【講座主旨】
化粧品の経時安定性評価は,「室温下で3年以上安定であること」を推定することであり,加速試験の条件と比較期間の相関性を確保することが求められるといえる。
例えば,「30℃下で3年間安定(著しい変化がない)であるためには40℃6カ月の加速試験で安定(著しい変化がない)であることが必要である」などである。
つまり加速試験の目的は「室温下での変化を加速して再現できる」といえる。温度依存性(温度が高くなれば,それにしたがって安定性が悪化する)の一般性質であれば「アレニウスの式」を用いて,温度と経時変化の相関を求めることができる。
本セミナーでは,加速試験の結果をアレニウスプロットに表すことで,室温下における安定性を推定する計算方法を習得できる。また,基本的な統計手法である「相関と回帰」の関係を理解することで,因果関係を推定する手順を学ぶことができる。
【講座内容】
はじめに:薬機法の定義
1.化粧品の安定性評価
1.1 ICHの安定性ガイドライン
1.2 FDAの安定性指針
1.3 化粧品工業会の考え方
2.化粧品の経時安定性評価(加速試験の手順)
2.1 安定性の温度依存性
2.2 低温安定性について
2.3 安定性試験のまとめ
3.経時安定性と反応速度論
3.1 反応速度論の概要
3.2 反応速度論の安定性試験への応用
3.3 1次反応とは
4.統計的考え方
4.1 相関関係とは
4.2 回帰(因果)関係とは
4.3 相関分析と回帰分析
4.4 EXCELを用いた相関・回帰分析
5.1次反応におけるアレニウス式の活用
5.1 乳液の経時変化の例
5.2 アレニウス式を用いた検討
6.演習
6.1 アレニウスプロットの作成演習
6.2 経時変化の推移グラフの作成演習
6.3 アレニウスプロットの作成演習
6.4 lnkの計算手順
6.5 反応速度式の作成演習
6.6 室温(25℃)の経時変化予測式演習
7.まとめ
【質疑応答】
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◆講師略歴◆
(専門分野)
品質管理(統計解析,実験計画法,多変量解析,抜き取り検査,QCサークル活動)
品質工学(パラメータ設計,機能性評価,オンライン管理)
品質マネジメントシステム(認証マネジメント,運営管理)
化粧品GMP(薬事監視,GMP運用管理,ISO22716認証支援)
化粧品薬事(広告・宣伝,製造販売届出業務,市販後安全管理,品質保証)
(略歴)
昭和52年群馬高専工業化学科卒
同年(株)小林コーセー(現コーセー)入社
1992年(株)アルビオン転籍
2018年(株)ウテナ入社
(活動)
粧工会(常任理事会理事)
化粧品公正取引協議会(規約委員会委員)
埼玉県化粧品工業会(GMP委員会)前委員
日本品質管理学会(会員)
品質工学会(代議員)
日本技術士会(会員)
(著書)
平成13年,「品質工学応用講座」機械・材料・加工の技術開発,日本規格協会を共同執筆
平成18年「実践タグチメソッド」,日科技連出版社を共同執筆
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