【講座主旨】
本セミナーでは、有機物・セラミクス・金属などの材料と生体分子・細胞・微生物がどの様に相互作用するか、分子レベルでの解釈から、巨視的に観察される現象までを俯瞰して議論し、材料設計にフィードバックするための知見を得るための方法論を議論します。そのために、界面相互作用の基礎の理解、界面の測定手法の原理と測定結果の解析を実際の例を元に解説します。また、後半では情報科学の手法(機械学習・多変量解析など)を用いた材料のスクリーニング、材料設計に関して解説します。研究開発に情報科学的手法を導入する際、一体どこから手を付ければ良いのか?その手法の選択・データベースの構築などに関して解説します。
【講座内容】
1.生体材料表面の解析に用いられる分析手法〜表面・界面解析手法の基本を抑える
1)様々な表面分析手法とその特徴
2)水中でのバイオマテリアルの解析~真空中との物質間の相互作用の違いを理解する
a.タンパク質吸着
b.細胞接着
3)原子間力顕微鏡(AFM)を用いた計測
a.原子間力顕微鏡を用いた表面構造計測〜少しの工夫で再現性・定量性を向上させるノウハウ
b.原子間力顕微鏡を用いた界面相互作用の解析~定量的に吸着・接着現象を理解
4)その他、表面・界面科学の分析手法を用いた計測
5)有機物表面の構築
a.自己組織化単分子膜〜その特徴と作製法〜基板作製から化学修飾のコツ
b.高分子薄膜
c.細胞接着を促進するための表面改質〜メカニズムの理解に基づいた設計
d.(研究事例) 原子間力顕微鏡を用いた細胞接着サイトの可視化
2.(研究事例)抗タンパク質吸着・抗細胞接着特性を持つ表面解析
1)タンパク質吸着・細胞接着を決定する界面相互作用
2)付着性表面・抗付着性表面が引き起こす界面相互作用
3)界面における水分子の振るまいと抗付着性の関係
4)分子夾雑状態におけるバイオ界面・界面における微生物の振る舞いの解析
3.(研究事例)情報科学の手法を用いた自己組織化単分子膜・高分子薄膜の設計
1)情報科学を用いた単分子膜表面へのタンパク質吸着量の予測
2)情報科学を用いた高分子薄膜の設計
3)機械学習を用いた生体分子表面の構造ルールの抽出
4.情報科学的手法の導入に関して
1)準備するもの〜一体どこからはじめれば良いのか
2)YouTubeを用いた情報収集と生成AI(ChatGPTなど)を用いた効率的プログラミング
【質疑応答】
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