【習得できる知識】
・ナノスケールにおける熱伝導の基礎知識
・ナノ構造を用いた半導体における高度な熱伝導制御技術
・先端半導体デバイスの放熱において重要となる物理
・ナノ構造を使った熱電変換材料の設計指針とデバイスの応用研究事例
【講座の趣旨】
先端半導体デバイスの放熱問題の意識の高まりやゼロカーボン社会の実現に大きな関心が集まっている。ナノ構造を含んだ半導体材料・デバイス中の熱伝導は特殊で、正確な熱伝導の理解と半導体デバイスの熱設計を行うためには、弾道性などのナノスケール特有の輸送特性と界面熱輸送を正しく理解することが必須である。熱伝導をナノスケールフォノン輸送の観点から解析することで、、ナノ構造により高度な熱輸送制御が可能になっている。本講演では、ナノスケールにおける特殊な熱伝導の基礎物理をわかりやすく解説し、先端半導体デバイスの熱マネジメントと熱電変換材料開発に重要となるフォノン・熱伝導の基礎と応用について解説する。
1.ナノスケールフォノン輸送と熱伝導
1.1 なぜ今、「熱マネジメント」が重要なのか?
1.2 ナノスケールの熱伝導は何が特殊なのか?
1.3 高度な熱伝導制御のための基礎知識
1.4 過去の代表的な研究の紹介
2.フォノンエンジニアリングの基礎
2.1 フォノンの弾道性を用いた熱伝導制御
2.1.1 フォノニック結晶の作製法
2.1.2 ナノ・マイクロ構造の熱伝導測定法
2.1.3 ナノ構造Siにおける熱伝導の物理
2.1.4 指向性をもった熱伝導と集熱
2.2 フォノンの波動的性質を用いた熱伝導制御
2.2.1 フォノニクスと研究の歴史
2.2.2 フォノンとフォトンの類似性と相違性
2.2.3 熱を光のように操れるのか?
2.2.4 フォノニック結晶とバンドエンジニアリングの基礎
2.2.5 フォノニクスに基づく熱伝導制御
3.ナノ構造による熱伝導制御の応用例:熱電変換と先端半導体の熱マネジメント応用
3.1 熱電変換
3.1.1 熱電変換の基礎
3.1.2 熱電変換材料開発と高性能化
3.1.3 熱電変換デバイスの熱設計事例
3.2ナノ構造による熱伝導制御の応用例:先端半導体の熱マネジメント応用
3.2.1 先端半導体における熱マネジメントの重要性
3.2.2 先端半導体の放熱において理解すべき熱伝導の物理
3.2.3 界面熱抵抗の微視的解析例
【質疑応答】
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