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【講座主旨】
反応解析、物性推算、流動解析といった工学・理学分野において、近年、機械学習を活用した解析・予測手法の有効性が広く認識されるようになってきました。一方で、高精度な機械学習モデルを構築するためには大量のデータが必要となる場合が多く、実験やシミュレーションに要するコストが大きな課題となっています。本講座では、このような課題に対し、データ駆動型の機械学習手法に理論的モデルや物理的知見を効果的に組み込むことで、データ取得コストを抑えつつ高い推算性能を実現した事例を紹介します。
具体的には、モデル構造の工夫や最適化に加え、学習過程において事前知識や理論的制約を導入することで、学習効率の向上とモデルの安定化を図る手法について解説します。これにより、一般的なブラックボックス型の機械学習モデルと比較して、必要とされるデータ量を大幅に削減しながらも、実用的かつ高精度な推算が可能となる点を示します。
本講演は、反応解析、物性推算、流動解析の三つの代表的な事例を中心に構成されており、いずれの事例においても、数十から数百程度の、一研究室レベルで収集可能なデータのみを用いて、既存手法を上回る推算精度を達成しています。あわせて、データ削減に至るまでの考え方や戦略、ならびにこれらの手法を汎用的に実装するための基本的なアプローチについても紹介します。本講演を通じて、聴講者の皆様がそれぞれの専門分野において、機械学習をより効果的に活用するための実践的な視点と基礎知識を得ていただくことを目指します。
【講座内容】
1.ニューラルネットワークについて
1.1 機械学習とニューラルネットワーク
1.2 ビッグデータと機械学習
1.3 ニューラルネットワークの原理
2.反応解析における機械学習の活用
2.1 理論的制約を組み込んだ機械学習
2.2 事前学習によるデータ収集コスト削減
2.3 機械学習による時系列データの取り扱い
3.物性推算における機械学習の活用
3.1 勾配制約を組み込んだ機械学習
3.2 機械学習モデルの理論的妥当性と外挿性能
4.流動解析における機械学習の活用
4.1 画像・動画処理が可能な機械学習モデル
4.2 理論的解析が不能な条件での機械学習の活用
5.ニューラルネットワーク実装デモ
5.1 Pythonを利用した機械学習モデルの実装例の紹介
【質疑応答】
◆◆講師プロフィール◆◆◆
略歴・活動・著書など:
2018年4月 - 2020年3月 日本学術振興会, 特別研究員 (DC2)
2020年4月 - 2024年3月 東京理科大学, 工学部 工業化学科, 助教
2023年4月 - 2024年3月 東京電機大学, 工学部 応用化学科, 非常勤講師 (兼任)
2024年4月 - 静岡大学, 学術院工学領域 化学バイオ工学系列, 講師
現在に至る
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