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薄膜作成プロセスにおける成膜条件の最適化
【事例を挙げた問題点と解決手法 】
Optimization in the process of creating a thin film deposition conditions
 
■ 執筆者紹介
ダイキン工業(株)
九州大学
ソニー(株)
トウプラスエンジニアリング(株)
工学院大学大学院
金沢工業大学
茨城大学 
旭化成(株)
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京都大学
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三容真空工業(株)
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高原淳
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鈴木一博
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柴崎一郎
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村上勝彦
小倉繁太郎
小川倉一
大橋健也
平澤俊和
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味村裕
吉岡秀樹
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(株)KRI
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東京大学大学院 
豊橋技術科学大学
神戸大学
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三菱電機(株)
東北大学
産業技術総合研究所
ソニー(株)
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東京農工大学
(株)豊田中央研究所 
井上一吉
福井俊巳
稲葉仁
鳥海明
福本昌宏
上田裕清
平林泉
酒井千尋
村口功
坂本幸弘
曽我哲夫
谷和美
松野繁
一色実
亀山哲也
近藤洋文
國井弘毅
臼井博明
多賀康訓
■ 目  次

 

第1章 薄膜の損傷・微小欠陥を防ぐには?  


第1節 フルオロアルキルアクリレート重合体薄膜dewettingの発現機構
   
1 パ-フルオロオクチルエチルアクリレ-トホモポリマー(P17FA)薄膜で起こるdewetttingのモルフォロジ-と表面特性    
2 dewettingの機構    
3 dewettingを防止するために、、、。  

第2節 有機超薄膜の凝集構造と表面物性
   
1 有機シラン単分子膜の調製法    
2 有機シラン単分子膜の凝集構造(AFM、電子線回折、GIXD,XRによる評価)    
3 有機シラン単分子膜の表面物性    
4 多様な表面特性を有する有機シラン単分子膜の調製法  

第3節 きれいなスパッタ膜をつくる
   
1 基板前処理 (最終熱処理ではじめてわかる基板問題点)    
2 スパッタ成膜  (実験室での欠陥低減)     
 2-1 パ-ティクル (クリーンルームでも安心禁物)     
 2-2 残留ガス (ほとんど水分だが)     
 2-3 膜ストレス (引っ張りより圧縮)     
 2-4 基板バイアス (RFスパッタ時には注意)


第2章 接着・密着等、付着力を高めるには?  


第1節 プラスチック表面に付着力の強い薄膜を成膜するための表面処理法
1 物理的粗面化    
2 有機中間層塗布    
3 無機中間層成膜    
4 放電照射    
5 光照射    
6 化学的修飾  


第2節 イオンビームを用いた薄膜の密着性の向上 <br>

1 真空蒸着法
2 イオン注入法
3 イオンビームアシスト蒸着法
 3-1 イオンビームアシストの原理
 3-2 イオンビームアシストによる金属薄膜の密着性の向上


第3節 薄膜の剥離現象と付着性の向上
   
1 付着とは?    
2 薄膜の自然剥離    
3 薄膜の亀裂(クラック:crack)と皺(リンクル:wrinkle)    
4 付着向上のための基本     
 4-1 基板加熱     
 4-2 イオン、プラズマ処理  

第4節 高機能化のための蒸着法を含む複合表面改質法
   
1 複合処理プロセスの意義、目的    
2 工業的応用、効果


第3章 基材・基板へのダメージを防ぐには?  


第1節 GaAs基板上へのInSb、InAsの エピタキシャル成長への格子ミスマッチの影響
   
1 InSb、InAs薄膜のGaAs基板上へのMBEによるエピタキシャル成長    
2 InSb、InAsとGaAs基板基板とのヘテロ界面の格子像のTEM観察     
 2-1 InSb/GaAsヘテロ界面の観察     
 2-2 InAs/GaAsのヘテロ界面の観察  

第2節 薄膜の低温形成技術
   
1 ペロブスカイト系酸化物薄膜の低温形成     
 1-1. スパッタによるSrTiO3の低温形成の取り組み      
   1-1-1 基板電位と基板バイアス効果      
   1-1-2 オゾン(O3)導入とバイアス印加効果      
   1-1-3 プラズマ分光法を用いた薄膜低温形成の条件最適化     
 1-2 イオンビームスパッタ法を用いたPb系強誘電体薄膜の低温形成      
   1-2-1 イオンエネルギーの制御      
   1-2-2 初期成長の格子整合の重要性     
 1-3 「光エネルギー」を利用した誘電体薄膜低温形成のアプローチ      
   1-3-1 電子ビーム蒸着におけるイオン・光照射による酸化物薄膜の低温形成      
   1-3-2 イオンビームエネルギーの利用:スパッタにおけるイオン・光照射法による誘電体薄膜の低温形成     
 1-4 酸化物結晶薄膜の低温形成のまとめ    
2 半導体薄膜の低温形成


第4章 膜の均質性を高めるには?密度を低/高めるには?  


第1節 イオンビームを用いた膜形成における膜の密度制御
1 供給する原子・分子に励起エネルギーを与える     
 1-1 イオンの励起エネルギーが薄膜形成に及ぼす効果     
 1-2 イオンの励起エネルギー効果の具体例    
2 供給する原子・分子に運動エネルギーを与える     
 2-1 イオンの運動エネルギーと原子間結合状態の相互作用     
 2-2 新しい原子間結合反応“運動力結合”  

第2節 膜厚の制御と高精度評価    
1 膜厚の均一性制御    
2 膜厚の高精度評価法    
3 X線反射率法(XRR)    
4 断面TEM法(CS-TEM)


第5章 膜質の均一性(不均一性)を高めるには?  


第1節 軟X線多層膜反射ミラー    
1 軟X線多層膜反射ミラー作製のポイント     
 1-1 周期長の誤差     
 1-2 界面粗さ     
 1-3 界面拡散層     
 1-4 膜厚分布    
2 成膜方法    
3 周期長制御    
4 膜厚分布の制御  

第2節 光学薄膜の均質性と不均質性    
1 光学薄膜における均質性小史     
 1-1 反射防止膜     
 1-2 狭帯域フィルター     
 1-3 ルゲート・フィルター    
2 IAD法による酸化物薄膜の屈折率均質性     
 2-1 TiO2膜     
 2-2 Ta2O5膜     
 2-3 Nb2O5膜  

第3節 反応性励起ビームアシスト法による 高品質化合物薄膜の室温合成    
1 励起ビームアシストIBS装置の構成と特性    
2 酸素ビーム照射によるITO薄膜の作製    
3 窒素ビーム照射によるAlN薄膜の合成


第6章 成膜速度を高めるには?  


第1節 成膜条件と薄膜の性質−イオンビーム成膜による高純度薄膜のケース−    
1 イオンビームデポジション法の特徴と成膜条件     
 1-1 質量分離による高純度化     
 1-2 イオン照射の役割とイオンエネルギー範囲     
 1-3 高純度薄膜の成長条件     
 1-4 イオンビーム輸送系     
 1-5 イオンビームの減速    
2 成膜装置の構成     
 2-1 全体の構成     
 2-2 イオン発生部     
 2-3 質量分離部     
 2-4 イオン減速部     
 2-5 成膜部    
3 薄膜作製     
 3-1 鉄薄膜の作製     
 3-2 IBD鉄の耐食性評価  

第2節 光学薄膜の成膜における最適化条件    
1 真空蒸着の成膜方法とその性能比較     
 1-1 従来の真空蒸着の問題点     
 1-2 IADによる成膜     
 1-3 イオンプレーティングによる成膜    
2 真空蒸着においてスループットを高める為の装置の最適化     
 2-1 真空の質を高める為の最適化     
 2-2 膜厚分布及び屈折率分布を決める真空槽内の最適化    
3 スパッタリングによる成膜     
 3-1 スパッタリングによる光学薄膜の成膜と問題点     
 3-2 スパッタリングによる成膜技術の動向


第7章 膜厚精度を高めるには?  


第1節 光学薄膜の膜厚制御    
1 膜厚制御の方法     
 1-1 水晶式膜厚監視     
 1-2 光学式膜厚監視    
2 光学式膜厚監視計の装置構成    
3 光学式膜厚監視計の使用方法     
 3-1 透過式と反射式     
 3-2 監視波長     
 3-3 比例制御  

第2節 膜厚精度を高めるには?    
1 光学膜厚制御     
 1-1 光学膜厚モニタ     
 1-2 間接型と直視型の光学膜厚モニタ     
 1-3 モニタ光の波長領域     
 1-4 停止位置予測成膜制御    
2 成膜中の光学膜厚誤差補正     
 2-1 再設計による膜厚誤差補正     
 2-2 膜厚誤差自己補正の利用    
3 光通信用フィルタへの適用     
 3-1 利得等化フィルタ     
 3-2 狭帯域バンドパスフィルタ


第8章 低(電気)抵抗率を達成するには?  


第1節 透明導電膜の抵抗率を下げる    
1 低抵抗率透明導電膜はなぜ必要か?    
2 低抵抗率透明導電膜作製のための指針     
 2-1 低抵抗率ITO膜の構造     
 2-2 結晶性の向上     
 2-3 組成の均一性     
 2-4 酸素量の制御    
3 PLDによるITO膜の作製実験  

第2節 アモルファス透明導電膜の低抵抗化    
1 アモルファス透明導電膜    
2 アモルファス透明導電膜の特徴     
 2-1 酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(indium Zinc Oxide:IZO)     
 2-2 IZOの成膜安定性     
 2-3 IZO薄膜のエッチング特性     
 2-4 アモルファスITOの特徴    
3 アモルファス透明導電膜の低抵抗化    
4 有機エレクトロルミネッセンス(EL)用電極  

第3節 低(電気)抵抗率を達成するには?    
1 液相法ITO膜の抵抗値     
 1-1 ゾル-ゲル法の問題点と対策      
   1-1-1 原料純度の影響      
   1-1-2 化学組成の影響      
   1-1-3 微細構造の与える影響     
 1-2 光アシストゾル-ゲル法による抵抗化の可能性


第9章 絶縁膜を上手くコントロールするには?  


第1節 絶縁膜の帯電防止技術    
1 静電気障害と帯電防止原理    
2 電気抵抗値制御による帯電防止    
3 電荷供給による帯電防止技術     
 3-1 USX照射除電法      
   3-1-1 イオナイザとUSX照射除電装置の除電性      
   3-1-2 除電装置適用時の設計手順      
   3-1-3 安全対策     
 3-2 VUV照射除電法    
3 CVDプロセスにおける対策例(静電気障害克服により不良品発生率1/10削減を達成)  

第2節 絶縁膜を上手くコントロールするには?    
1 CMOS用ゲ-ト絶縁膜薄膜化の動向 -何が求められているか-    
2 シリコン酸化膜形成技術     
 2-1 熱酸化技術(ドライ酸化、ウエット酸化、酸素ラジカル酸化)    
3 絶縁膜質の評価基準     
 3-1 容量評価     
 3-2 信頼性評価     
 3-3 物理評価一般    
4 シリコン酸化膜を超えたゲート用絶縁膜の取り組み方


第10章 基板(大面積)に上手く成膜するには?  


第1節 溶射法による大面積成膜技術    
1 溶射粒子偏平挙動の理論的記述    
2 溶射粒子偏平挙動に対する有効制御因子    
3 基材予熱の重要性  

第2節 分子配列制御有機薄膜の大面積化    
1 PTFE摩擦転写膜の作成とその構造    
2 PTFE摩擦転写膜上の有機分子の構造と光・電子機能     
 2-1 鎖状分子(パラフィン、ポリシラン)     
 2-2 平面状分子(フタロシアニン、ポルフィリン)  

第3節 化学プロセスによる酸化物超伝導体大面積成膜    
1 MOCVDにおける大面積成膜の課題とその対策     
 1-1 酸化物超伝導体用CVD原料     
 1-2 成膜装置の工夫     
 1-3 VLS成長 -気相供給のLPE-    
2 化学気相法から化学溶液法へ:TFA-MOD法     
 2-1 原料     
 2-2 成膜・焼成     
 2-3 焼成プロセスのシミュレーション     
 2-4 大面積成膜  

第4節 研究開発の試作における大面積基板への成膜    
1 研究開発における大面積基板への成膜の役割    
2 大面積成膜における問題     
 2-1 成膜の前処理工程     
 2-2 真空蒸着     
 2-3 スパッタ     
 2-4 RF-IP成膜    
3 よりよい成膜を行うために


第11章 硬度のコントロール:耐摩擦,耐磨耗性を高めるには?  


第1節 硬度のコントロール:耐摩擦、耐磨耗性を高めるには?    
1 ラジカル窒化による表面硬化    
2 複合硬化処理    
3 ダイヤモンド    
4 マイクロ波プラズマCVDによる窒化炭素の合成  

第2節 ダイヤモンド薄膜の硬度と耐摩擦特性のコントロール    
1 ダイヤモンド薄膜の種類    
2 微結晶ダイヤモンド薄膜の成膜    
3 微結晶ダイヤモンドの硬度のコントロール    
4 微結晶ダイヤモンドの基板との密着性    
5 微結晶ダイヤモンドの摩擦係数  

第3節 硬度のコントロール:耐摩擦、耐磨耗性を高めるには?    
1 特徴あるWCサーメット皮膜の事例    
2 耐プラズマエロージョン皮膜    
3 耐キャビテーションエロージョン皮膜    
4 高温環境下における用途    
5 トライボロジ用途に用いるときの考え方     
 5-1 表面粗さ付与における溶射皮膜の役割     
 5-2 表面粗さの制御      
   5-2-1 基材粗さの調整      
   5-2-2 基材硬さのおよぼす影響      
   5-2-3 溶射皮膜のもつ固有の表面粗さ      
   5-2-4 溶射皮膜表面粗さの制御     
 5-3 耐摩耗溶射皮膜の摩擦係数例     
 5-4 耐摩耗性を備えた鏡面


第12章 原料ガスを上手くコントロールするには?  


第1節 溶液原料と液体材料気化装置による 誘電体薄膜用CVD原料ガスの安定供給    
1 誘電体薄膜用CVD溶液原料     
 1-1 金属錯体原料     
 1-2 溶液原料    
2 溶液原料の気化方法     
 2-1 各種気化方式と問題点     
 2-2 溶液原料用液体材料気化装置    
3 BST、PZT薄膜材料の成膜     
 3-1 BST(ST)薄膜の成膜     
 3-2 PZT薄膜の成膜    
4 誘電体以外の材料への応用     
 4-1 光通信用石英系導波路膜     
 4-2 ディスプレイ用蛍光材料

 

第13章 不純物・コンタミネーション(異物混入)を防ぐには?  

 

第1節 銅の高純度化と薄膜形成    
1 銅の耐酸化性    
2 銅の浮遊帯溶融精製    
3 マグネトロンスパッタ法による銅薄膜の形成と不純物汚染    
4 非質量分離型イオンビームデポジション法による銅薄膜形成  

第2節 高周波熱プラズマ法による機能膜の作製    
1 人工股関節    
2 直流プラズマ溶射による生体適合性セラミック膜の形成    
3 高周波プラズマ溶射法による生体適合性セラミック膜の形成

 

第14章 その他の問題点・対応策と成膜条件の最適化  


第1節 薄膜の分析手法    
1 TOF-SIMS    
2 XPS     
 2-1 膜厚分析     
 2-2 角度依存 (Angle-Resolved) XPSによる被覆率分析    
3 AES(オージェ電子分光)    
4 フーリエ変換赤外分光法(FTIR)による表面の解析     
 4-1 全反射法(Attenuated Total Reflection)     
 4-2 高感度反射法(Reflection-Absorption Spctroscopy)    
5 カーボン保護膜の表面構造解析     
 5-1 ラマン分光によるカーボン保護膜の解析      
   5-1-1 ラマン分光によるsp3構造とsp2構造の評価      
   5-1-2 表面増強ラマン散乱(SERS)      
   5-1-3 全反射ラマン分光法     
 5-2 EELSによるカーボン膜のsp3結合含有量    
6 接触角による表面エネルギー解析  

第2節 膜の屈折率を高くするには?    
1 薄膜の充填密度と屈折率との関係    
2 単層膜の特性     
 2-1 イオンアシスト蒸着(I.A.D.)法にて作成した誘電体膜の特性     
 2-2 反応性イオンプレーティング(R.I.P.)法にて作成した膜の特性     
 2-3 誘電体膜の屈折率と性質及び成膜条件との関係    
3 光学薄膜部品への応用     
 3-1 光学特性(波長シフト)の改善     
 3-2 耐久性の向上     
 3-3 膜応力の積極的な利用  

第3節 有機蒸着膜の再蒸発を防ぐには?    
1 基板表面への化学結合形成    
2 膜の高分子化     
 2-1 共蒸着による膜の安定化     
 2-2 ラジカル重合による膜の安定化    
3 混合蒸着重合による膜の安定化  

第4節は著作権の都合上、掲載しておりません    

第5節 薄膜の機能・耐久性に及ぼす表面・界面の役割とは?    
1 はじめに・・・機能薄膜と産業との係りについて述べる。    
2 薄膜の研究・開発方法・・・研究開発の考え方を述べる。    
3 表面・界面の役割・・・研究開発と表面・界面との係りについて述べる。    
4 事例・・・具体的表面界面制御事例を示す。(GMRセンサ-オ-ミック電極、有機ELディスプレイ)    
5 おわりに・・・表面・界面研究と薄膜開発との今後を展望する。