第1節 腹膜癒着抑制架橋ハイドロゲルの開発
1. ヒアルロン酸を素材とした癒着防止用ハイドロゲル
2. IntergelR
3. ACP TM (Autocrosslinked Hyaluronan Gel)
4. CarbylanTM-SX (ジスルフィド形成反応/マイケル付加反応を用いたin situ架橋ヒアルロン酸ゲル)
5. HAX(シッフ塩基形成反応を用いたin situ架橋ヒアルロン酸ゲル)
6. 酵素架橋・イオン架橋in situ架橋ヒアルロン酸ゲル
7. まとめ
第2節 医療応用を目的とした癒着防止ナノ絆創膏の可能性
1. ナノ絆創膏の作製
2. ナノ絆創膏の強い接着性と癒着防止効果の発現メカニズム
3. ナノ絆創膏の被覆閉鎖治療時に見つかった癒着防止効果
4. ナノ絆創膏によるヘルニアメッシュ固定と腹腔内癒着防止効果
5. 腸管癒着防止ナノ絆創膏の開発
第3節 ヒアルロン酸とコラーゲンを基材とした組織癒着防止材の開発
1. 創傷治癒の機序
1.1 一次治癒と二次治癒
1.2 創傷治癒の各過程
1.2.1 血液凝固
1.2.2 炎症過程
1.2.3 増殖過程
1.2.4 表皮化
2. 組織癒着発生の機序
3. 組織癒着防止材の従来の材料設計
3.1 組織癒着に伴う合併症
3.2 既存の組織癒着防止材
4. 組織癒着防止材の新規の材料設計
4.1 ヒアルロン酸の特性
4.2 コラーゲンの特性
4.3 上皮成長因子(EGF)の特性
4.4 新規の材料設計
5. ヒアルロン酸とコラーゲンを基材とした組織癒着防止材
5.1 組織癒着防止材の作製方法
5.2 培養真皮を用いた組織間モデル培養実験
5.3 SDラット腹膜損傷部位における癒着防止効果の検討
第4節 多糖複合フィルムの癒着防止材としての可能性
1. バイオマテリアルとしてのフィルム材料
2. 多糖複合フィルムの作製と基礎物性
2.1 フィルムの作製
2.2 フィルムの構造および材料特性
3. 多糖複合フィルムの生体材料としての機能と癒着防止材への応用可能性
3.1 フィルムの物質担持,徐放能
3.2 フィルムの物質透過能
3.3 フィルムの細胞足場材料としての機能
3.4 フィルムの生分解性
3.5 フィルムの癒着防止材としての可能性
第5節 臓器表面体液と接触しゲル化するヒアルロン酸誘導体溶液の術後癒着防止材としての評価
1. ヒアルロン酸
2. ゲル化の機構
3. ゲル形成速度,生分解性とゲル強度
4. 癒着阻止機能
第6節 ケモカインと腹腔マクロファージをターゲットとした腹膜癒着の予防
1. 腹膜癒着の機構
2. 腹腔マクロファージトラフィックとその活性化
3. 中皮細胞と腹腔マクロファージの相互作用
4. 腹腔マクロファージ特異的なケモカインシグナルは,サイトカイン産生も増幅する
5. CCR8阻害剤とその効果
6. ヒトにおける術中サイトカイン及びケモカイン産生について
第7節 ポリ乳酸系ポリマーを素材にした取り扱い性に優れた癒着防止材の開発
1. 膜状抗癒着材に必要な条件
2. 現行販売品
3. 新しい抗癒着材の開発
3.1 腹腔内での取り扱い性
3.2 プルランによる膜性の抗癒着材
3.3 ポリ乳酸系ポリマーの使用
4. ポリ乳酸系ポリマーコーテイングプルラン膜
4.1 nDM14R
4.2 抗癒着シート材の取り扱い性
4.3 耐水性の検討
4.4 密着性の検討
4.5 貼り直し可能回数
5. 抗癒着効果の実験
5.1 盲腸癒着モデル
5.2 他の癒着モデル
6. 臨床応用への期待と課題
第8節 ナノコンポジット型ヒドロゲルの特性と医療材料としての可能性
1.ナノコンポジットゲルの合成と形状自由性
2.ナノコンポジットゲルの力学物性、構造および機能性
2.1 力学物性
2.2 ネットワーク構造
2.3 機能性
3.ナノコンポジットゲルの生体適合性および医療材料としての可能性
3.1 細胞培養/剥離性
3.2 生体適合性(安全性)
3.3 医療用途可能性(創傷被覆材、癒着防止材、他)
第9節 「癒着防止効果」と「止血機能」を有する生体接着性ゲルの開発
1. 新しい組織接着材料のニーズ
2. 組織接着性癒着防止材,止血材材料に求められる性質
3. 合成高分子からなる組織接着材料 −PAA/PVP 水素結合ゲル−
3.1 粘膜接着性高分子PAAを用いた組織接着性の高分子ゲル材料
3.2 水に膨潤するPAA/PVP水素結合ゲルの開発
3.3 膨潤性PAA/PVP水素結合ゲルの組織接着性
3.4 膨潤性PAA/PVP 水素結合ゲルの生体内での溶解性
3.5 膨潤性PAA/PVP 水素結合ゲルの癒着防止機能
3.6 膨潤性PAA/PVP 水素結合ゲルの止血機能
4. 膨潤性PAA/PVP 水素結合ゲルの臨床応用 −局所止血材としての利用−
4.1 人工透析後の処置
4.2 抜歯後の止血
4.3 痛みの緩和と治癒の促進
第10節 フィルムを活用した癒着防止剤の開発
1. 術後の癒着
2. 生体の止血反応
3. 癒着のメカニズム
3.1 組織間癒着のメカニズム
3.2 高分子素材との癒着メカニズム
4. 癒着を抑えるための手段
1. 生体適合性高分子の概要
2. 生分解性高分子
2.1 生分解性天然高分子
2.2 合成生分解高分子
3. 癒着防止材に求められる膜としての役割
3.1 細胞の接着・浸潤と膜の性質
3.2 生体内分解吸収性高分子材料の創製
第11節 セプラフィルム開発秘話 〜 今だから明かされる開発・成長の経緯
1. 開発の経緯において最も重要なこと
2. Genzyme社の成長戦略
3. Genzyme Biosurgeryの誕生
4. 臨床試験の現実性と優先市場の決定
5. 安全性の肝は吸収速度
6. 癒着モデル系の構築と有用性の確立
7. 婦人科手術をターゲットにした臨床試験
8. 腹部手術をターゲットにした臨床試験
9. 承認審査〜米国では優先指定品目に選定
10. 日本におけるセプラフィルムの承認申請
11. セプラフィルムの保険償還 〜 特定保険医療材料へ
12. 望ましい癒着防止材の形状とは?
第12節 LYDEX開発の経緯および調製・配合と応用展望
1. Lydex開発経緯
第13節 グルコン酸修飾キトサン/ポリビニルアルコールクライオゲルの作製および創傷治療への応用
1. キトサン/PVA混合クライオゲル
2. キトサンクライオゲルの高温・高圧滅菌処理
第14節 生体機能材料としての羊膜と被覆材への応用展望
1. 羊膜の臨床利用の歴史
2. 羊膜の構造と由来
第15節 濡れても剥がれにくい皮膚接合用テープの開発
1. 皮膚縫合の方法
2. 皮膚接合用テープに求められる機能
3. ファスナートTMの構成及び機能
3.1 ファスナートTMの構成について
3.2 創閉鎖に必要な強度の実現
3.3 高い付着性の実現
3.4 貼り心地の良さを実現
3.5 使いやすさの追求
第16節 歯質(象牙質)接着における樹脂含浸層の役割と歯科用接着材の発展
1. 歯質への接着メカニズム
2. 樹脂含浸層
3. 歯科用接着材
3.1 ウェットボンディング接着システム
3.2 セルフエッチング接着システム
4. 接着性モノマーの発展
5. セルフエッチング接着システムの発展
第17節 接着に関わるハイドロゲル材料の性質について
1. ゲルとは何か?
1.1 高分子と分子鎖間架橋の種類
1.2 分子鎖間の架橋に働く力
1.3 ゲルのマクロな物性
2. 医療用接着剤などに必要な材料の性質
2.1 材料の種類と架橋反応の種類
2.2 用途の種類とその要件
3. 接着の原理
3.1 接着と剥離
3.2 材料の弾性と粘性
4. 濡れ易さと接着
4.1 表面張力と表面自由エネルギー
4.2 接着の強さを決める因子
5. 生物に学ぶ接着や固定の原理など
5.1 マクロなスケールでの接着・固定の仕組み
5.2 ミクロなスケールでの接着・固定の仕組み
第18節 優れた物性を有したシーラント材の開発とその評価
1. 模擬裂溝の作製
2. 試作シーラント材
3. 模擬裂溝への侵入深さ
3.1 方法
3.2 結果
4. 粘度の測定
4.1 方法
4.2 結果
5.1 方法
5.2 結果
6. エナメル質に対する接着強さの測定
6.1 方法
6.2 結果
第19節 医療材料として使用する際のコラーゲン/ゼラチンのメリットとリスク管理
1. コラーゲン/ゼラチン
2. メリット
2.1 生体親和性および生体吸収性
2.2 細胞接着性
2.3 化学修飾
2.4 加工性
3. リスク管理
3.1 安全性
3.1.1 免疫原性・アレルギー
3.1.2 エンドトキシン
3.1.3 ウイルス
3.1.4 菌・マイコプラズマ
3.1.5 原料とその管理
3.2 品質安定性
4. レギュレーション
4.1 3局対応(USP/EP/JP)
第20節 ポリロタキサン表面の動的特性を活かした細胞機能の調節
1. ポリロタキサン骨格を有する動的表面の構築と水和分子可動性
2. ポリロタキサン表面上におけるタンパク質吸着
3. ポリロタキサン表面上における幹細胞の接着と分化
3.1 材料の表面特性による幹細胞の機能調節
3.2 動的ポリロタキサン表面における細胞接着挙動解析
3.3 動的ポリロタキサン表面における細胞分化特性 |