量子技術 生命科学 書籍
 
No.2257
量子技術の実用化と研究開発業務への導入方法
タンパク質の構造解析手法とIn silicoスクリーニングへの応用事例

量子生命科学ハンドブック

発刊 : 2024年2月   体 裁 : B5判 372頁   定 価:68,200円(税込)

発行:(株)エヌ・ティー・エス   販売:(株)技術情報協会   ISBN:978-4-86043-882-1 C3045


【アカデミック価格対象外書籍です】
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・量子技術と生命科学を融合した新たな学問分野「量子生命科 学」、その最新研究動向を俯瞰する!

・生命科学に革新をもたらすと期待される量子生命科学の最新研究を詳解する!


■ 著者紹介

【監修者】  
瀬藤 光利 浜松医科大学 国際マスイメージングセンター/医学部 センター長/教授
荒牧 修平 浜松医科大学 医学部 特任助教
   
【執筆者
瀬藤 光利 浜松医科大学 国際マスイメージングセンター/医学部 センター長/教授
荒牧 修平 浜松医科大学 医学部 特任助教
藤原 正規 京都大学 化学研究所 特定研究員
水落 憲和 京都大学 化学研究所 教授
五十嵐 龍治 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子生命科学研究所 チームリーダー/
東京工業大学 生命理工学院 教授
藤原 正澄 岡山大学 学術研究院環境生命自然科学学域 研究教授
湯川  博 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子生命科学研究所 プロジェクトディレクター(部長)(併任)量子再生医工学研究チーム チームリーダー/
名古屋大学 未来社会創造機構量子化学イノベーション研究所 特任教授
鈴木  団 大阪大学 蛋白質研究所 准教授
石綿  整 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子生命科学研究所         主任研究員
馬越 貴之 大阪大学 高等共創研究院/大学院工学研究科 講師
小堀 康博 神戸大学 分子フォトサイエンス研究センター 教授
藤橋 裕太 電気通信大学 大学院情報理工学研究科 特任助教
石崎 章仁 大学共同利用機関法人自然科学研究機構 分子科学研究所 教授
大畠 悟郎 大阪公立大学 大学院理学研究科 准教授
富田 英生 名古屋大学 大学院工学研究科 准教授
寺林 稜平 東京大学 大学院工学系研究科 助教
松尾 二郎 京都大学 大学院工学研究科 准教授
西村 亘生 九州大学 大学院工学研究院 特任助教
楊井 伸浩 九州大学 大学院工学研究院 准教授
塗谷 睦生 慶應義塾大学 医学部 准教授
島添 健次 東京大学 大学院工学系研究科 准教授
上ノ町 水紀 京都大学 学際融合教育研究推進センター 特定助教
今岡 達彦 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子生命科学研究所 チームリーダー
鱧屋 隆博  京都府立医科大学 大学院医学研究科 プロジェクト研究員
柳原 啓見 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子生命科学研究所 研究員
森岡 孝満 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子生命科学研究所 グループリーダー
臺野 和広 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子生命科学研究所 上席研究員
飯塚 大輔  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子生命科学研究所 グループリーダー
大内 則幸 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子生命科学研究所 主幹研究員
門脇  慎 浜松医科大学 医学部 メディカルアシスタント
黒住 和彦 浜松医科大学 医学部 教授
澤田 和明 豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 教授
松尾 政之 岐阜大学 大学院医学系研究科 教授
兵藤 文紀 岐阜大学 大学院医学系研究科 教授
新井 栄揮 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子生命科学研究所 上席研究員
玉田 太郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子生命科学研究所 チームリーダー/上席研究員
平野  優 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門量子生命科学研究所  主幹研究員
尾瀬 農之 北海道大学 大学院先端生命科学研究院 教授
小林 正人 北海道大学 大学院理学研究院 准教授
庄司 光男 筑波大学 計算科学研究センター 教授
近藤  徹 東京工業大学 生命理工学院 テニュアトラック講師
前田 公憲 埼玉大学 大学院理工学研究科 准教授
橋本 秀樹 関西学院大学 生命環境学部 教授/大阪市立大学名誉教授
浦上 千藍紗 関西学院大学 生命環境学部 専任講師
片山 耕大 名古屋工業大学 大学院工学研究科 准教授
本藏 直樹 浜松医科大学 光医学総合研究所 光量子技術開発部門生体多次元計測分野         (兼)医学研究科 准教授
丸山 善宏 オーストラリア国立大学 計算機科学科 シニア・レクチャラー
田中 成典 神戸大学 大学院システム情報学研究科 教授

■ 目  次

 
序論 量子生命科学がもたらす新たな可能性
(荒牧 修平,瀬藤 光利)

 1.はじめに
 2.量子生命科学概論
 3.量子技術の生命科学応用
 4.生命科学における量子効果
 5.量子論の生命科学への適応
 6.量子生命科学がもたらす新たな可能性
 7.おわりに

 
第1編 量子技術の生命科学応用

第1章 量子センサ

第1節 IV族色中心を含む爆轟ナノダイヤモンドを用いた温度センシング
(藤原 正規,水落 憲和)
 1.はじめに
 2.色中心の構造と発光スペクトル
 3.IV 族色中心を含む爆轟ナノダイヤモンドの合成
 4.爆轟ナノダイヤモンドを用いた全光学的温度計測法
 5.ダイヤモンドセンサのサイズと温度感度との関係
 6.おわりに

第2節 蛍光性ダイヤモンドナノ粒子を用いたpH計測センサの開発
(五十嵐 龍治)
 1.はじめに―生命系のpHを計測するために
 2.pHを計測するナノ量子センサはいかにして開発されてきたか
 3.まとめ―生命系のpH計測を超えて

第3節 蛍光性ダイヤモンドナノ粒子を用いた細胞温度計測センサの開発
(藤原 正澄)
 1.はじめに
 2.色欠陥中心を用いた温度計測法
 3.光検出電子スピン共鳴を用いた温度計測の実際
 4.生体試料への応用
 5.おわりに

第4節 生体ナノ量子センサによる単一細胞レベル温度計測手法の開発
(湯川 博)
 1.はじめに
 2.ナノ量子センサと光検出磁気共鳴(ODMR)計測によるイメージング技術
 3.ナノ量子センサによるin vitro 細胞計測
 4.ナノ量子センサによるin vivo 生体内計測
 5.in vivo 計測における課題と展望
 6.おわりに

第5節 蛍光性ダイヤモンドナノ粒子による細胞内熱伝導率計測
(鈴木 団)
 1.はじめに
 2.動 機
 3.蛍光性ダイヤモンドナノ粒子のハイブリッド化
 4.局所的な熱伝導率の計測
 5.更新された値から導かれる細胞内温度上昇
 6.おわりに

第6節 ダイヤモンド量子センサによるリン脂質ラベルフリー計測手法の開発
(石綿 整)
 1.はじめに―細胞膜計測
 2.ダイヤモンド薄膜表面における量子センサを用いたナノスケールにおけるラベルフリー計測
 3.量子センサ(NVセンタ)を用いたNMR計測(NV-NMR)
 4.脂質二重層ダイナミクスとナノスケール計測
 5.2次元分子拡散シミュレーション
 6.ナノスケールNMR・量子温度計測を用いた脂質二重層相転移計測
 7.おわりに

第2章 量子デバイス

第1節 蛍光性ダイヤモンドナノ粒子を用いた光検出磁気共鳴顕微鏡の開発
(五十嵐 龍治)
 1.NVセンタはなぜ高感度なのか?
 2.蛍光性ダイヤモンドナノ粒子に用いる光検出磁気共鳴計測法
 3.まとめ―ナノダイヤモンドNVセンタを用いた光検出磁気共鳴顕微鏡の開発

第2節 量子技術を用いたラベルフリー超解像顕微鏡の開発
(馬越 貴之)
 1.プラズモンを用いたラベルフリーな超解像顕微鏡:近接場光学顕微鏡
 2.生命科学応用へ向けた高速近接場光学顕微鏡の開発
 3.生命科学応用へ向けた高安定な近接場光学顕微鏡の開発
 4.その他の近接場光学顕微鏡技術
 5.まとめ

第3章 量子理論に基づく解析・分析手法

第1節 電子スピン分極の空間映像化を用いる量子計測―光反応中間体の動的立体効果の解析
(小堀 康博)
 1.はじめに
 2.光電荷分離過程で生成する中間体構造の解析
 3.励起子分裂で生成する多重励起子スピンの量子計測
 4.おわりに

第2節 量子もつれ光による時間分解分光手法の開発
(藤橋 裕太,石崎 章仁)
 1.はじめに
 2.量子もつれ光子対の生成と量子状態
 3.分子系と輻射場の相互作用
 4.単一光子時間分解蛍光分光の理論
 5.もつれ光子対によるCW励起時間分解分光の理論
 6.まとめ

第3節 量子トモグラフィを用いた密度行列の分光学的測定法
(大畠 悟郎)
 1.はじめに
 2.密度行列
 3.量子トモグラフィ
 4.2光子吸収過程を利用したDMS
 5.4 光波混合過程を利用したDMS
 6.周波数領域DMS
 7.おわりに

第4節 光量子による放射性核種分析法の開発
(富田 英生,寺林 稜平)
 1.放射性炭素同位体とその応用
 2.レーザー吸収分光に基づく14C分析の原理
 3.中赤外CRDS に基づく14C分析システムの概要
 4.応用例1:薬物動態分析への適用
 5.応用例2:植物生理学への適用―稲の生育
 6.まとめと今後の展望

第5節 量子ビームを用いた2次イオン質量分析法
(松尾 二郎)
 1.まえがき
 2.イオン衝突と2次粒子放出
 3.超高空間分解能質量イメージング技術
 4.生体分子のSIMS分析
 5.最新のSIMS分析技術
 6.免疫染色法質量イメージング技術
 7.MeV-SIMS法と大気圧下でのSIMS 測定
 8.おわりに

第4章 量子材料

第1節 量子技術を用いた生体関連分子の高核偏極化を可能にする色素材料
(西村 亘生,楊井 伸浩)
 1.はじめに
 2.Triplet-DNPの進展とメカニズム
 3.易溶性・高安定性偏極源の模索
 4.水溶性偏極源の開発
 5.ナノ材料による水の高偏極化
 6.おわりに

第2節 量子検出のためのアルキン標識生理活性物質の開発
(塗谷 睦生)
 1.蛍光では見えない分子の可視化に向けて
 2.アルキンタグ
 3.アルキンタグ・ドーパミンの創出
 4.アルキンタグ・オキシトシンの創出
 5.おわりに

第5章 医療分野における量子技術

第1節 量子理論によるガンマ線を用いた革新的核医学診断技術の開発
(島添 健次,上ノ町 水紀)
 1.核医学診断技術の進展
 2.PET と量子技術
 3.もつれ光子対核医学診断技術
 4.将来展望

第2節 生体ナノ量子センサによるがん研究・診断技術の開発
(今岡 達彦,鱧屋 隆博,柳原 啓見,森岡 孝満,臺野 和広,飯塚 大輔,大内 則幸)
 1.緒 言
 2.培養細胞におけるがん研究技術の開発
 3.実験動物におけるがん研究技術の開発
 4.がん診断技術の開発
 5.生体ナノ量子センサの安全性
 6.がん研究・診断における既存技術と生体ナノ量子センサ計測の融合の可能性
 7.結 語

第3節 量子センサを用いたブレインマシンインターフェイスの開発―センサ機構を中心に
(門脇 慎,黒住 和彦,澤田 和明,瀬藤 光利)
 1.はじめに
 2.BMIの概観
 3.BMIのセンサ機構
 4.量子センサを用いたBMIセンサ機構の開発
 5.おわりに

第4節 動的核偏極法の医療応用
(松尾 政之,兵藤 文紀)
 1.はじめに
 2.超偏極MRI
 3.動的核偏極法(DNP)
 4.DNP法の課題と展望

 
第2編 生命科学における量子効果

第1章 生体反応メカニズム

第1節 生物の磁気感覚における量子論的メカニズム
(新井 栄揮)
 1.はじめに
 2.ラジカル対(RP)メカニズム
 3.磁場情報の知覚化・認識機構
 4.CRY 説の課題
 5.おわりに

第2節 光を電気化学的エネルギーに変換するメカニズム
(玉田 太郎,平野 優)
 1.光合成における光依存性反応
 2.光捕集系における励起エネルギー移動
 3.中性子結晶構造解析が拓く量子構造生物学

第3節 水素原子核の量子効果がもたらす特徴的な生体内化学反応とその量子化学計算技術
(尾瀬 農之,小林 正人)
 1.緒 言
 2.原子核の量子効果が及ぼす種々の現象
 3.原子核の量子効果を取り扱うための量子化学的手法
 4.結 言

第2章 生命現象における量子反応

第1節 アミノ酸ホモキラリティと生命起源についての理論化学的アプローチ
(庄司 光男)
 1.はじめに
 2.アミノ酸のホモキラリティ機構
 3.アミノ酸前駆体のホモキラリティ獲得機構
 4.ライマンα輝線
 5.まとめ

第2節 光合成光反応における揺らぎの効果
(近藤 徹)
 1.はじめに
 2.不均一媒質として機能するタンパク質
 3.光合成タンパク質の不均一な光物性
 4.タンパク質構造の階層的なエネルギー地形
 5.光合成光捕集アンテナタンパク質の構造揺らぎの解析
 6.光合成の光反応活性を制御する揺らぎの調整機構
 7.揺らぎの定量解析
 8.光合成反応中心タンパク質の構造揺らぎの解析
 9.量子過程と揺らぎ
 10.超高速光反応の揺らぎ計測に向けて

第3章 生体量子効果利用の解析技術

第1節 生体分子系の磁場効果観測手法の開発
(前田 公憲)
 1.序 論
 2.ラジカル対機構による分子系の磁気感受
 3.ラジカル対の研究手法,磁場効果測定方法
 4.過渡吸収測定
 5.スーパーキャビティリングダウン分光
 6.今後に向けての展望

第2節 量子技術を用いた光合成色素タンパク質複合体の動作機構の解明
     ―カロテノイドの機能に注目して
(橋本 秀樹,浦上 千藍紗)
 1.はじめに
 2.光合成と量子物理学の接点
 3.光合成色素タンパク質複合体の役割
 4.カロテノイドの光励起後の緩和過程の概要
 5.コヒーレント分光
 6.結論と展望

第3節 量子効果を巧みに操る色覚センサタンパク質の構造解析
(片山 耕大)
 1.量子効果を巧み操る視覚センサタンパク質
 2.色覚視物質の波長制御機構解明に向けた赤外分光研究
 3.色覚視物質の情報伝達機構解明に向けた赤外分光研究
 4.色覚視物質の立体構造解析および時間分解赤外分光解析への挑戦

第4節 非線形光学顕微鏡を用いた生体内物質交換メカニズム
(本藏 直樹)
 1.序 文
 2.生体光イメージング技術に活用される非線形光学顕微鏡とは?
 3.多光子励起顕微鏡の歴史的背景
 4.多光子励起顕微鏡の原理および特徴の概要
 5.多光子励起顕微鏡の特性を活かした生体機能・構造イメージング
 6.非侵襲生体光イメージング技術を活かした血管機能・構造解析
 7.生体物質由来の高調波発生を活用し,生体酸素の供給機構への挑戦
 8.まとめ

 
第3編 量子論の生命科学への適用

第1章 量子情報理論から見た生命と認知
丸山 善宏)
 1.はじめに
 2.量子論的数理モデルが生命・認知現象のモデリングになぜ有効なのか
 3.量子情報とベル型不等式の圏論的定式化とその応用
 4.生命・認知現象のためのベル型不等式とその破れの意義
 5.量子人工知能と量子機械学習
 6.おわりに

第2章 量子性と生命性
(田中 成典)
 1.はじめに
 2.「量子性」とは何か?
 3.「?」の持つ意味
 4.細胞のサイズと地球生物学
 5.量子と生命の関係
 6.おわりに

 

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