晶析 多形 書籍
 
No.1961
in silico創薬におけるスクリーニングの高速化・高精度化技術
ペプチド医薬品のスクリーニング・安定化・製剤化技術

多形現象と制御技術

 〜晶析と多形の基礎から多形制御の実際まで〜


発刊:2018年4月  体 裁:B5判 354頁  定 価:30,000円(税抜)

発行:(株)エヌ・ティー・エス  販売:(株)技術情報協会  ISBN:978-4-86043-517-2 C3043

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多形現象の理解とその制御技術は、機能素材開発における戦略上の鍵!

多形結晶(polymorph)とは、同一化合物でありながら、結晶中の分子配列が異なるものを指す。
化合物の無機・有機を問わず、すでに多くの多形が知られているが、近年の医薬分野などにおけるさまざまな分析法の進歩とともに、ますます多くの報告がなされている。
本書は、「多形現象」の本質を明らかにするため長年系統的な研究を重ね、国際論文誌を中心に報告を行ってきた筆者による、研究成果の集大成と呼べる1冊である。  


■ 執筆者
北村 光孝 北村多形制御研究所(元兵庫県立大学大学院工学研究科 教授 / 元オランダ デルフト工科大学 客員教授)
専門は加工技術、品質・特許管理、生産管理、機能性成分開発、HACCP審査員。
著者略歴  1968年 九州工業大学工学部卒業  
1970年 京都大学大学院工学研究科修士課程修了
1978年 民間企業を経て広島大学工学部助手、助教授
2002年 オランダ・デルフト工科大学プロセス研究所客員教授
2005年 兵庫県立大学大学院工学研究科教授
2011年 松山市にて北村多形制御研究所開設
      現在に至る。
工学博士(1978年、京都大学)

■ 目  次

はじめに

基礎編

第1章 晶析の基礎
1.1 固液平衡(共晶系と固溶体系)
1.2 溶解度と粒径の関係
1.3 晶析法(過飽和生成法)
1.4 結晶の析出過程
 1.4.1 核発生のメカニズム
 1.4.2 結晶成長のメカニズム
 1.4.3 結晶のモルフォロジー  
 1.4.4 成長速度の粒径依存性とGrowth rate dispersion
1.5 実際の撹拌槽中での結晶の核発生と成長過程(硫酸アンモニウム)
 1.5.1 2次核の発生と成長挙動
 1.5.2 2次核の成長速度
1.5.3 成長速度の粒径依存性と原因

第2章 晶析における添加物効果の基礎と実際
2.1 添加物(不純物)効果の基礎
2.2 結晶の析出過程における添加物効果の実際
 2.2.1 結晶中への類似化合物の混入挙動と原因(OCBA-BA-トルエン3 成分系)  
 2.2.2 固溶体系での析出速度と結晶組成の関係(K-alum+NH4-alum系など)
 2.2.3 イオンの吸着による成長阻害(硫酸アンモニウム-Cr3+イオン系)

第3章 結晶多形現象の基礎
3.1 多形の分析と溶解度の測定方法
3.2 多形の熱力学と溶解度
3.3 多形の析出過程
 3.3.1 多形の核発生
 3.3.2 多形の成長過程  
 3.3.3 転移過程
3.4 溶媒和物と包接結晶多形の熱力学的安定性と転移
3.5 固相転移速度の検討


応用編

第4章 多形制御因子とメカニズム
4.1. 多形制御因子の種類
4.2. 晶析法と多形制御因子  
4.3 多形析出における制御因子の役割とメカニズム
4.4 多形制御因子の分離(例:冷却晶析における温度と過飽和度)

第5章 アミノ酸の多形現象と多形制御
5.1 L-グルタミン酸の多形現象と多形制御
 5.1.1 多形の溶解度と析出メカニズム
 5.1.2 多形単一結晶の成長メカニズムとモルフォロジー変化  
 5.1.3 結晶成長表面のAFM観察
5.2 L-ヒスチジンの多形現象と制御因子
 5.2.1 多形の析出と転移挙動
 5.2.2 転移過程の速度解析

第6章 多形現象における添加物効果
6.1 L-グルタミン酸(L-Glu)多形の回分晶析における添加物効果
6.2 L-グルタミン酸多形の結晶成長における添加物効果のメカニズム
 6.2.1 a形結晶成長速度へのL-Pheの影響
 6.2.2 b形結晶成長速度へのL-Pheの影響  
 6.2.3 添加物効果のメカニズムと速度解析
6.3 種々のアミノ酸添加物によるL-グルタミン酸a形成長阻害と混入メカニズム
 6.3.1 アミノ酸添加物のアルキル置換基の大きさの影響(第1系列)
 6.3.2 アミノ酸添加物の環状置換基の大きさの影響(第2系列)

第7章 反応晶析における多形現象と制御因子
7.1 CaCl2+NaCO3系における炭酸カルシウム結晶多形の析出
 7.1.1 純粋系からの析出挙動
 7.1.2 マグネシウムイオンの添加物効果と結晶中への混入メカニズム
 7.1.3 多形の析出における温度効果  
7.2 Ca(OH)2-Na2CO3系での多形現象と制御
 7.2.1 反応晶析の実験装置および方法
 7.2.2 均一系での多形の析出挙動
 7.2.3 不均一系での多形の析出挙動
 7.2.4 Ca(OH)2-Na2CO3系での温度効果とメカニズム

第8章 貧溶媒晶析における多形現象と制御因子
8.1 BPT多形の溶解度、転移挙動に及ぼす溶媒組成ならびに温度の影響
8.2 貧溶媒晶析における多形の析出メカニズムと制御因子  
8.3 BPT多形の貧溶媒晶析における温度効果

第9章 分子構造(置換基)と結晶構造ならびに多形現象の相関
9.1 アミノ酸の分子構造と多形現象の相関
9.2 BPTエステル(BPT-est(CN))の結晶構造と多形現象に及ぼすアルキル基サイズの影響
 9.2.1 BPT-est(CN)の合成と実験方法
 9.2.2 Pr-est(CN)多形のモルフォロジーと析出挙動
 9.2.3 Pr-est(CN)多形の結晶構造
 9.2.4 Me-est(CN)の析出挙動ならびに結晶構造
 9.2.5 i-But-est(CN)多形の析出挙動ならびに結晶構造
 9.2.6 アルキル基サイズ−結晶構造−多形現象の相関  
9.3 水素置換体(BPT-est(H))の結晶構造と多形現象
 9.3.1 BPT-est(H)の合成と実験方法
 9.3.2 Me-est(H)の晶析挙動と結晶構造
 9.3.3 Pr-est(H)の晶析挙動と結晶構造
 9.3.4 i-But-est(H) の晶析挙動と結晶構造
9.4 CN基とアルキル基サイズが結晶構造と多形現象に及ぼす要因
9.5 BPTの多形現象におけるCOOH基の効果

第10章 多形現象における溶媒効果ならびに分子構造との相関
10.1 L-ヒスチジン(L-His)多形の析出挙動における溶媒効果とメカニズム
 10.1.1 多形の析出および転移挙動における溶媒組成の影響
 10.1.2 多形析出挙動と成長速度の相関
 10.1.3 多形析出における溶媒効果のメカニズム
10.2 BPT多形の析出における溶媒効果とメカニズム(冷却晶析)
 10.2.1 各純溶媒からの析出における溶媒効果
 10.2.2 混合溶媒からの析出における溶媒組成の影響
 10.2.3 析出挙動に及ぼす溶媒効果のメカニズム
10.3 BPTエステル多形の析出挙動への溶媒効果と分子構造との相関  
 10.3.1 アルキル基サイズの異なるBPTエステル多形の各種溶媒中での析出挙動
 10.3.2 各種溶媒中におけるアルキル基サイズとモルフォロジーの関係
 10.3.3 アルキル基サイズと多形現象の相関ならびに溶媒効果のメカニズム
 10.3.4 各種溶媒中でのBPTとBPTエステルの多形現象比較(COOH基の存在と溶媒効果)
 10.3.5 CN基の存在と溶媒効果の関係
10.4 BPTエステルの転移ならびに成長速度解析と溶媒効果メカニズム
 10.4.1 転移速度に及ぼす溶媒効果の測定
 10.4.2 安定形の成長速度解析と溶媒効果のメカニズム

第11章 包接結晶の多形現象と制御因子
11.1 Ni錯体ホスト包接結晶の多形現象
 11.1.1 キシレン異性体の分子認識と包接結晶多形現象
 11.1.2 1-、2-メチルナフタレン異性体の分子認識と包接結晶多形現象
11.2 ジオール系ホスト(DHC)包接結晶の分子認識と多形現象
 11.2.1 d-リモネン包接結晶の析出挙動と徐放化  
 11.2.2 2-アセチルナフタレンの包接化における溶媒効果
11.3 TEPホスト包接結晶の多形現象と殺菌剤の徐放化
 11.3.1 転移による殺菌剤徐放化メカニズム
 11.3.2 包接結晶溶解における濃度変化の動的メカニズムならびに温度効果
 11.3.3 包接結晶多形の析出挙動と溶液組成の関係

第12章 多形制御における種晶効果および界面、超音波の影響
12.1 L-グルタミン酸多形の析出における界面の影響
12.2 L-ヒスチジン(L-His)多形の種晶効果と2次核発生メカニズム
12.3 貧溶媒晶析での種晶効果と2次核発生メカニズム
 12.3.1 313Kでの種晶効果と制御因子の影響
 12.3.2 333Kにおける種晶効果と転移速度  
 12.3.3 多形の種晶効果と2次核発生のメカニズム
12.4 貧溶媒晶析での多形の析出における超音波の効果
12.5 Ni錯体包接結晶多形の種晶効果と2次核発生メカニズム
 12.5.1 1-および2-メチルナフタレン系における種晶効果
 12.5.2 異性体混合系からの異性体分離に及ぼす種晶効果

第13章 超臨界流体を用いる晶析による粒径ならびに多形制御
13.1 超臨界流体晶析装置および実験方法
13.2 GAS法における加圧法と析出結晶の粒径
 13.2.1 段階的加圧法
 13.2.2 急速加圧法
 13.2.3 2段圧力変化法
13.3 GAS法における多形の析出挙動  
13.4 PCA法における操作因子と粒径変化
 13.4.1 実験装置と方法
 13.4.2 エタノール溶液供給後のセル内の相挙動
 13.4.3 ノズル径や溶液流量による影響
 13.4.4 結晶粒径変化のメカニズム


おわりに

文献

索引

 

※本書に記載されている会社名,製品名,サービス名は各社の登録商標または商標です。なお,本書に記載されている製品名,サービス名等には,必ずしも商標表示(R,TM)を付記していません。  
 

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