第1節 酸化ストレス 《赤塚 慎也,豊國 伸哉》
1.酸化ストレスとは
2.酸化ストレスの要因としての鉄
3.がんの要因としての鉄
4.酸化ストレスとがん
5.鉄による酸化ストレス発がんモデルとゲノム変化
6.繊維状物質による発がんと鉄を介した酸化ストレス
7.鉄を介した酸化ストレスによるDNA 損傷のゲノム内分布
第2節 ヘム欠乏により惹起される病態とヘム代謝の新しい分子生物学 《中島 修》
1.はじめに
2.5-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS)遺伝子破壊マウスにおける病態 ─ヘム欠乏の病態生理
3.細胞内ヘム輸送の分子メカニズムとヘム欠乏
4.ヘムによるがん転移制御の可能性
5.おわりに
第3節 亜鉛トランスポーター遺伝子改変マウスと疾患 《原 貴史,吉開 会美,大橋 拓人,深田 俊幸》
1.はじめに
2.亜鉛の重要性と亜鉛ストレスについて
3.細胞内小器官における亜鉛レベルについて
4.亜鉛トランスポーターによる亜鉛恒常性制御と生理機能
5.まとめ
第4節 鉄の動態と神経変性症 《宮嶋 裕明,細井 泰志》
1.はじめに
2.脳内の鉄代謝
3.年齢による脳内鉄含量の変化 4.細胞内外の鉄代謝調節
5.沈着鉄の細胞毒性
6.NBIA の臨床
7.NBIA の1 つである無Cp 血症の臨床と病態
8.神経変性症の鉄沈着
9.おわりに
第5節 金属動態と臨床 《保住 功,位田 雅俊,栗田 尚佳》
1.人の体に存在する元素
2.人の体に摂取が必要な元素
3.生命金属と脳神経疾患
4.今後の展望と課題
第6節 中枢神経系における銅動態の破綻がもたらすSOD1 タンパク質の構造異常と神経変性疾患 《古川 良明,佐藤 正寛,徳田 栄一》
1.はじめに
2.金属イオンの解離が引き金となるSOD1 の「ミスフォールディング」
3.中枢神経系への銅イオン供給メカニズム
4.SOD1-ALS マウスに生じる銅動態の異常
5.パーキンソン病における銅動態の異常
6.パーキンソン病におけるSOD1 の異常
7.おわりに
第7節 ダウン症候群病態における銅蓄積とその意義 《石原 慶一》
1.はじめに
2.DS モデルマウス
3.DS における認知機能異常
4.DS マウス脳での銅蓄積
5.DS マウス脳での銅蓄積による酸化ストレス亢進とリン酸化タウの蓄積
6.脳での銅蓄積によるDS マウスの不安欠如様行動
7.おわりに
第8節 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態におけるCu,Zn-Superoxide
Dismutase(SOD1)の役割 《長野 清一》
1.はじめに
2.変異型SOD1 の構造変化と銅を介した神経毒性
3.変異型SOD1 の構造変化に対するシステイン残基の影響
4.変異型SOD1 による銅媒介化学に対するステイン残基の影響
5.ALS の病態における変異型SOD1 のシステイン残基を介した構造変化の役割
6.結 論
第9節 糖尿病とセレン─疾患発症におけるセレノプロテインP の役割 《斎藤 芳郎》
1.はじめに
2.セレノプロテインP の構造と生理機能
3.肝臓におけるセレノプロテインP の発現制御機構
4.増加したセレノプロテインP による糖代謝障害
5.セレノプロテインP を標的とした治療法開発─バイオマーカーとしての取り組み
6.最後に
第10節 パーキンソン病と亜鉛結合タンパク 《浅沼 幹人,宮崎 育子》
1.はじめに
2.パーキンソン病での生体金属動態と酸化ストレス
3.アストロサイトでの抗酸化分子としてのメタロチオネイン
4.パーキンソン病でのメタロチオネイン |