【講演趣旨】
医薬品の品質を保証するための製造管理手法として,特に連続生産を対象に,多変量統計的フ゜ロセス管理
(Multivariate Statistical Process Control: MSPC)
か゛注目されている.MSPCでは,多数の変数間の相関関係をモデル化 した上で,正常領域を設定し,そこからの逸脱を異常と見なす.本講座では,MSPCの基本,管理戦略における位置付け,
連続生産およびバッチ生産での活用方法を解説する.また,変数間の非線形な関係にも対応できる管理手法も紹介する.
【講演内容】
1 はじめに:講座の目的と概要
2 医薬品連続生産の管理戦略
2.1 管理戦略の全体像
2.2 仮想計測(ソフトセンサー)
2.3 プロセス制御
2.4 異常検出
3 異常検出の考え方
3.1 正規分布と異常度
3.2 統計的プロセス管理(SPC)
3.3 単変量SPCの問題点
4 多変量統計的プロセス管理(MSPC)
4.1 多変数系の異常度とマハラノビス距離
4.2 主成分分析(PCA)
4.3 多変量統計的プロセス管理(MSPC)
4.4 寄与プロットによる異常原因の特定
4.5 連続生産とバッチ生産におけるデータの違い
4.6 Multiway PCAによるバッチ生産向けMSPC
4.7 Dynamic PCAによる動特性を考慮したMSPC
4.8 MSPC適用事例
5 非線形性に対応した異常検出
5.1 オートエンコーダ(ニューラルネットワーク)
5.2 近傍法
5.3 ワンクラス・サポートベクトルマシン
6 おわりに:まとめとメッセージ
【質疑応答】
◆講師略歴◆
1994年 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻
修士課程修了.同 助手.
1999年 博士(工学).その後,1999-2000年にオハイオ州立大学客員研究者.
2004年 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻助教授.
2012年 京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻
教授.
2018年 クアドリティクス株式会社 共同創業.
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