【講座主旨】
米国サンディエゴを拠点とするPassPort
Technologiesは無痛無針の次世代経皮薬物吸収技術 「PassPort System」で中枢性疾患、糖尿病、自己免疫疾患などを対象に医薬品の開発を行っている。
PassPort Systemは、既存注射製剤と比べ薬物投与における利便性やコンプライアンスを向上するだけ
でなく、在宅医療の推進を貢献する新しい薬物経皮投与方法です。また、PassPort Systemは、
これまでのパッチ製剤ではできなかったペプチドやタンパク医薬品などの中分子・高分子薬物の 経皮投与も可能とし、製剤開発によっては注射製剤と同等以上の生物学的利用率で中分子・高分子
薬物の経皮投与も可能とします。本講演では、PassPort Systemの薬物経皮投与メカニズムや中分子・
高分子薬物への応用例を紹介します。
【講座内容】
1.PassPort Technologies社について
1.1.会社概要 設立年、従業員数、所在地、資本金ほか
1.2開発パイプライン PassPort-ZOL(偏頭痛)、PassPort-ALC(アルツハイマー病)、PassPort-SEM(糖尿病)
などの1年以内に臨床試験開始を計画するプログラム、
自己免疫性疾患、がん免疫治療薬の研究パイプライン紹介
2.PassPort Systemについて
2.1.PassPort Systemによるマイクロポレーションメカニズム
2.2.PassPort Systemパッチ製剤、即放型製剤、徐放型製剤
2.3.PassPort Systemと既存経皮製剤技術との違い
3.PassPort Systemの応用例の紹介
3.1.低分子化合物
3.2.ペプチド製剤
3.3.タンパク製剤
4.PassPort Systemの応用可能性について
4.1.無痛無針ワクチン製剤
4.2.PassPort Systemを第一選択製剤とする新しい医薬品開発方法の提案
【質疑応答】
◆講師略歴◆
藤澤朋行 氏
1992年、武田薬品工業(タケダ)に創薬研究者として入社し同社で20年間勤務。タケダ在職中は、同社CVCであるTakeda
Venture, Inc.を米国Palo Altoに創設。同社ライセンス部門、研究アライアンス部門のグローバル統括職を歴任するなど同社のグローバル化への道筋をつけた。
2012年 投資会社ウィズ・パートナーズに入社後は、マネージングディレクターとして、同社ヘルスケアプライベートエクイティファンド部門を構築した。
2020年4月に持株会社アクセリードの代表取締役に就任。
2021年 ウィズ・パートナーズ取締役CIO兼Co-COOに就任。
安達博敏 氏
1993年、久光製薬株式会社に研究員として入社し、米国久光カリフォルニア研究所
(Carlsbad, CA) 、 Noven Pharmaceuticals, Inc. (Miami,
FL)、日東電工株式会社、Nitto Denko Technical Corp. (Oceanside,
CA)などの研究開発部門のディレクターに就任。
2019年に日東電工よりスピンアウトしたPassPort
Technologies Inc. (San Diego, CA)のCOOに就く。PassPort
Technologies, Inc. では、最高執行責任者として、プラットフォーム技術でる経皮マイクロポレーション技術(PassPortR
System、医療機器)と医薬品(経皮吸収製剤)とのコンビネーション製剤を用いた新規治療システムの開発をグローバルに展開している。
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