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【本講座で学べること】
・データセンターや電子機器における最新の熱制御・省エネ課題の動向
・沸騰冷却を基盤とした新しい冷却技術の考え方と設計アプローチ
・ハニカム多孔質体を活用した次世代冷却構造の概要と応用展開
・熱・流動現象の計測および可視化手法(赤外線・全反射など)の基礎理解
・冷却技術のスケールアップ・社会実装に向けた展望
【講座概要】
データセンターや電子機器の高性能化に伴い、従来の空冷・水冷方式では処理しきれない高熱流束が発生し、熱制御と省エネルギーの両立が喫緊の課題となっています。本講座では、沸騰冷却の原理と限界を超えるための新しい冷却概念をわかりやすく解説し、ハニカム多孔質体などの新構造を例に、最新の冷却技術の考え方と応用の方向性を紹介します。また、赤外線計測や全反射法などによる熱・流動現象の可視化手法にも触れ、研究開発・製品設計の現場に役立つ知見を提供します。次世代データセンターや高発熱デバイスに向け、沸騰冷却技術の可能性を俯瞰的に学ぶ機会とします。
1.はじめに ―地球を冷やすという新しい課題意識
1.1 データセンターの電力構造と冷却エネルギー問題
1.2 空冷の限界と沸騰冷却への転換
1.3 冷却技術が支えるカーボンニュートラル社会
2.ハニカム多孔質体による沸騰冷却の原理と革新性
2.1 沸騰限界(CHF)向上の既往研究と課題
2.2 ハニカム多孔質体(HPP)の構造と作動原理
2.3 液供給・蒸気排出の自律制御メカニズム
2.4 毛細限界モデルによる設計指針
3.二層構造設計による超高熱流束冷却
3.1 過薄多孔層でのドライアウト問題と限界
3.2 二層HPPによる液供給安定化と8倍のCHF向上
3.3 熱伝達率(HTC)向上と安定作動の両立
4.自己組織化電解析出によるマイクロハニカム構造の創製
4.1 電解析出による自己組織化多孔構造の形成原理
4.2 細孔径・空隙率の電位依存制御とX線CT観察
4.3 液ウィッキング特性とCHFの相関解析
4.4 非定常液供給モデルによる限界予測
5.応用展開:次世代データセンター冷却への挑戦
5.1 CPU冷却パーツ「Mira-Cooler」による製品化構想
5.2 ゲーミングPC市場からデータセンターへの展開戦略
5.3 液浸冷却を超える「沸騰冷却」の実装可能性
5.4 熱マネジメント革新によるCO2削減効果
6.まとめと今後の展望
6.1 ハニカム多孔質体による冷却技術の新しいパラダイム
6.2 冷却・電解・脱水素へと広がる「Bubb-logy」の世界
6.3 日本発の技術で世界を冷やす挑戦
【質疑応答】
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