【講座主旨】
素材・材料開発における反応プロセス制御は、材料開発において高品質な製品を効率的に生産するために欠かすことのできない重要な要素である。反応プロセス制御は、材料の化学反応や物理的変化を適切に制御し、理想的な材料特性を作りこむための技術であり、材料開発の効率化、製品の品質向上、品質ばらつきの低減、生産コストの削減に直結する。反応プロセスは、原料の種類や投入手法、反応条件など多くの制御因子が互いに複雑に関係しあっており、適切な制御は容易ではない。従来の原因解明型の管理方法では、課題の再発や新たな課題の発生が避けられないことが多く、これを解決するためにインフォマティクス技術の活用が進められている。
本講演では、当社が実際に取り組んだ反応プロセス制御の事例を紹介し、反応プロセスにおけるデータ可視化の重要性やデータ解析の手法などの具体的な進め方について説明する。また、世界中で活発に取り組みが進められている実験自動化・自律化への期待とその実現に向けた当社の取り組みについても紹介する。
【講座内容】
1.はじめに
・当社R&Dの目指す姿
・素材・材料開発へのインフォマティクス活用とその期待
2.反応制御におけるインフォマティクス活用
・材料開発における反応プロセス制御の重要性
・反応プロセス制御の課題とインフォマティクス活用
3.事例から見る反応プロセスへのインフォマティクス活用
・テーマ概要 複数の反応プロセスからなる原料の品質設計
・データ可視化の重要性
・データ解析は反応プロセスのどこまで考慮するか
・反応プロセスを制御するための特徴量側の工夫
4.実験自動化の現状と期待
・実験自動化・自律化へ期待すること
・MIと実験自動化の融合による自律的な開発サイクル
まとめ
【質疑応答】
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◆講師プロフィール◆
専門分野:
触媒材料設計、実験計画法
略歴・活動など:
可能な範囲で結構ですので、簡単にご記入いただけましたら幸いです。
2008年に積水化学工業(株)に入社し、燃料電池、リチウムイオン二次電池の研究開発に従事。実験計画法、品質工学を導入し開発の加速を実践。2015年より2年間、社命によりアメリカのミズーリ大に派遣され、CO2資源化に関する触媒開発に従事した。帰国後は、触媒材料開発のハイスループット化、統計解析を進め、開発チームへのMIの導入を先導した。2020年より、情報科学推進センター
MI推進グループのグループ長として、全社開発テーマへのMI活用を推進している。2024年から、情報科学推進センター センター長を拝命し、全社開発Dxの推進を先導。
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