電池 リチウム セミナー
        
EV用電池の安全性向上、高容量化と劣化抑制技術
リチウムイオン電池の長期安定利用に向けたマネジメント技術
 
<セミナー No.501424>
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★ 低温帯での容量低下への対応は? 高出力化を実現する電極加工技術を詳解!

リン酸鉄(LFP)系リチウムイオン電池

開発動向と電極特性


■ 講師
1. 泉化研(株) 代表 菅原 秀一 氏
2. 東京電力ホールディングス(株) 経営技術戦略研究所 技術開発部 エネルギーソリューションエリア 庄野 久実 氏
3. 神奈川大学 化学生命学部 応用化学科 教授 博士(理学) 松本 太 氏
■ 開催要領
日 時

2025年1月24日(金) 10:30〜16:15  

会 場 Zoomを利用したLive配信 ※会場での講義は行いません
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聴講料

1名につき60,500円(消費税込み・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき55,000円(税込み)〕
〔大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。
         詳しくは上部の「アカデミック価格」をご覧下さい〕

■ プログラム

<10:30〜12:30

1.リン酸鉄(LFP)・リン酸マンガン鉄リチウムイオン(LMFP)電池の市場と技術展望

泉化研(株) 代表 菅原 秀一 氏

 

【講演概要】
LFP正極材の歴史は古い、既に基本特許は切れているが、20年を経て大きく発展したのは意外であった。当初からLFPの種々の欠点は指摘されており、1.放電電圧が低い3.4〜3.2V 2.電気伝導性がないので炭素コーティングが必要 3.電極密度が上がり難い...等々であった。
 一方でその欠点が、数年前からのEV電池のサプライ・チェーン問題、遷移金属系NiとCoの不足が、原料に不安のないLFPの再評価となった。電圧の低いことは、充電電圧も相対的に低く、電解液に対するストレスが低いことが、安全性につながった。
また意外であったのは、正極材でありながら、カーボンコーティングされた粒子は、電極板製造時に、安価な水系バインダー(SBR)が使用可能である。サプライとコストの制約が大きいPVDFバインダーを使用しないことが評価された結果である。
LFPの出力電圧アップを狙ったのが、マンガンを加えたLMFPである。開発途上であり、その電圧プロファイルなどから、直ちに使用可能とは言えず、Mn独自のMn++の溶出も完全に解決された訳ではない。本講では現在までのデータを解析的に示したい。


【受講対象】
特に限定はないが、EVなど大型リチウムイオン電池の研究と開発に携わる方に、正極材の選択肢を拡げる意味で、聴いて頂きたい

【受講後、習得できること】
実用リチウムイオン電池における、正極材の選定と評価方法を学んで頂きたい


1.リチウムイオン電池における正極材
 1.1 正極と負極、役割分担 
 1.2 充放電と正極材の挙動 
 1.3 単元系正極材
 1.4 二元、三元系正極材 
 1.5 コバルト削減へのステップ

2.リン酸鉄リチウム(LFP)正極材 LiFePO4
 2.1 開発の経緯
 2.2 初期の電池製品例
 2.3 LFPセルの基本特定と比較
 2.4 最近のEVへの拡大
 2.5 電極バインダーの変化
 2.6 関連資料

3.リン酸マンガン鉄リチウム(LMFP)正極材
 3.1 マンガン系正極材の歴史
 3.2 LMFPの登場
 3.3 LMFP正極材の基礎特性
 3.4 今後の応用展開


【質疑応答】


<13:30〜14:30>

2.LFP系リチウムイオン電池の不均一反応による容量低下

東京電力ホールディングス(株) 経営技術戦略研究所 技術開発部 エネルギーソリューションエリア 庄野 久実 氏

 

【講演概要】
リチウムイオン電池は低温、高率充電で負極にLiが析出し、寿命・安全性に影響を及ぼすことが知られている。本報告では、定置用途として有望視されているリン酸鉄リチウム(LFP)正極、炭素(Gr)負極電池を対象にし、Liの析出条件、機構解明を行った。その結果、従来の低温・高率充電以外の条件でもLi析出のリスクがあること、その要因がLFPとGrに特徴的な反応機構によることを明らかにした。

【受講対象】
現行リチウムイオン電池の技術者・研究者

【受講後習得できること】
現行リチウムイオン電池の劣化機構の理解



1.背景
 1.1 定置用リチウムイオン電池(LIB)の利用シーンとSOC運用範囲
 1.2 金属Li析出に関する先行研究
 1.3 金属Li析出に対する既報告と本報告の違い

2.試験条件
 2.1 リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP系LIB)の製品スペックと試験条件
 2.2 非破壊劣化診断法(dV/dQ法)による金属Li析出予測と充電末電池の解体調査

3.結果及び考察
 3.1 dV/dQ 法による金属 Li 析出予測について
 3.2 dV/dQ 法による金属 Li 析出予測の課題
 3.3 非破壊での金属Li析出予測に対する多角的視点アプローチ:手法の提案
 3.4 金属Li析出メカニズムをどのように説明するか?
 3.5 LFP 系 LIB の容量回復について

4.まとめ


【質疑応答】


<14:45〜16:15>

3.LFP正極の性能向上のためのレーザー加工穴あき電極の開発

神奈川大学 化学生命学部 応用化学科 教授 博士(理学) 松本 太 氏

 

【講演概要】
電気自動車などの電力源として注目されているリチウムイオン二次電池は、現在、高容量化、高出力化など、今後の益々増える使用要求に対応できる性能の向上が急務である。その中で、様々な材料開発が行われているが、穴あき電極による電池の高出力化は従来のリチウムイオン電池の電極に穴をあけることで実現可能である。レーザー加工による電極への穴あけ加工技術を用いて、リチウムイオン二次電池の高出力化を実現した結果を紹介する。

【受講対象】
電池開発者 (初心者から熟練者まで)

【受講後習得できること】
電池内のデザインを変更することで従来の電池材料でも電池の性能を向上させることができることを知ることができる



1.レーザー加工穴あき電極の必要性

2.レーザー加工穴あき電極の作製法

3.レーザー加工穴あき電極のレート特性

4.レーザー加工穴あき電極のサイクル特性

5.電池のエネルギー密度向上のための電極の膜厚化

6.塗工量が違う両面塗工電極の性能とその改善

7.LFP/活性炭電極によるレート特性の向上

8.まとめ


【質疑応答】


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