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【講演概要】
本講座では、フラーレン誘導体やカーボンナノチューブ(CNT)などの低次元ナノカーボン材料を活用し、ペロブスカイト太陽電池の高効率化と高耐久化を実現する研究を紹介します。フラーレン誘導体による電子輸送層・界面修飾による性能向上、さらに単層CNT薄膜を用いた透明電極の高導電化やフレキシブルデバイス化の取り組みを取り上げます。材料設計からデバイス応用までを一貫して扱い、持続可能なエネルギー技術の発展に向けたナノカーボン材料の新たな可能性を示します。
フラーレン誘導体およびカーボンナノチューブ(CNT)は、高い電子輸送性、優れた導電性、そして化学的安定性を兼ね備えた低次元ナノカーボン材料として、次世代太陽電池材料への応用が注目されています。本講演では、これらの特性を活かしたペロブスカイト太陽電池の高効率化および耐久性向上に関する研究を紹介します。
まず、フラーレン誘導体を電子輸送層や界面修飾材として応用し、ペロブスカイト層との界面安定化および電荷輸送効率の向上を実現した事例について述べます。特に、水溶性フラーレン誘導体の設計による低温プロセス適合性の改善や、湿潤環境下でも安定なデバイス作製手法について議論します。
次に、透明電極材料としての単層カーボンナノチューブ(SWCNT)薄膜の高導電化およびn型化技術を紹介し、ITOや金属電極を用いないフレキシブルペロブスカイト太陽電池の構築例を示します。これにより、軽量で曲げ可能な高性能デバイスの実現可能性を明らかにします。
最後に、これらの低次元ナノカーボン材料を活用したアプローチが、持続可能かつ高耐久な光電変換デバイスの開発にどのように貢献し得るかを展望します。
【受講対象】
本講座は、次世代太陽電池やエネルギー変換デバイスの研究・開発に関心を持つ大学院生、研究者、企業の技術者を対象としています。特に、ナノカーボン材料、ペロブスカイト太陽電池、界面制御、電子輸送材料などに興味を持つ方に適しています。基礎から応用まで幅広い視点で、材料化学とデバイス工学の融合的アプローチを学びたい方におすすめします。
【受講後、習得できること】
本講座の受講を通じて、フラーレン誘導体やカーボンナノチューブ(CNT)などのナノカーボン材料の基礎特性と、それらを活用したペロブスカイト太陽電池の設計・評価手法を理解できます。さらに、電子輸送層や透明電極などの機能材料開発に関する最新の知見を習得し、持続可能なエネルギーデバイス開発に向けた材料選定や構造設計の考え方を身につけることができます。
1.フラーレン誘導体およびカーボンナノチューブ(CNT)の電子輸送性・導電性・化学的安定性に基づく特徴紹介
2.フラーレン誘導体を電子輸送層や界面修飾材として用いたペロブスカイト太陽電池の高効率化・界面安定化事例
3.水溶性フラーレン誘導体の設計と、低温プロセスによるペロブスカイト層との適合性向上
4.単層カーボンナノチューブ(SWCNT)薄膜を用いた透明電極の高導電化およびn型化技術
5.ITOや金属電極を使用しないフレキシブルペロブスカイト太陽電池の構築
6.ナノカーボン材料を基盤とした持続可能・高耐久な光電変換デバイスへの展開
【質疑応答】
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