金属 生体 書籍
 
No.2106
ゲノム編集技術を応用した製品開発とその実用化
研究開発者のモチベーションの 高め方と実践事例

生命金属ダイナミクス

〜生体内における金属の挙動と制御〜


発 刊 : 2021年1月  体 裁 : B5判 564頁   定 価:59,400円(税込)

発行:(株)エヌ・ティー・エス  販売:(株)技術情報協会  ISBN:978-4-86043-706-0 C3045

【アカデミック価格対象外書籍です】
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・生体における金属動態を解明する画期的プラットフォーム「生命金属科学」の最新動向!

・元素・分子レベルから細胞・個体レベルまでの生命金属動態を一気通貫に理解!

・金属による「維持」「破綻」「攪乱」、研究の「方法論」から「制御・創薬」まで!


■ 著者紹介

監修者  
城  宜嗣 兵庫県立大学大学院生命理学研究科 教授
   
編集委員   
古川 良明 慶應義塾大学理工学部 教授
神戸 大朋 京都大学大学院生命科学研究科 准教授
   
執筆者  
城  宜嗣 兵庫県立大学大学院生命理学研究科 教授
津本 浩平 東京大学大学院工学系研究科 教授
簗取いずみ 名古屋大学大学院医学系研究科 助教
岸  文雄 医療法人健仁会紫苑リハビリ内科クリニック 理事
神戸 大朋 京都大学大学院生命科学研究科 准教授
深井  透 Medical College of Georgia at Augusta University Vascular Biology Center,
Department of Pharmacology & Toxicology
Barbara A. Schnuck Endowed Chair in Translational Medicine Professor,
Co-director of the Redox Signaling Program
羽鳥 勇太 安田女子大学薬学部 講師
小椋 康光 千葉大学大学院薬学研究院 教授
西藤有希奈 京都薬科大学薬学部/京都大学大学院生命科学研究科 日本学術振興会特別研究員PD
室  啓太 大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 非常勤研究員
高野 順平 大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 教授
小林 高範 石川県立大学生物資源工学研究所 教授
蓑田  歩 筑波大学生命環境系 助教
三原 久明 立命館大学生命科学部 教授
平  大輔 崇城大学生物生命学部 准教授
川上 了史 慶應義塾大学理工学部 専任講師
宮本 憲二 慶應義塾大学理工学部 教授
榊  利之 富山県立大学工学部 教授
澤井 仁美 兵庫県立大学大学院生命理学研究科 助教
當舍 武彦 国立研究開発法人理化学研究所放射光科学研究センター 専任研究員
石森浩一郎 北海道大学大学院理学研究院 教授
大西 裕介 大阪大学蛋白質研究所 特任研究員
栗栖 源嗣 大阪大学蛋白質研究所 教授
藤枝 伸宇 大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 准教授
伊東  忍 大阪大学大学院工学研究科 教授
緒方 英明 北海道大学低温科学研究所 特任准教授
樋口 芳樹 兵庫県立大学大学院生命理学研究科 教授
青野 重利 大学共同利用機関法人自然科学研究機構生命創成探求センター 教授
近藤 美欧 大阪大学大学院工学研究科 准教授
正岡 重行 大阪大学大学院工学研究科 教授
山置 佑大 京都大学エネルギー理工学研究所 助教
永田  崇 京都大学エネルギー理工学研究所 准教授
片平 正人 京都大学エネルギー理工学研究所 教
赤塚 慎也 名古屋大学大学院医学系研究科 講師
豊國 伸哉 名古屋大学大学院医学系研究科 教授
中島  修 山形大学大学院医学系研究科 教授/
山形大学医学部メディカルサイエンス推進研究所 遺伝子実験センター センター長
原  貴史 徳島文理大学薬学部 講師
吉開 会美 徳島文理大学薬学部 研究員
大橋 拓人 徳島文理大学薬学部
深田 俊幸 徳島文理大学薬学部 教授
宮嶋 裕明 浜松医科大学医学部 教授
細井 泰志 浜松医科大学医学部 助教
保住  功 岐阜薬科大学薬物治療学 教授
位田 雅俊 岐阜薬科大学薬物治療学 准教授
栗田 尚佳 岐阜薬科大学薬物治療学 講師
古川 良明 慶應義塾大学理工学部 教授
佐藤 正寛 慶應義塾大学理工学部 特任助教
徳田 栄一 日本大学薬学部 専任講師
石原 慶一 京都薬科大学薬学部 准教授
長野 清一 大阪大学大学院医学系研究科 准教授
斎藤 芳郎 東北大学大学院薬学研究科 教授
浅沼 幹人 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 教授
宮崎 育子 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 講師
藤代  瞳 徳島文理大学薬学部 講師
姫野誠一郎 (元)徳島文理大学薬学部 教授/昭和大学薬学部 客員教授
石川  覚 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農業環境変動研究センター 有害化学物質研究領域 作物リスク低減ユニット長
佐藤 雅彦 愛知学院大学薬学部 教授
角  大悟 徳島文理大学薬学部 教授
外山 喬士 東北大学大学院薬学研究科 助教
古武弥一郎 広島大学大学院医系科学研究科 教授
田村 朋則 京都大学大学院工学研究科 講師
浜地  格 京都大学大学院工学研究科 教授
平山  祐 岐阜薬科大学薬化学研究室 准教授
志村 まり 国立国際医療研究センター研究所難治性疾患研究部難治性疾患研究室 室長
松山 智至 大阪大学大学院工学研究科 講師
宇尾 基弘 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 教授
平田 岳史 東京大学大学院理学系研究科 教授
山下 修司 東京大学大学院理学系研究科
堀谷 正樹 佐賀大学農学部 助教
中村  伸 九州大学先導物質化学研究所 特任助教
野口  巧 名古屋大学大学院理学研究科 教授
吉澤 一成 九州大学先導物質化学研究所 教授
伊藤  隆 東京都立大学大学院理学研究科 教授
猪股 晃介 東京都立大学大学院理学研究科 特任准教授
三島 正規 東京都立大学大学院理学研究科 准教授
池谷 鉄兵 東京都立大学大学院理学研究科 助教
明石 知子 横浜市立大学大学院生命医科学研究科 教授
田尻 道子 横浜市立大学大学院生命医科学研究科 特任助手
武田 志乃 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所 放射線障害治療研究部体内除染研究グループ グループリーダー
中木戸 誠 東京大学大学院工学系研究科 講師
鈴木 道生 東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授
宮川 雅好 塩野義製薬株式会社創薬化学研究所創薬化学2グループ 主任研究員
岡本 直幸 株式会社レナテック 特別顧問
清水 拓弥 株式会社レナテック技術部開発研究課 マネージャー
藤本 俊介 株式会社レナテック ヘルスケア分析センター 副センター長
古城 公佑 筑波大学 医学医療系 臨床医学域 泌尿器外科学 助教
池田 篤史 筑波大学 医学医療系 臨床医学域 泌尿器外科学 病院講師
宮城 洋平 神奈川県立がんセンター臨床研究所 所長
三上 春夫 千葉県がんセンター研究所がん予防センター 部長
中村 洋子 千葉県がんセンター研究所がん予防センター 主席研究員
永瀬 浩喜 千葉県がんセンター研究所 所長
米田 誠治 鈴鹿医療科学大学薬学部 准教授

■ 目  次

第1章 維持─生命と金属─

第2章 維持─植物・藻類と金属─

第3章 維持─微生物と金属─

第4章 維持─分子─

第5章 破 綻

第6章 撹 乱

第7章 方法論

第8章 制御・創薬


◇第1章 維持─生命と金属─◇

第1節 二価鉄輸送体DMT1 研究から鉄シャペロンの発見に至る細胞内鉄輸送機構の解析    《簗取 いずみ,岸 文雄》
  1.要旨
  2.背景─鉄関連分子の発見史
  3.体内での鉄動態
  4.鉄取り込み制御機構
  5.二価鉄輸送体DMT1
  6.鉄シャペロンと細胞質内での鉄安全輸送機構
  7.鉄シャペロン分子PCBPs
  8.鉄シャペロンPCBPs 研究の今後の展望

第2節 生体内での亜鉛の機能とその代謝  《神戸 大朋》
  1.はじめに
  2.亜鉛トランスポーター
  3.亜鉛代謝制御
  4.おわりに

第3節 銅シャペロン,銅トランスポーターと病態生理 《深井 透》
  1.はじめに
  2.銅トランスポーター
  3.銅排出のトランスポーターPtype ATPase ATP7A, ATP7B
  4.細胞内の銅分布に関わる銅運搬タンパク
  5.銅シャペロン,銅トランスポーターと病態生理
  6.結論および今後の展開

第4節 redox の観点からみた銅代謝  《羽鳥 勇太》
  1.はじめに
  2.銅輸送におけるチオールの働き
  3.タンパク質チオールの酸化還元制御における細胞内グルタチオンの意義
  4.分泌経路への銅送達に対するグルタチオン酸化レベルの影響
  5.細胞質SOD1,ミトコンドリアへの銅送達に対するグルタチオン酸化レベルの影響
  6.おわりに

第5節 化学形態分析に基づいたセレンの代謝機構の解明 《小椋 康光》
  1.はじめに
  2.セレンの生理作用
  3.セレンの化学形態分析
  4.動物に見出されるセレン代謝物の同定
  5.代謝物同定以外に利用される化学形態分析
  6.おわりに

第6節 マンガン代謝維持機構における輸送体の役割
  ─マンガン輸送体の輸送金属識別機構─ 《 西藤 有希奈,神戸 大朋》
  1.はじめに
  2.生体内におけるマンガン代謝維持機構
  3.マンガン代謝制御に寄与する亜鉛輸送体の機能と疾患との関連
  4.ZNT10 によるマンガンの輸送メカニズム
  5.おわりに


◇第2章 維持─植物・藻類と金属─◇

第1節 植物におけるメタロイド(ホウ素・ケイ素・ヒ素)の輸送機構    《室 啓太,高野 順平》
  1.はじめに
  2.植物におけるホウ素の獲得と利用
  3.植物におけるホウ素過剰耐性
  4.ホウ素利用効率の高い植物やホウ素過剰耐性植物の作出
  5.植物におけるケイ素の輸送
  6.植物におけるヒ素の輸送
  7.作物のヒ素集積軽減のためのアプローチ
  8.ヒ素のファイトレメディエーションの可能性

第2節 植物の鉄欠乏応答メカニズム,ミネラル含量の多い作物の創出    《小林 高範》
  1.はじめに
  2.植物による鉄の吸収機構
  3.植物の鉄欠乏応答の転写制御
  4.植物の転写後制御因子とそれらによる鉄感知の可能性
  5.鉄欠乏耐性・高ミネラル栄養作物の創出
  6.おわりに

第3節 強酸性条件に適応した単細胞性紅藻イデユコゴメの選択的金属回収    《蓑田 歩》
  1.低濃度の有価金属回収における生物利用の可能性
  2.ガルディエリア(Galdieria)
  3.ガルディエリアを利用した有価金属の選択的回収
  4.おわりに

 

◇第3章 維持─微生物と金属─◇

第1節 細菌によるカルコゲン代謝 《三原 久明》
  1.背 景
  2.Geobacter sulfurreducens における新奇亜セレン酸還元系
  3.E. coli におけるセレン酸・テルル酸代謝
  4.細菌のカルコゲン代謝と「生命金属科学」

第2節 微生物による嫌気性アンモニア酸化(anammox)  《平 大輔》
  1.窒素循環と嫌気性アンモニア酸化(anammox)
  2.anammox 細菌
  3.anammox の金属酵素・金属タンパク質

第3節 微生物の進化的な金属元素への適応 《川上 了史,宮本 憲二》
  1.生物の金属元素への適応
  2.人工的な元素の置換
  3.元素が与える進化へのバイアス検証
  4.まとめと今後

 

◇第4章 維持─分子─◇

第1節 シトクロムP450 《榊 利之》
  1.はじめに
  2.哺乳動物由来P450 の生理作用
  3.P450 の産業応用
  4.まとめ

第2節 生体鉄の分子科学と細胞生物学 《 城 宜嗣,澤井 仁美,當舍 武彦》
  1.はじめに
  2.一酸化窒素還元酵素
  3.鉄の生体内動態
  4.最後に

第3節 金属センシング 《石森 浩一郎》
  1.はじめに
  2.バクテリア類における鉄センシングタンパク質:Fur タンパク質
  3.真菌類における鉄センシング機構
  4.哺乳類における鉄センシング機構
  5.おわりに

第4節 鉄硫黄タンパク質と酸化還元反応 《大西 裕介,栗栖 源嗣》
  1.はじめに
  2.植物型Fd の酸化還元
  3.酸化型Fd と放射線損傷の関係
  4.フェレドキシン複合体の構造
  5.まとめ

第5節 銅酵素の化学  《藤枝 伸宇,伊東 忍》
  1.銅酵素の多様性
  2.共役二核銅タンパク質
  3.チロシナーゼの成熟過程(銅中心の形成)
  4.チロシナーゼの成熟過程(活性化)
  5.モノオキシゲナーゼ反応機構
  6.まとめ

第6節 水素酸化還元酵素ヒドロゲナーゼ 《緒方 英明,樋口 芳樹》
  1.ヒドロゲナーゼ
  2.[NiFe]ヒドロゲナーゼ
  3.[NiFe]ヒドロゲナーゼの酸素耐性機構
  4.[FeFe]ヒドロゲナーゼ
  5.[Fe]ヒドロゲナーゼ

第7節 生命金属が関与するガス分子センサータンパク質 《青野 重利》
  1.はじめに
  2.酸素センサータンパク質
  3.CO センサータンパク質
  4.NO センサータンパク質
  5.「生命金属科学」への展開

第8節 光合成における水の酸化系 《近藤 美欧,正岡 重行》
  1.はじめに
  2.水の酸化反応の酸化還元電位
  3.酸素発生錯体の構造
  4.酸素発生錯体による水の酸化反応のメカニズム
  5.酸素発生錯体の構造モデル
  6.酸素発生錯体の機能モデル

第9節 金属原子によるRNA の立体構造形成とその生理活性のスイッチングへの応用 《山置 佑大,永田 崇,片平 正人》
  1.RNA の構造形成と金属イオン
  2.カリウムイオンを感知して自律的に活性をスイッチングする機能性RNA の開発
  3.最後に

 

◇第5章 破 綻

第1節 酸化ストレス 《赤塚 慎也,豊國 伸哉》
  1.酸化ストレスとは
  2.酸化ストレスの要因としての鉄
  3.がんの要因としての鉄
  4.酸化ストレスとがん
  5.鉄による酸化ストレス発がんモデルとゲノム変化
  6.繊維状物質による発がんと鉄を介した酸化ストレス
  7.鉄を介した酸化ストレスによるDNA 損傷のゲノム内分布

第2節 ヘム欠乏により惹起される病態とヘム代謝の新しい分子生物学  《中島 修》
  1.はじめに
  2.5-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS)遺伝子破壊マウスにおける病態   ─ヘム欠乏の病態生理
  3.細胞内ヘム輸送の分子メカニズムとヘム欠乏
  4.ヘムによるがん転移制御の可能性
  5.おわりに

第3節 亜鉛トランスポーター遺伝子改変マウスと疾患    《原 貴史,吉開 会美,大橋 拓人,深田 俊幸》
  1.はじめに
  2.亜鉛の重要性と亜鉛ストレスについて
  3.細胞内小器官における亜鉛レベルについて
  4.亜鉛トランスポーターによる亜鉛恒常性制御と生理機能
  5.まとめ

第4節 鉄の動態と神経変性症 《宮嶋 裕明,細井 泰志》
  1.はじめに
  2.脳内の鉄代謝
  3.年齢による脳内鉄含量の変化 4.細胞内外の鉄代謝調節
  5.沈着鉄の細胞毒性
  6.NBIA の臨床
  7.NBIA の1 つである無Cp 血症の臨床と病態
  8.神経変性症の鉄沈着
  9.おわりに

第5節 金属動態と臨床 《保住 功,位田 雅俊,栗田 尚佳》
  1.人の体に存在する元素
  2.人の体に摂取が必要な元素
  3.生命金属と脳神経疾患
  4.今後の展望と課題

第6節 中枢神経系における銅動態の破綻がもたらすSOD1 タンパク質の構造異常と神経変性疾患 《古川 良明,佐藤 正寛,徳田 栄一》
  1.はじめに
  2.金属イオンの解離が引き金となるSOD1 の「ミスフォールディング」
  3.中枢神経系への銅イオン供給メカニズム
  4.SOD1-ALS マウスに生じる銅動態の異常
  5.パーキンソン病における銅動態の異常
  6.パーキンソン病におけるSOD1 の異常
  7.おわりに

第7節 ダウン症候群病態における銅蓄積とその意義 《石原 慶一》
  1.はじめに
  2.DS モデルマウス
  3.DS における認知機能異常
  4.DS マウス脳での銅蓄積
  5.DS マウス脳での銅蓄積による酸化ストレス亢進とリン酸化タウの蓄積
  6.脳での銅蓄積によるDS マウスの不安欠如様行動
  7.おわりに

第8節 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態におけるCu,Zn-Superoxide Dismutase(SOD1)の役割 《長野 清一》
  1.はじめに
  2.変異型SOD1 の構造変化と銅を介した神経毒性
  3.変異型SOD1 の構造変化に対するシステイン残基の影響
  4.変異型SOD1 による銅媒介化学に対するステイン残基の影響
  5.ALS の病態における変異型SOD1 のシステイン残基を介した構造変化の役割
  6.結 論

第9節 糖尿病とセレン─疾患発症におけるセレノプロテインP の役割    《斎藤 芳郎》
  1.はじめに
  2.セレノプロテインP の構造と生理機能
  3.肝臓におけるセレノプロテインP の発現制御機構
  4.増加したセレノプロテインP による糖代謝障害
  5.セレノプロテインP を標的とした治療法開発─バイオマーカーとしての取り組み
  6.最後に

第10節 パーキンソン病と亜鉛結合タンパク 《浅沼 幹人,宮崎 育子》
  1.はじめに
  2.パーキンソン病での生体金属動態と酸化ストレス
  3.アストロサイトでの抗酸化分子としてのメタロチオネイン
  4.パーキンソン病でのメタロチオネイン

 

◇第6章 撹 乱◇

第1節 腎臓におけるカドミウムとマンガンの輸送とその撹乱    《藤代 瞳,姫野 誠一郎》
  1.腎臓における生命金属の制御
  2.有害金属の毒性の標的組織としての腎臓
  3.カドミウム輸送体としてのZIP8 の発見
  4.腎臓におけるカドミウム輸送
  5.マンガン輸送体としてのZIP8
  6.全身でのマンガン恒常性の調節におけるZIP8 の役割
  7.まとめ

第2節 カドミウム低減米(植物) 《 石川 覚》
  1.はじめに
  2.イネのCd 低減対策
  3.イネのCd 吸収・集積メカニズム
  4.カドミウム低減米の作出
  5.おわりに

第3節 カドミウムとメタロチオネイン 《佐藤 雅彦》
  1.序 論
  2.カドミウム急性毒性に対するメタロチオネインの関与
  3.カドミウム慢性毒性に対するメタロチオネインの関与
  4.培養細胞を用いたカドミウム細胞毒性に対するメタロチオネインの関与
  5.カドミウムの体内動態に対するメタロチオネインの関与
  6.カドミウムの安全性評価に対するメタロチオネインの関与
  7.まとめ

第4節 環境化学物質および医薬品としてのヒ素化合物 《角 大悟,姫野 誠一郎》
  1.はじめに
  2.環境化学物質としてのヒ素化合物
  3.医薬品としてのヒ素化合物
  4.ヒ素の代謝
  5.ヒ素化合物によるチオール基の化学修飾とROS 産生
  6.三価態ヒ素化合物の標的タンパク質
  7.まとめ

第5節 水銀の毒性発現機構 《外山 喬士》
  1.はじめに
  2.メチル水銀の化学的性質
  3.水銀中毒とS-水銀化,S-トランス水銀化の役割
  4.メチル水銀によるS-水銀化を介した神経毒性発現と生体応答
  5.メチル水銀とポリ硫黄修飾
  6.メチル水銀と心疾患リスク
  7.メチル水銀による生命半金属セレンのSe-水銀化を介した生体機能撹乱

第6節 有機スズの分子毒性学  《古武 弥一郎》
  1.はじめに
  2.エネルギー産生低下とステロイドホルモン撹乱
  3.核内受容体のアゴニスト作用
  4.PPARγを介した肥満活性と免疫毒性
  5.グルタミン酸受容体を介した神経毒性
  6.GluA2 減少を介した神経影響
  7.おわりに

 

◇第7章 方法論◇

第1節 亜鉛コンディショナルプロテオミクス 《 田村 朋則,浜地 格》
  1.はじめに
  2.Zn2+によって活性化されるタンパク質修飾試薬“AIZin”の開発
  3.NO 刺激に伴うZn2+周辺タンパク質の動的変化
  4.Zn2+が蓄積されたベシクルの同定
  5.生命金属科学への展開

第2節 鉄イオン蛍光プローブ 《平山 祐》
  1.背 景
  2.キレート性鉄イオン蛍光プローブ(従来型)
  3.化学反応型二価鉄イオン蛍光プローブ
  4.細胞内二価鉄イオン検出プローブの応用
  5.今後の展望

第3節 シンクロトロン放射光を用いた細胞内元素イメージング    《志村 まり,松山 智至》
  1.概 要
  2.X 線による細胞イメージングの歴史
  3.シンクロトロン放射光を用いた1 細胞イメージングシステム
  4.SXFM システムによる細胞観察の可能性
  5.将来のSXFM による1 細胞イメージング

第4節 口腔内の微量元素イメージングおよび化学状態分析 《宇尾 基弘》
  1.はじめに
  2.生体組織中微量元素の分布分析
  3.生体組織中微量元素の状態分析
  4.おわりに

第5節 超高感度質量分析計のメタロミクス研究への応用 《平田 岳史,山下 修司》
  1.ICP 質量分析計による元素分析
  2.ICP 質量分析計によるナノ粒子計測

第6節 金属タンパク質のESR 《堀谷 正樹》
  1.生体分子研究におけるESR
  2.先端ESR 法による金属タンパク質研究への展開

第7節 量子力学/分子力学(QM/MM)計算による金属タンパク質の研究    《中村 伸,野口 巧,吉澤 一成》
  1.はじめに
  2.ハイブリッドQM/MM 法
  3.光合成水分解の分子機構の解析
  4.計算ミューテーションの可能性
  5.おわりに

第8節 溶液NMR およびin-cell NMR による金属結合タンパク質の動態解析    《伊藤 隆,猪股 晃介,三島 正規,池谷 鉄兵》
  1.はじめに
  2.溶液NMR による金属結合タンパク質の解析
  3.in-cell NMR による金属結合タンパク質の解析
  4.おわりに

第9節 ネイティブ質量分析 《明石 知子,田尻 道子》
  1.はじめに
  2.ネイティブ質量分析概要
  3.生命金属科学のネイティブ質量分析の実際

第10節 量子ビームを利用した元素動態解析 《武田 志乃》
  1.はじめに
  2.量子ビーム分析
  3.非破壊分析の利点
  4.局所定量
  5.マイクロビーム分析により判明した組織内元素動態
  6.細胞内生命金属動態

 

◇第8章 制御・創薬◇

第1節 金属動態をターゲットにした抗菌薬 《中木戸 誠,津本 浩平》
  1.はじめに
  2.標的とする病原性微生物と薬剤耐性の獲得を防ぐ抗菌戦略
  3.黄色ブドウ球菌由来鉄獲得システム
  4.化膿レンサ球菌由来鉄獲得システム
  5.IsdH によるヘモグロビンからのヘム鉄獲得の分子機構
  6.Shr によるヘモグロビンからのヘム鉄獲得の分子機構
  7.各種モダリティ分子を活用しての抗菌剤開発
  8.「生命金属科学」への展開・期待など

第2節 バイオミネラリゼーションによる金属,鉱物の濃集 《鈴木 道生》
  1.バイオミネラリゼーションとは
  2.バイオミネラリゼーションの結晶成長
  3.バイオミネラリゼーションにおける有機物の作用
  4.軟体動物貝殻のバイオミネラリゼーション
  5.微生物のバイオミネラリゼーション
  6.まとめ

第3節 メタロエンザイムを標的とした新規抗インフルエンザ薬バロキサビルマルボキシル(ゾフルーザR)の創製 《宮川 雅好》
  1.背 景
  2.バロキサビルマルボキシルに至る探索研究
  3.バロキサビル活性体の薬効評価
  4.最後に

第4節 血中微量元素濃度のICP-MS 測定による標準値設定と「がんリスク」スクリーニング法─メタロバランス検査─への応用
   《岡本 直幸,清水 拓弥,藤本 俊介,古城 公佑,池田 篤史,宮城 洋平,三上 春夫,中村 洋子,永瀬 浩喜》
  1.はじめに
  2.試料および方法
  3.結 果
  4.まとめと課題

第5節 シスプラチンなどの白金(Pt)を原料に開発された制がん剤 《米田 誠治》
  1.臨床で用いられている白金製剤
  2.白金を用いた近年の創薬研究
  3.展 望



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