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【9:50〜11:00】
第1部 粘度の高い材料・物質における泡の発生,消泡の基本的な考え方
●講師 東京都立大学 理学系研究科 物理学専攻 ソフトマター研究室 教授 博士(工学) 栗田
玲 氏
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【講座の趣旨】
粘度の高い液体に泡が発生するとなかなか消すことが難しい一方で,多くの場面で遭遇する問題である.
まず,表面張力などの基礎知識を伝えた後に,泡発生の熱力学,泡の動力学を解説する. その基礎知識を元に,消泡するための基本的な考え方について,解説する.
【セミナープログラム】
1.表面エネルギー
1.1 表面張力
1.2 ラプラス圧
1.3 マランゴニ効果
2.気泡発生の熱力学
2.1 古典核形成理論
2.2 不均一核形成理論
2.3 流動によるcavitation
3.気泡発生の動力学
3.1 上昇速度
3.2 オストワルド熟成
4.消泡の基本的な考え方
4.1 膜の破壊原理
4.2 真空脱泡
【質疑応答】
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【11:10〜12:10】
第2部 粘性流体中での気泡の運動特性
●講師 徳島大学大学院 社会産業理工学研究部 機械科学系 教授 博士(工学) 太田 光浩
氏
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【講座の趣旨】
粘性流体中での気泡の運動特性の把握は,脱泡過程においても重要な基礎的知見となる. 高粘性流体は非ニュートン性を示す液体が多いが,本講座では非ニュートン流体中の気
泡までを対象に気泡の運動特性を講述する.
【セミナープログラム】
1.粘性流体中における気泡運動
2.制御パラメータ
2.1 支配方程式
2.2 ニュートン流体系での無次元数
2.3 非ニュートン流体系での無次元数
3.気液二相流れの数値解析
3.1 数値解析方法
3.2 非ニュートン流体系の数値解析
4.粘性流体中における気泡の上昇運動
4.1 ニュートン流体系での運動特性
4.2 非ニュートン流体系での運動特性
5.気泡の剪断変形・分裂現象
5.1 ニュートン流体系での剪断変形・分裂特性
5.2 非ニュートン流体系での剪断変形・分裂特性
【質疑応答】
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【13:10〜14:10】
第3部 コーティング材料などに対応する消泡剤〜最新のPFASフリーとバイオベース〜
●講師 ビックケミー・ジャパン(株) シニアソリューションナビゲーター 若原 章博 氏
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【講座の趣旨】
コーティング液や水系材料では泡の除去は必須課題である。ここでは液中で泡の除去を妨げる要因や,なぜコーティング液においては泡が安定化しがちなのか見たうえで,消泡機能を示す添加剤の構造と特徴を解説する。最適な消泡剤の選定のポイントや懸念される不具合とその対策に加え,特にPFASフリーやバイオベースの消泡剤の開発についても紹介する。
【セミナープログラム】
1.ペースト・スラリーにおける泡
1.1 泡の安定性に与える因子
1.2 粒子の凝集と粘度
1.3 粒子分散安定化による粘度低減
1.4 消泡のメカニズムの基礎
2.コーティングでなぜ泡が問題となるのか
2.1 湿潤剤・粘性付与剤など各種材料による泡の安定化への寄与
2.2 泡の安定化メカニズム
2.3 消泡剤の機能
3.消泡剤はどのような構造か,また特徴は
3.1 シリコーン系・鉱物油系・植物油系消泡剤の構造と特徴
3.2 再生産可能原料・バイオベースの消泡剤
3.3 PFASフリーの消泡剤
4.消泡剤の選定のポイントと望ましくない不具合の予防
4.1 相溶性と不相溶性
4.2 副次的な不具合の回避
4.3 相溶性とハジキ・濁りなどの不具合
4.4 撹拌強度・時間など添加方法の工夫
4.5 材質や塗布方法のちがい
4.6 フィラーや粘性付与剤の影響
【質疑応答】
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【14:20〜15:20】
第4部 脱泡機や攪拌機,混練機,脱揮機による脱泡について
●講師 (株)シンキー 国内営業部 東日本担当部長 八十島 雅史 氏
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【セミナープログラム】
1.イントロダクション
1.1 会社概要
1.2 製品ラインナップ
2.自転・公転ミキサーの原理と特長
2.1 自転・公転ミキサーの原理
2.2 自転・公転ミキサーの特長
3.アプリケーションとソリューション
3.1 アプリケーション
3.2 ソリューション
4.最新の機能紹介
4.1 自動化対応
4.2 周辺機器の紹介
【質疑応答】
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【15:30〜17:00】
第5部 高粘度流体の撹拌技術における気泡対策について
●講師 (株)大洋技研 代表取締役 博士(工学) 野辺 善仁 氏
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【講座の趣旨】
「高粘度流体の撹拌混合」の基礎を専門外の方でも分かり易く解説致します。また 撹拌技術を活用する研究開発や生産現場の方々が撹拌の応用やトラブル解決の糸口に
なるよういくつかの事例を動画や実物を紹介しながら概説をしていきます。 一般的に撹拌翼を用いる撹拌は界面からの気泡の巻込みやキャビテーションにより気
泡混入が発生し,高粘度流体やゲル状のものは,撹拌も難しく脱泡は困難です。従来 の脱泡方法を含め撹拌翼を持たない自転公転式の撹拌脱泡装置や近年のスタティック
ミキサーの活用事例など解説していきます。
【セミナープログラム】
1.はじめに
1.1 高粘度とは 粘度の測定
1.2 ニュートン流体,非ニュートン流体
1.3 層流 乱流 撹拌レイノルズ数
2.撹拌技術の基礎
2.1 代表的な撹拌翼(低粘度,高粘度) 撹拌槽
2.2 未撹拌領域について
2.3 邪魔板(バッフル),流体の停滞部,界面の窪み
2.4 キャビテーション,ワイセンベルク効果,カバーン
2.5 撹拌混合の可視化
3.撹拌時の気泡混入の要因と対策
3.1 気泡が入ってしまったものを脱泡する技術
3.2 静値,減圧脱泡,遠心脱泡,振動脱泡
3.3 ストークスの式と脱泡
4.混ぜる時に気泡が入らない様に工夫する技術
4.1 粘度差 比重差 について
4.2 自転公転式撹拌,スタティックミキサー,手撹拌
4.3 送液,ポンプ
【質疑応答】
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