ブラジル
4.オセアニア
4.1 豪州
4.2 ニュージーランド
5.日本国内における規制の概要と特質
5.1 カルタヘナ法(環境省)
5.2 食品衛生法(厚生労働省)
5.3 食品表示制度(消費者庁)

10節 ゲノム編集モデル動物を用いた農産物由来成分の機能性評価
1.アルツハイマー病モデル動物を用いた評価
1.1 トランスジェニックモデル動物
1.2 ゲノム編集による新規アルツハイマーモデル動物
2.脂質異常症および動脈硬化症モデル動物を用いた評価
2.1 遺伝子ノックアウトにより作出されたモデルマウス
(1)ApoEノックアウトマウス
(2)LDLrノックアウトマウス
2.2 ゲノム編集により作出された新しい疾患モデル動物

11節 植物病原菌研究を効率化するゲノム編集技術の開発〜産業応用と今後の課題
1.イネいもち病菌 (植物病原菌) におけるゲノム編集技術の開発
1.1 ゲノム編集ツールの開発
1.2 ゲノム編集手法とその特性
1.3 マーカーフリーゲノム編集 (マーカーリサイクリング)
2.植物病原菌研究におけるゲノム編集技術の産業利用
2.1 ゲノム編集技術を用いた植物病原菌の感染生理機構,植物-病原菌間相互作用ならびに薬剤耐性機構に関する研究
2.2 微生物防除剤の改良とゲノム編集病原菌による新規微生物防除

12節 植物ミトコンドリアのゲノム編集技術の開発と今後の作物開発への応用 
1.植物ミトコンドリアゲノムの特徴
2.細胞質雄性不稔(cytoplasmic male sterility, CMS)
3.植物ミトコンドリアゲノムの改変法
4.mitoTALENsを用いたミトコンドリアゲノムの改変
4.1 ヒトミトコンドリア病とミトコンドリアゲノムの編集
4.2 植物ミトコンドリアゲノムのmitoTALENsによるミトコンドリアゲノムの改変
5.ミトコンドリアゲノムの改変を利用した今後の作物開発への応用


ゲノム 編集 書籍