【講座の趣旨】
食品包装規制は、国際的整合化が進展中であるが、中国等の多くの国がEU規則を採用してEU規則が今や世界標準になった。EU規則は、体系的・論理的に構成されている。現在は印刷インキが審議中であるが、プラスチック以外の法整備は遅れている。又、EUはビスフェノールAを使用禁止とし、仏は独自に鉱油の規制を実施した。包装・包装廃棄物規則ではリサイクル目標値や登録制度等先進的な施策が織り込まれ、又PFAS(含フッ素化合物)の使用禁止が決まった。このように、EUは食品包装法規制と環境政策両面において世界をリードしており、今後共世界のモデルとなることが予想される。本講では、このEUの食品包装の現状、包装を巡る安全問題の最新動向を紹介する。
1.プラスチックを取り巻く環境
2.食品包装の安全とは
3.世界の食品包装規制の概況
4.EUの食品包装規制
4.1 枠組み規則と食品接触物質
(1)欧州食品安全機関
(2)17の食品接触物質と法整備状況
(3)適合宣言と説明文書
(4)表示とマーク
4.2 プラスチック規則
(1)モノマーと添加剤のPL
(2)特定移行量制限
(3)総移行量制限
(4)移行試験条件
(5)拡散モデルによる証明
(6)機能性バリアーと多層体の扱い
(7)アクティブ&インテリジェント包装
(8)非意図的添加物(NIAS)の規制審議
(9)3つのガイドラインと溶出試験に関する原案
4.3 印刷インキの審議状況
(1)スイスのPLと改正
(2)独のPL
(3)EFSA審議状況
4.4 今後の審議候補
4.5 加盟国の法規制
(1)相互承認協定
(2)独の紙の規格
5.包装を巡る安全問題の動向
(1) 印刷における鉱油規制(仏)
(2) ビスフェノールAの使用禁止
6.包装と包装廃棄物規則(PPWR):生産者登録、EPR、PFASの使用禁止、日米の状況
7.プラスチック汚染防止条約の審議状況 (国連環境総会)
8.EU情報の入手方法と試験受託機関
9.EUのまとめ
10. 参考文献と情報入手先
【質疑応答】
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