【講座の趣旨】
世の中において集積回路をはじめ電子部品や電子機器の性能やその品質・信頼性は大幅に向上しているが,決して故障が根絶したわけではない.現在市場において散発的に発生している故障は,過去に経験がある故障ではなく,全く新しい故障メカニズムで発生するリスクも存在する.従って信頼性技術者は多くの故障事例を学習し,且つ実務で経験しなければならない.しかし世の中は様々な故障事例情報で溢れており,全ての事例を把握することは事実上困難である.そこでそれに対する一つの解として,信頼性物理に基づいた故障メカニズムと,故障解析技術の物理的意味を基に考察することにより,故障メカニズムの解明技術力の向上が期待できます.事例を憶えるより故障解析業務が何倍も楽しくなります.
序.社会情勢の変化と信頼性の必要性
1.信頼性概論
1-1 品質と信頼性
1-2 信頼性用語と代表的特性値
1-3 信頼性目標の重要性
2.信頼性創り込みと信頼性検証技術
2-1 信頼性創り込みと検証
2-2 信頼性設計を中心とした信頼性創り込み技術
2-3 物理的検証技術の概要
2-4 知識・経験的検証技術の特徴
2-5 信頼性検証技術のまとめ
3.基本的な信頼性物理
3-1 故障メカニズムと律速反応
3-2 主な加速要因
(1)劣化に関する基本モデル
(2)温度加速性
(3)湿度加速性
(4)応力加速性
3-3 故障メカニズムの物理/化学反応
(1)表面/界面での反応
(2)拡散反応
(3)化学的酸化・腐食
(4)電気的破壊
(5)機械的破壊
4.統計的解析技術の適用
4-1 統計的基礎
4-2 ワイブル分布解析
4-3 多変量解析
5.物理的解析技術の適用
5-1 物理的故障解析の基礎
(1)故障解析とは
(2)物理的故障解析の重要性とポイント
(3)故障解析の進め方
5-2 故障解析に必要な物理的思考と計測技術
(1)試料研磨の影響と計測技術
(2)超音波の影響と計測技術
(3)光の影響と計測技術
(4)電子線の影響と計測技術
5-3 TEGでの故障メカニズムの再現試験方法
(1)TEG設計
(2)ストレス印加方法
6.今後注目すべき解析技術
【質疑応答】
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