【講演ポイント】
クリーンルームの清浄度維持には,壁や床,空調や設備などのハード面の管理と作業員やその作業ルールなどのソフト面の両方を抑えなければならない。
特に後者は,まとまった教科書もなく,各社とも「自社の管理手法は,これで正しいのだろうか?」という不安が拭い切れないのが実情である。
本講座では,ハード面での対策、作業員の守るべきルールやその理由を発塵量比較データに基づいて,クリーンルームの維持管理手法について科学的かつ平易に解説する。
並びに静電気の本質を科学的に紐解き、具体的な対策について解説する。
【プログラム】
1.クリーン化、異物対策の基礎知識
1.1 クリーン化の目的
1.2 クリーンルームとは何か?目的と構造の基本
1.3 クリーンルーム内でのゴミとは? (浮遊ゴミ,沈降ゴミ,菌類,バクテリア)
1.4 クリーン化対策の基本
1.5 発塵のイメージとその意味
1.6 発塵や落下付着の基礎科学
(接触転移,堆積付着,落下時間,塵埃の移動距離)
1.7 ゴミの種類と見極め方
2.人や身近な発塵源の解説と対策
2.1 人からの発塵
2.1.1 フケ,アカ,汗,角質
2.1.2 作業服の脱着時の発塵
2.1.3 人の動作、持込品に関する発塵量の比較
・手洗い前と手洗い後の比較
・帳簿類からの発塵
・歩行による発塵
・清掃方法・清掃用具の効果の比較
・無塵衣・手袋・靴からの発塵
・持込品による比較
2.2 機械、ケーブル等機材側からの発塵
3.クリーンルームにおけるゴミのクセ
3.1 何故,人体や製品にくっつくのか? (付着のメカニズム)
3.2 どこに溜まり易いのか?
4.静電気の存在とクリーンルーム内における静電気対策
4.1 静電気はなぜ起きる、そのメカニズム
4.2 イオナイザー使用のメリット、デメリット
5.作業員管理の基本原則とその共有の仕方
5.1 ゴミを持込ませない
(健康状態や化粧品などの衛生管理, 所持品管理,入室前手洗い,エアーシャワー)
5.2 ゴミを発生させない
(無塵服,動作ルール,持込品制限)
5.3 ゴミを堆積・付着させない
(防塵カバーの使用,製品と備品における距離や高さ動線の見直し)
5.4 ゴミは速やかに排除する
(ゴミ捨ての方式や清掃方法およびその頻度の見直し)
6.クリーンルーム内での注意事項、維持管理に向けたポイント〜
6.1 クリーンルーム用衣服(無塵衣)やマスク・靴の着用の仕方
6.1.1 無塵衣による発塵抑制の効果予測
6.1.2 着替え時の注意点
6.1.3 クリーニングの注意点
6.1.4 トラブル対策:急に破れてしまったら?
6.2 クリーンルーム内におけるふるまいの注意点
(気流と作業者の位置関係,不要な私語・ 動作の禁止,無塵紙などの
認定品使用の徹底, 着衣のルール,ゆっくりと歩く動く,汚れたものに
手を触れない,喫煙後のルール,静電気対策)
6.3 設備・装置と清掃の注意点
(ゴミの溜まり難い構造,掃除しやすい配置,床置きはしない,
修理やメンテナンスには特に注意!)
6.4 物品の搬入搬出や指定業者の入退室での注意点
7.清掃の習慣化と見える化機器の活用
【質疑応答】
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