1章 ポリマーアロイの構造形成メカニズム
1節 ポリマーアロイにおける相分離構造の形成メカニズム
1.リアクティブブレンド
1-1 in situ-formed共重合体の界面活性
1-2 引き抜き
1-3 引き込み
2.スピノーダル分解
2-1 等温相分解
2-2 流動誘起型相溶解・相分解
2-3 反応誘起型スピノーダル分解
2-4 溶媒成膜・凝固とスピノーダル分解
3.動的架橋
2節 ポリマーアロイにおける異種高分子界面の形成過程とそのメカニズム
1.異種高分子間の界面厚み
2.界面層形成過程
3.反応系の界面の形成過程
3節 多成分系高分子の結晶化・液晶化と高次構造形成
1.結晶性成分を含む高分子ブレンド
2.結晶性ブロック共重合体のミクロ相分離と結晶化
2-1 結晶性-ガラス状非晶性ブロック共重合体
2-2 結晶性-ゴム状非晶性ブロック共重合体
3.液晶性ブロック共重合体
3-1 ミクロ相分離構造下からの液晶化
3-2 液晶相によるミクロ相分離構造の配向制御
2章 ポリマーアロイにおける相溶性のコントロール
1節 ポリマーアロイの相溶性と相分離
1.混ざるとは
2.相溶性と相分離の熱力学
3.相分離の動力学
3-1 相分離の初期過程における揺らぎの時間変化
3-2 相分離の中期・後期過程における揺らぎの時間変化
4.ブロック共重合体のミクロ相分離
2節 SP値による高分子材料の相溶性の計算テクニック
1.溶解度パラメーターの定義
2.溶解度パラメーターの求め方
(A)実験による求め方
(B)計算による求め方
3.SP値の計算方法と計算例
4.SP値を扱う上での注意点
3節 相溶化剤による高分子材料の相溶性のコントロール
1.相溶化剤とは
2.分子オーダで相溶するポリマーの組合せ
3.相溶化剤の種類
4.相溶化剤の効果、コントロール
5.市販相溶化剤
6.具体的な相溶化剤の使用例
7.新しい相溶化剤の開発
4節 ポリマーアロイにおける相図の書き方と活かし方
1.Flory-Huggins理論1-6)
1-1 混合の自由エネルギー
1-2 相の安定性と混合自由エネルギー
1-3 自由エネルギー曲線と相図との関係
1-4 Flory-Huggins理論の限界
1-5 状態方程式理論
2.相図の決定方法および特殊な状況下での相図
2-1 相溶性の評価と相図の決定
2-2 流動場下での相図
2-3 重合反応による相図の変化
3章 ポリマーアロイにおける混練条件の最適化
1節 2軸押出機のスクリュ形状制御
1.バッチ式混練機におけるポリマーの混練
2.充填材、フィラーの分散
2-1 充填材、フィラーの傾向
2-2 無機充填材の分散混合
2-3 フィラーの分散に及ぼす粒子径の影響
2-4 粘度差のあるポリマーの混練
3.ポリマーの混練装置
3-1 連続式混練機
3-2 ポリマーの混練メカニズム
3-2-1 ローターによるせん断作用
3-2-2 ポリマーの混練に及ぼすローターの形状、寸法の影響
4.新しいポリマー混練技術
4-1 VCMT(Various Clearance Mixing Technology)の概念
4-2 フィラー充填コンパウンドでの応用
4-3 ローターセグメントとニーデイングデスクの比較
2節 ポリマーアロイにおける加工条件の最適化
1.押出機における混練技術の考え方
1-1 1混練技術
1-2 2分配と分散
2.単軸押出機による流れの効果
2-1 単軸押出機の基本的スクリューデザイン
2-2 スクリュー構成と流れの理論
2-3 二流体の混練に関する基本的な考え方
3.2軸押出機の種類と応用
3-1 同方向噛合波型二軸押出機の概要
4.単軸・2軸押出機を利用した応用事例
4-1 リアクティブプロセッシング
4-2 重合後処理
3節 二軸スクリュ押出機によるポリマーアロイ/ブレンド技術
1.スクリュ押出機を用いたポリマーブレンド技術
2.ポリマーブレンドに用いられる二軸スクリュ押出機
3.二軸スクリュ押出機におけるポリマーアロイの混練
4.オンラインでの微細相構造形成過程の可視化
5.超臨界流体を活用した新しいポリマーブレンド技術
4節 リアクティブプロセッシングによるポリマーアロイの設計
1.第三世代ポリマーアロイとリアクティブプロセッシング
2.リアクティブプロセッシングの特徴
3.リアクティブプロセッシングのプロセス解析
4.リアクティブプロセッシングによるポリマーアロイの設計
4章 ポリマーアロイの構造制御技術
1節 ポリマーアロイのモルフォロジー制御
1.モルフォロジー制御と材料設計
2.ポリマーアロイのモルフォロジー
3.ポリマーの混合における溶解性(相溶性と混和性)
4.非相溶性ポリマーアロイのモルフォロジー
5.相容化剤とモルフォロジー
6.ポリマーアロイのモルフォロジーと物性
2節 分子設計に基づくポリマーブレンドの相構造制御
1.分子間相互作用/分子間反応を利用した相溶性・相構造制御
2.分子間相互作用の位置制御による相構造の制御
3.分子間反応の位置制御による相構造の制御
3節 ポリマーブレンド/アロイのレオロジー挙動と材料設計
1.相溶系・非相溶系ポリマーブレンド
1-1 相溶系ポリマーブレンド
1-2 非相溶系ポリマーブレンド
2.粒子分散系ポリマー
2-1 粒子の分散状態とレオロジー挙動
2-2 グラフト分子鎖の分子設計
3.熱可逆性ゲル(物理ゲル)系ポリマー
3-1 PVC/可塑剤系のレオロジー挙動
3-2 熱可逆性ゲルの構造形成の時間発展
3-3 熱可逆性ゲルの伸長粘度挙動
5章 ポリマーアロイの高機能化
〜どの組み合わせでどんな条件で混ぜたのか〜
1節 耐熱性を上げるには?
1.ポリマーアロイの耐熱性
2.高耐熱化のためのポリマーアロイ設計
2-1 使用環境に対する高耐熱化
2-1-1 非晶性ポリマーのポリマーアロイによる高耐熱化
(1) 完全相溶系非晶性ポリマーアロイ
(2) 相分離系非晶性ポリマーアロイ
2-1-2 結晶性ポリマーのポリマーアロイによる高耐熱化
2-2 成形加工条件に対する高耐熱化
2節 難燃性を上げるには?
1.相溶系アロイの難燃性
2.難燃性に対するモルフォロジーの影響
3.リアクティブプロセッシングによる難燃性制御
4.燃焼場におけるモルフォロジーの変化
5.燃焼過程のモルフォロジー変化
6.フィラー添加による難燃性の向上
3節 光学特性をコントロールするには?
1.透明性
2.屈折率
3.複屈折
3-1 複屈折の発現要因
3-2 非複屈折性ポリマーアロイ
3-3 配向制御と複屈折
3-4 ブロック共重合体の複屈折挙動
3-5 ポリマーナノアロイの複屈折挙動
4.光反射性
5.光沢
6.偏光特性
4節 耐衝撃性を上げるには?
1.ポリオレフィン系のブレンド/アロイ
2.海島構造の形成と耐衝撃性の発現メカニズム
3.多層構造共重合体の破壊機構
4.耐衝撃性を活かした製品事例と各種要求特性
5節 耐衝撃性、金属との密着性を改善するには?
1.ラミネート鋼板とフィルムへの要求特性
2.ポリエステル系アロイの設計と相溶化メカニズムの検証
2-1 機能設計
2-2 相溶化コンセプト
2-3 高次構造解析および設計原理検証結果
2-4 中和金属イオン種のOE分散への影響
3.ポリエステル系アロイのフィルム加工・応用商品例
4.提案相溶化コンセプトの普遍性を活用した他の応用例
4-1 PET/OE/アイオノマーアロイの組成変更
4-2 相溶化剤の化学構造アナロジーの応用例
4-3 ポリアミド/OE/アイオノマーアロイ
6節 破壊に強くするには?
1.アロイ化による破壊特性向上のメカニズム
2.ゴム変性PMMAの破壊特性と破壊メカニズム
3.MBSの破壊特性と破壊メカニズム
4.PLA/PCLの破壊特性と破壊メカニズム
7節 耐候性を上げるには?
1.PC樹脂の耐候性向上
2.PC系ポリマーアロイの耐候性向上
3.塗装による耐候性向上
8節 溶融粘弾性を制御するには?
1.臨界点近傍ゲル混合法
2.ナノファイバー混合法
3.ポリエチレンブレンドが示す特異的なレオロジー特性
9節 粘着物性を制御するには?
1.PBDを用いたゴム系粘着剤
1-1 PBD/テルペン樹脂完全相容系粘着剤
1-2 UCST型相図を示すPBD/水添テルペン系粘着剤
1-3 LCST型相図を示すPBD/ロジン系粘着剤
1-4 PBD/ピネン樹脂系粘着剤
2.アクリル系ブレンド粘着剤における粘着物性と相容性
3.SIS系粘着剤の相挙動と粘着物性
4.ポリマーブレンドによるアクリル系粘着剤の耐熱性の向上
6章 ナノポリマーアロイの技術動向
1節 ナノ分散構造形成のメカニズム
1.ブロック共重合体やグラフト共重合体のミクロ相分離1)
2.ポリマーブレンドのスピノーダル分解
3.相容化剤・リアクティブプロセッシング
4.網目構造
5.結晶性成分を含むアロイ
2節 ポリマーアロイ界面のナノ構造解析と材料物性
1.異種高分子間の界面厚み
2.分光学的手法
2.1 中性子反射率法
2.2 エリプソメトリー
3.形態学的手法
3.1 透過型電子顕微鏡(TEM)
3.2 エネルギーフィルター搭載TEM(EF-TEM)と界面の濃度プロフィール
3.3 3D TEM (TEMトモグラフィー)
3.4 原子間力顕微鏡(AFM)
4.界面の構造と接着性
3節 ナノ分散構造制御の技術動向
1.ミクロ/ナノ分散構造制御とトップダウン/ボトムアップ戦略
2.トップダウン戦略によるナノ分散構造制御
3.ボトムアップ戦略によるナノ分散構造制御
4.今後のナノ分散構造制御と「第四世代ポリマーアロイ」
7章 ナノポリマーアロイにおける構造制御技術と物性の向上
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2節 高せん断成形加工法によるナノレベルの混練・分散技術と構造制御
1.高せん断成形加工法の開発とそれを用いた
非相溶性ポリマーブレンドのナノ混合化ならびにフィラーの樹脂へのナノ分散化
1-1 高せん断成形加工法の概要
1-2 高せん断成形加工法による非相溶性ポリマーブレンドのナノ混合化・相溶化
1-3 透明ブレンド(PC/PMMA)の創製
1-4 高せん断成形加工法による各種フィラーの樹脂へのナノ分散化
2.フィラーをナノ分散化した二元系(ポリマー/フィラー)ナノコンポジットの創製
2-1 熱可塑性エラストマー/CNT系ナノコンポジット
2-2 熱可塑性樹脂/CNT系ナノコンポジット
2-3 生分解性樹脂/TiO2系ナノコンポジット
3節 ナノポリマーアロイにおける
相容化(Compatabilization)のメカニズムと相容化剤の選定
1.ポリマーブレンドの相容化(compatibilization)について
1-1 相溶(miscible)と非相溶(immiscible)ブレンドについて
1-2 相互作用パラメータχABの大小による相容性1).
1-3 Taylorの式及びWuの実験式
1-4 相容化剤による界面張力の制御
2.相溶化及び相容化剤
2-1 相容化剤のタイプ
2-2 相容化剤の非反応型及び反応型による分類
2-3 市販相容剤
4節 三元系(高分子ブレンド/フィラー)ナノコンポジットにおける階層構造制御
1.三元系ナノコンポジットにおける共連続構造制御の意義
2.生分解性ポリマーブレンド/クレイ系ナノコンポジットにおける共連続構造制御
3.ダブルパーコレーション構造の構築
4.その他の三元系ナノコンポジット
8章 ポリマーアロイにおける評価・解析技術
1節 ポリマーアロイのレオロジー評価
1.動的粘弾性
2.動的粘弾性のどこがポイント
3.ポリマーアロイの貯蔵弾性率の温度依存性
2節 ポリマーブレンドの分散状態が及ぼす力学特性への影響
1.PK/PAポリマーアロイ試料および試験片
2.PK/PAポリマーアロイの構造と機械特性
2-1 PK/PAポリマーアロイのモルフォロジー
2-2 PK/PAアロイ中のPKとPAとの相互作用
2-3 乾燥?吸湿PK/PAポリマーアロイの高次構造とダイナミックス
2-4 乾燥,吸湿PK/PAポリマーアロイの衝撃特性と引張特性
3節 ポリマーアロイの相転移ダイナミックス
1.二成分ホモポリマーブレンドの相図
2.スピノーダル分解の相分離機構
(1)スピノーダル分解初期過程
(2)スピノーダル分解中期・後期過程
3.ポリマーアロイの相転移のダイナミックスにおける粘弾性効果
4.粘弾性相分離
(1)スピノーダル分解初期過程
(2)スピノーダル分解中期・後期過程における粘弾性効果
5.剪断流動下における流動誘起相分離
4節 3ポリマーアロイ界面の構造解析
1.界面の厚み測定
2.プローブ法による界面の動的挙動
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