【講演ポイント】
国内の電子機器は信頼性の高さに定評があり、多くのシステムに搭載されている。しかしながら、現在、この信頼性を牽引してきた多くのベテラン技術者が退職を迎え、空洞化が懸念される。ベテラン技術者の経験を補い、早期に技術者を育成するためには原点に戻り、信頼性に係る故障メカニズムをとそれに関連する物性を理解し、実際に起こっている問題を物性面からも考えていく技術を身に付けることが必要である。
実際にはベテラン技術者もこのようなことをやっており、経験が及ばない新規課題にも対応できるため、今日の高信頼性が構築できている。
本セミナーでは実際に行われている信頼性の規格・要求や試験などの実践的な面と、各部品における故障や環境による劣化メカニズムなどの物性面の両方から、故障未然防止策を検討していく。また、故障の原因究明のための故障解析についても述べる。このように本セミナーでは電子機器の開発や品質保証に関連するほぼすべての項目の骨子を説明するものである。
科学的な面の話もあるが、誰でもわかるように事例を交えて、わかりやすく説明するので、初級者でも十分理解できるものである。
【プログラム】
1.セミナーの目的
2.電子機器の開発と市場故障の現状
2.1 一般に行われている電子機器製品開発の流れ
2.2 部乗用車クレーム情報から見る電子機器の市場故障・不具合
3.故障未然防止を考慮した電子機器の開発
3.1 市場故障の発生要因
3.2 故障未然防止を考慮した電子機器の開発
3.3 故障の抽出
3.4 製造法の開発のポイント
3.5 部品選定:市場流通在庫品と良品解析
3.6 製品設計・開発の信頼性の作り込み
3.7 電子機器製品としての信頼性検証と対策
4.ストレスよる故障現象と部品固有の故障メカニズム
4.1 安定状態と反応速度
4.2 温度、温度急変、湿度による故障メカニズム
4.3 部品による故障メカニズム(MLCC、LIB、リレー・接点、LSIなど)
4.4 実装基板の故障(プリント基板、接続)
5.信頼性試験・環境試験
5.1 信頼性規格と課題
5.2 車載用電子機器への要求
5.3 信頼性試験の課題
5.4 加速試験:加速係数の算出
5.5 各種信頼性試験・環境試験
6.電子機器に及ぼすサージ・ノイズ
6.1 サージ(ESD/ラッチアップ/EOS)による破壊
6.2 サージ対策
6.3 EOS破壊のメカニズム検証事例
6.4 電磁波ノイズの現状とEMC試験
7.電子機器の故障解析
7.1 故障解析の目的と実施
7.2 故障解析フロー
7.3 故障解析ツール
7.4 ロックイン発熱解析を用いた故障解析
7.5 故障メカニズムの検証
【質疑応答】
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