ポリマー 高分子 書籍
 
No.2069
高分子材料のトライボロジー制御
ラジカル重合を中心としたポリマー・微粒子・コーティング材の合成,応用,トラブル対策

ポリマー強靱化技術最前線

〜破壊機構、分子結合制御、しなやかタフポリマーの開発〜

発刊 : 2020年5月  体 裁 : B5判 318頁   定 価:45,000円(税抜)

発行:(株)エヌ・ティー・エス  販売:(株)技術情報協会  ISBN:978-4-86043-668-1 C3058

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・従来にない強さと薄さ、しなやかさを兼ね備えた次世代  高分子材料開発の最前線を追う!

・薄くすれば破れやすい、厚く硬くすれば割れやすいという  高分子材料の弱点を解決する最新研究を俯瞰!

・社会的ニーズが大きい従来の限界を超える薄膜化と強靱化を  同時に達成するための技術が満載

■ 執筆者(敬称略) 

【監修者】   
伊藤 耕三 東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
高原 淳 九州大学先導物質化学研究所 教授
原田 明 大阪大学産業科学研究所 特任教授
   
【執筆者】(執筆順) 
伊藤 耕三 東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
藤本 和士 名古屋大学大学院工学研究科 助教
湯  之也 東京大学大学院新領域創成科学研究科 特任助教
岡崎 進 東京大学大学院新領域創成科学研究科 特任教授/名古屋大学名誉教授
奥村 剛 お茶の水女子大学理学部 教授
梅野 宜崇 東京大学生産技術研究所 准教授
久保 淳 東京大学生産技術研究所 助教
高原 淳 九州大学先導物質化学研究所 教授
小椎尾 謙 九州大学先導物質化学研究所 准教授
梁  暁斌 東京工業大学物質理工学院応用化学系 助教
伊藤 万喜子 東京工業大学物質理工学院応用化学系 研究員
中嶋 健 東京工業大学物質理工学院応用化学系 教授
浦山 健治 京都工芸繊維大学材料化学系 教授
川口 大輔 九州大学大学院工学研究院 准教授
杉本 晋 九州大学大学院統合新領域学府
田中 敬二 九州大学大学院工学研究院 教授
樹神 弘也 三菱ケミカル株式会社Science & Innovation Center  所長
星野 大樹 国立研究開発法人理化学研究所放射光科学研究センター 研究員
高田 昌樹 東北大学多元物質科学研究所 教授
陣内 浩司 東北大学多元物質科学研究所 教授
河井 貴彦 群馬大学大学院理工学府 助教
黒田 真一 群馬大学大学院理工学府 教授
原田 明 大阪大学産業科学研究所 特任教授
西浦 正芳 国立研究開発法人理化学研究所開拓研究本部 専任研究員
侯  召民 国立研究開発法人理化学研究所開拓研究本部 主任研究員
大塚 英幸 東京工業大学物質理工学院応用化学系 教授
中島 祐 北海道大学大学院先端生命科学研究院 准教授
深尾 一城 北海道大学大学院生命科学院
  剣萍 北海道大学大学院先端生命科学研究院 教授
竹岡 敬和 名古屋大学大学院工学研究科 准教授
西辻 祥太郎 山形大学大学院有機材料システム研究科 助教
石神 明 山形大学大学院有機材料システム研究科 助教
伊藤 浩志 山形大学大学院有機材料システム研究科 教授
林  祐樹 株式会社ASM技術開発部 部長
立松 伸 AGC株式会社技術本部先端基盤研究所 ケミカルプロセス部長
石塚 紀生 株式会社エマオス京都 代表取締役
小林 定之 東レ株式会社化成品研究所 研究主幹
角田 克彦 株式会社ブリヂストン化工品基盤・先行技術開発本部 上席主幹研究員
山ア 和広 住友化学株式会社石油化学品研究所研究グループ(高分子) 主席研究員/チームリーダー
笠原 達也 住友化学株式会社石油化学品研究所研究グループ(高分子) グループマネージャー
内貴 昌弘 宇部興産株式会社化学カンパニーSRMプロジェクト プロジェクトリーダー
小平 晃久 宇部興産株式会社医薬事業部CMC開発部 主席部員
野田 和弥 旭化成株式会社ポリマー技術開発総部 総部長
溝元 均 旭化成株式会社ポリマー基盤技術開発部 主幹研究員
鈴木 純 旭化成株式会社ポリマー基盤技術開発部 主査
山中 淳彦 名古屋大学大学院工学研究科 教授/ ナショナルコンポジットセンター 副センター長
竹林 康仁 東レ・カーボンマジック株式会社開発部 プロジェクトマネージャー
平尾 雅彦 東京大学大学院工学系研究科 教授
天沢 逸里 東京大学大学院工学系研究科 助教

 

■ 目  次

第1編 ポリマー破壊機構の分子メカニズム

第2編 分子結合制御の新手法開発

第3編 次世代ポリマーへの応用展開


序論 《伊藤 耕三》

  1. はじめに
  2. ImPACTプログラムとは
  3. 伊藤プログラムの概要
  4. 新しい産学連携スキーム
  5. 主要材料開発プロジェクトの成果
  6. 破壊の機構解明
  7. コンセプトカー「I toP」
  8. おわりに


◇第1編 ポリマー破壊機構の分子メカニズム◇

第1章 破壊機構の解明

第1節 延性と脆性の分子論的起源?全原子分子動力学計算からのアプローチ  《藤本 和士/ 湯 之也/ 岡崎 進》
  1. はじめに
  2. 衝撃破壊のMD計算
  3. ミクロなSS曲線
  4. 化学結合の切断
  5. 延伸に伴う構造変化
  6. 延性,脆性の決定因子
  7. おわりに

第2節 粘弾性物質シートにおける亀裂進展現象の物理的解明と その産業応用へのポテンシャル 《奥村 剛》
  1. 序 論
  2. ゴム状物質の粘弾性応答
  3. 亀裂進展現象と速度ジャンプ
  4. 速度ジャンプの線形粘弾性理論
  5. 非ゴム系材料における速度ジャンプ現象と「動的テスト」
  6. シンプルモデルによる数値計算(シミュレーション)研究
  7. 結 論

第3節 き裂進展における速度ジャンプのFEM解析 《梅野 宜崇/ 久保 淳》
  1. はじめに
  2. ゴムき裂モード転移のFEM解析
  3. ステップ荷重モデルによる検討
  4. おわりに

 

第2章 物性解析

第1節 時空間階層構造を考慮したタフポリマーの力学物性解析 《高原 淳/ 小椎尾 謙》
  1. はじめに
  2. コロイド結晶エラストマーの変形過程での構造変化
  3. ポリウレタンエラストマーのき裂先端での分子鎖凝集構造解析
  4. バルジ試験によるガラス状高分子の分子鎖凝集構造変化と力学物性
  5. 動的X線回折による結晶性高分子の局所物性評価
  6. 透明樹脂材料のスクラッチ試験下における分子鎖凝集構造変化
  7. おわりに

第2節 ナノ触診原子間力顕微鏡によるタフポリマーの局所力学物性計測技術  《梁 暁斌/ 伊藤 万喜子/ 中嶋 健》
  1. はじめに
  2. ナノ触診AFM技術
  3. 両性高分子電解質ゲルへの応用
  4. ポリカーボネートへの応用
  5. おわりに

第3節 エラストマーの非線形粘弾性とき裂進展挙動の解析 《浦山 健治》
  1. はじめに
  2. 多軸変形からみたフィラー充填エラストマー・高強度DNゲルのマリンス効果
  3. エラストマーのき裂進展挙動
  4. おわりに

第4節 フィラー界面における分子鎖の凝集状態・熱運動性とバルク物性への効果  《川口 大輔/ 杉本 晋/ 田中 敬二》
  1. はじめに
  2. 界面分子鎖の凝集状態と熱運動特性
  3. バルク粘弾特性
  4. おわりに

第5節 非晶樹脂の物理劣化機構の解析 《樹神 弘也》
  1. はじめに
  2. 非晶樹脂の物理劣化に関する課題
  3. 熱アニールによるPCのエンタルピー緩和の分子量依存性
  4. 熱アニールによるPCの引張特性変化の分子量依存性
  5. 熱アニールによるDBTに関する考察と議論

 

第3章 構造解析

第1節 放射光X線を用いた時空間構造解析 《星野 大樹/ 高田 昌樹》
  1. はじめに
  2. タフポリマー構造解析のための放射光X線散乱実験ステーション
  3. 燃料電池電解質膜の構造解析
  4. 逆モンテカルロ法による粒子分散状態の解析
  5. X線光子相関分光法によるダイナミクス解析

第2節 電子顕微鏡によるナノコンポジット材料のその場延伸観察 《陣内 浩司》
  1. はじめに
  2. 延伸トモグラフィホルダーの開発
  3. コンポジット材料のその場延伸観察
  4. コンポジット材料におけるき裂進展の直接観察

第3節 放射光X線を用いたセパレータ薄膜構造解析 《河井 貴彦/ 黒田 真一》
  1. はじめに
  2. 放射光X線小角散乱を用いた空孔構造解析
  3. セパレータ膜成膜プロセスにおけるナノ空孔の形成と成長
  4. セパレータ膜の変形破壊挙動
  5. おわりに

 

◇第2編 分子結合制御の新手法開発 ◇

第1章 自己修復材料設計

第1節 超分子形成によるポリマー材料のタフ化と自己修復 《原田 明》
  1. はじめに
  2. 高分子認識
  3. シクロデキストリンを用いた試み
  4. おわりに

第2節 新規希土類触媒を用いたオレフィン系自己修復材料の開発  《西浦 正芳/ 侯 召民》
  1. はじめに
  2. 新規機能性ポリマーの合成と自己修復および形状記憶特性
  3. 自己修復のメカニズム
  4. おわりに

第3節 動的共有結合化学に基づく自己修復材料の開発 《大塚 英幸》
  1. はじめに
  2. 自己修復性ポリマー材料の動作機構
  3. 動的共有結合化学
  4. 室温で駆動する動的共有結合を利用した自己修復性ポリマー
  5. 加熱により駆動する動的共有結合を利用した修復性ポリマー
  6. おわりに

 

第2章 強靱化と材料創製

第1節 高靱性ゲルの創製と破壊機構の解明 《中島 祐/ 深尾 一城/  剣萍》
  1. 犠牲結合原理による高靱性ゲルの創製
  2. ダブルネットワークゲル(DNゲル)とその強靱化メカニズム
  3. DNゲル合成手法の拡張・一般化
  4. DNエラストマー
  5. PA・PICゲルの高靱性と自己修復性
  6. 繊維強化ゲル
  7. まとめ

第2節 ポリロタキサンを架橋剤に利用したエラストマーの強靱化 《竹岡 敬和》
  1. はじめに
  2. ポリロタキサン架橋剤,およびエラストマーの合成
  3. ポリロタキサン架橋剤を用いたエラストマーの力学物性

第3節 タフポリマーを実現する成形加工による高次構造制御および破壊挙動解析  《西辻 祥太郎/ 石神 明/ 伊藤 浩志》
  1. はじめに
  2. 高L/D二軸混練押出機および八軸混練押出機
  3. 高せん断加工機
  4. 破壊挙動解析
  5. おわりに

第4節 環動高分子を用いたタフポリマーの創製 《伊藤 耕三》
  1. はじめに
  2. ポリ乳酸の強靱化
  3. 環動ゲルの破壊エネルギー
  4. ポリロタキサンを用いたシリカエアロゲルの強靱化
  5. ポリロタキサンガラスの力学特性
  6. おわりに

第5節 環動ポリマーの応用展開 《林 祐樹》
  1. はじめに
  2. 環動ポリマーの製品化
  3. 樹脂の改質剤としての応用
  4. おわりに

 

◇第3編 次世代ポリマーへの応用展開 ◇

第1章 電池用高分子材料の強靱化薄膜技術

第1節 燃料電池用電解質膜の薄膜化と強靱化 《立松 伸》
  1. はじめに
  2. 新電解質膜材料開発
  3. おわりに

第2節 「ポリマーモノリス」を用いたLi電池セパレータ 《石塚 紀生》
  1. モノリスとは
  2. エポキシ系ポリマーモノリスの合成
  3. モノリスの用途
  4. リチウムイオン電池用モノリスセパレータの開発
  5. エポキシモノリスとセルロースナノファイバー(CNF)の複合化
  6. おわりに

 

第2章 高分子材料の強靱化技術の開発

第1節 車体構造用高靱性樹脂の開発 《小林 定之》
  1. はじめに
  2. ポリロタキサン導入ポリアミド6の開発
  3. ポリロタキサン導入ガラス強化系ポリアミド6の開発
  4. ポリロタキサン導入炭素繊維強化プラスチックの開発
  5. おわりに

第2節 低燃費性と強靱性を両立するゴム複合体の開発 《角田 克彦》
  1. 本研究開発の社会的背景
  2. タイヤの燃費特性に対するゴムの性質とゴムの強度の関係
  3. ImPACT研究における当社の取り組み
  4. まとめ

第3節 高剛性・高タフネス透明樹脂の開発 《山ア 和広/ 笠原 達也》
  1. 高剛性・高タフネス透明樹脂の社会的価値
  2. これまでの透明樹脂の限界
  3. 高剛性・高タフネス透明樹脂の実現とその技術水準
  4. 高剛性・高タフネス透明樹脂への技術的アプローチ
  5. 高剛性・高タフネス透明樹脂の破壊挙動
  6. 自動車窓ガラスとしての実用評価
  7. おわりに

第4節 環動高分子による熱硬化型ポリウレタンのタフ化 《内貴 昌弘/ 小平 晃久》
  1. はじめに
  2. ポリウレタンのタフポリマー化

第5節 ポリスチレンのタフポリマー化 《野田 和弥/ 溝元 均/ 鈴木 純》
  1. はじめに
  2. タフ化ポリスチレン
  3. おわりに

 

第3章  現場重合型CFRPの成形加工技術 《山中 淳彦》
  1. はじめに
  2. ポリアミド6をマトリックスとするCFRPの現場重合
  3. その他の樹脂をマトリックスとするCFRPの現場重合
  4. まとめ

 

第4章 しなやかなタフポリマーの開発

第1節 「しなやかなタフポリマー」を適用したコンセプトカー「I toP」の紹介  《竹林 康仁》
  1. 開発の目的とコンセプト
  2. コンセプトカーI toPの概要・特徴
  3. 要素技術と適用効果
  4. 他用途への応用〜今後の展開
  5. 今後の展開

第2節 しなやかなタフポリマーによる社会的価値の検証 《平尾 雅彦/ 天沢 逸里》
  1. はじめに
  2. 自動車のライフサイクル
  3. 評価シナリオの設定
  4. 車体重量と電費
  5. ライフサイクルアセスメント
  6. おわりに

*本書に記載されている会社名,製品名,サービス名は各社の登録商標または商標です。 なお,本書に記載されている製品名,サービス名等には,必ずしも商標表示( R ,TM)を 付記していません。  

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