第1節 業務用米飯,加工米飯
第1項 新形質機能性米に合った米飯商品作りおよび調理加工技術 《平田 孝一》
1. 機能性の食材「米」(低タンパク質であること)
2. 生活習慣病患者の健康管理
3. 米飯加工場
4. 無菌包装米飯の成り立ちと現状:進化する加熱方法
5. 現代の市場「パック米飯」の再加熱方法の普及の限界
6. 炊きたてよりおいしくする調理加工の発見!?
7. おいしく加工調理
8. 発酵玄米(パック包装米飯)
9. 「機能性米飯」のバラエティーに富んだレシピ紹介
10. 酵素玄米パック米飯の効用
第2項 無菌化包装米飯 《對馬 諒介》
1. 無菌化包装米飯とは
1.1 レトルト包装米飯との違い
1.2 無菌性の確保
1.3 ボツリヌス菌対策について
1.4 米飯の品質
2. 無菌化包装米飯の製造方法
2.1 洗米・浸漬工程
2.2 高温短時間殺菌
2.3 加水・炊飯工程
2.4 シール密封工程
2.5 蒸らし・包装工程
3. 無菌化包装米飯工場について
4. 「パックごはん」の歴史と将来性
4.1 「パックごはん」の歴史
4.2 パック米飯の将来性
第3項 低タンパク質加工玄米の腎不全予防 《渡邊 昌》
1. 血液透析患者の増加
2. CKDに対する低タンパク質食の効果
3. CKD患者による適切な量のタンパク質摂取
4. 低タンパク質食の長期摂取の影響
5. 低タンパク質食を設計する方法は?
6. 低タンパク質白米の製造
6.1 タンパク質分解プロセス
6.2 高品質の低タンパク質米
7. 低タンパク質加工玄米
7.1 玄米の技術的課題
7.2 米の選択
7.3 前処理とタンパク質抽出
7.4 処理されたLPBRパック内の耐熱性細菌による汚染の検出
7.5 LPBR生産におけるラクトバチルスの重要性
7.6 料理とパッキング
8. 新しいLPBRの栄養素と機能的要因
8.1 栄養素
8.2 LPBRの栄養素評価
9. 市場拡大の必要性
10. 加工低タンパク質米の世界への利用拡大
11. 腸腎連関を改善する低タンパク質加工玄米
第2節 玄米
第1項 玄米と健康効果 《渡邊 昌》
1. 玄米の定義
1.1 玄米の定義
1.2 古代米
2. 玄米のおいしさ
2.1 おいしい炊き方
2.2 玄米を食べやすくする試み
2.3 玄米おいしさコンテスト
3. 有機玄米
3.1 有機玄米
3.2 有機農法
4. 健康への影響
4.1 食養生
4.2 石塚左玄と桜沢如一
4.3 二木謙三
4.4 GENKI Study
4.5 玄米おむすび介入研究
4.6 腸内細菌叢の変化
4.7 米食習慣とCOVID-19による肺炎
5. メディカルライス
5.1 高付加価値米
5.2 治未病
5.3 メディカルライス
6. 玄米の普及
6.1 玄米を普及させるには
6.2 パック米飯化
6.3 玄米七徳
第2項 玄米プロジェクト 《江川 和徳》
1. 玄米のマイクロ波処理技術による特性改善
2. マイクロ波処理玄米粉の利用
3. 酢酸発酵玄米の調製と利用
4. 原料の親水性・疎水性試験法
第3項 金芽米と金芽ロウカット玄米(生薬機能を取り戻した米) 《雜賀 慶二》
1. 結論
2. 「精米」はどのようにしてつくり上げるのか
3. 現在の「玄米」と古代人が食べていた「米(精米)」の違い
4. 現在の「白米」と古代人が食べていた「米(精米)」の違い
5. 米の栄養と食味は二律背反の関係にある
6. 健康によいがおいしくない「糠」を,おいしく食べられるようにする秘訣
6.1 金芽米について
6.2 ロウカット玄米について
7. 「金芽米」「ロウカット玄米」の1年間の常食により,公的医療費減少が実証
8. 結果
9. 対策
第3節 米粉,米粉パン
第1項 米粉の内部構造と粉体特性に関する基礎的研究 《藤井 智幸》
1. 粉砕と食文化
1.1 粉食
1.2 米粉の用途拡大に向けて
2. 米粉の内部構造
2.1 米粉の構造的多様性
2.2 米粉のコア−シェル構造
2.3 米粉の小角X線散乱解析
2.4 米粉の赤外吸収スペクトル
3. 赤外分光スペクトルによる米粉の等温ガラス転移の評価
4. 米粉の吸水性
第2項 添加物・グルテンを使用しない米粉パンの製造法と実用化 《矢野 裕之》
1. パンについて
2. 小麦アレルギーとセリアック病
3. グルテンフリーパンをつくる
3.1 グルテンを増粘剤に置き換えたパン
3.2 プロテアーゼの利用
3.3 レドックスの利用
4. 添加物,グルテンを使用せずにつくるパン
5. 実用化
5.1 パンの品質評価
5.2 健康機能性の向上
6. 今後の課題
6.1 栄養性の向上
6.2 原因食物除去から食べる治療への方向転換
6.3 食物アレルギーに関する情報共有
第4節 米粉麺,パスタ
第1項 米粉パスタの食感改良−各種添加材の付着性への効果− 《林 幸枝,峯木 晴香,井之上 明弘,中村 卓》
1. 序論
2. 原料および方法
2.1 米粉パスタの試作
2.1.1 ジェランガム添加パスタ(ジェラン)
2.1.2 乾燥卵白添加パスタ(卵白)
2.1.3 ステアリン酸モノグリセリド添加パスタ(モノグリ)
2.2 茹でパスタ
2.2.1 加熱時間と吸水
2.2.2 湯溶け試験
2.3 力学特性測定
2.4 微細構造観察
2.5 官能評価
3. 結果および考察
3.1 物性測定
3.2 構造観察
3.3 官能評価
4. まとめ
第2項 米粉麺の物性 《新田 陽子》
1. ジャポニカ米(低アミロース米)の米粉麺製造
1.1 ジャポニカ米の米粉の利用推進の背景
1.2 ジャポニカ米での米粉麺製造のための工夫
2. 材料と方法
2.1 試料の調製
2.2 硬さの評価
2.3 付着性の評価
2.4 統計解析
3. 結果と考察
3.1 硬さの変化
3.2 べたつきの低減と滑りやすさの向上
4. 今後の展望
第5節 米糠
第1項 米糠成分のサプリメント 《渡邊 昌》
1. カーナの約束臨床試験
1.1 背景
1.2 対象者・調査期間および方法
1.3 予備調査
1.4 排便点数
1.5 臨床介入試験
1.5.1 対象者の生活状況
1.5.2 運動習慣
1.5.3 排便状況
1.5.4 食事調査
1.5.5 排便記録
1.5.6 月経による排便状況の変化
1.5.7 試験食品摂取後の自覚的排便状況・体調の変化 (事後調査アンケート)
1.5.8 まとめおよび考察
2. 発酵米糠FBRA
2.1 発酵米糠:玄米酵素
2.2 FBRAの栄養素と機能的要因
2.3 腸の状態
2.4 マイクロバイオータ
2.5 FBRA服用者のがん,生活習慣病
3. 機能性食品としての玄米とふすま
4. 結論
第2項 発酵米糠による生活習慣病予防・改善とその機能性成分 《白川 仁》
1. 発酵米糠の健康機能性
1.1 二段階発酵米糠
1.2 高血圧症,インスリン抵抗性の改善
1.3 糖尿病性筋萎縮の予防作用
1.4 潰瘍性大腸炎の予防・改善作用
1.4.1 発酵米糠によるデキストラン硫酸ナトリウム誘発大腸炎の抑制
1.4.2 発酵米糠によるデキストラン硫酸ナトリウム誘発大腸炎の回復促進作用
1.4.3 発酵米糠によるデキストラン硫酸ナトリウムの間歇処理誘発炎症の抑制
2. 発酵米糠中の健康機能性成分
2.1 トリプトファンの健康機能性
2.2 ゲラニルゲラニオールの健康機能性
第3項 「飲める米糠」を目指した新規米糠の加工法ならびにその機能性の評価 《吉川 豊,木村 大輔,早田 一也,藤尾 益人》
1. はじめに
2. 米糠の改良
3. こめ油・脱脂米糠の展開例
4. 動物実験における「飲める米糠」の機能性評価
5. 今後の展開
第4項 米糠を用いた機能性発酵素材の開発 《大友 理宣》
1. 米糠を用いた乳酸菌によるGABA組成物の開発
1.1 実験方法
(1) 実験試料
(2) 使用菌株と培養法
(3) アミノ酸分析
(4) GABA変換率
(5) 糖分析
(6) 菌数の測定
1.2 米糠混合液によるGABA生産
1.3 米糠の酵素処理による培地の検討
1.4 RB培地によるGABA生産
1.5 米糠配合比の違いによるGABA生産の影響
1.6 RB培地へのMSG添加量の影響
1.7 RB培地初発pHのGABA生産に対する影響
1.8 醸造設備を活用したGABA含有米糠発酵素材の開発と商品化
2. 米糠を用いた乳酸菌によるγ- アミノ酪酸高濃度組成物の生産法
2.1 RB培地を用いた最適pHの検討
2.2 RB培地の最適配合比(米糠:水)の検討
2.3 RB培地を用いたMSG添加量の検討
3. 総括
第6節 こめ油
第1項 こめ油の機能性:こめ油に特徴的な成分γ- オリザノールに着目して 《伊藤 隼哉,小林 エリ,
仲川 清隆》
1. はじめに
2. γ- オリザノールの体内動態・吸収代謝
3. LC-MS/MSによるγ- オリザノールの体内動態・吸収代謝の評価
4. LC-MS/MSによるγ- オリザノールの臓器蓄積の評価
5. γ- オリザノールの分子種の違いが吸収代謝に与える影響
6. まとめ
第7節 米菓
第1項 米菓の咀嚼運動と食感 《西津 貴久》
1. 米菓咀嚼時の食感
2. 咀嚼中の米菓の破砕音(振動)がもたらす食感
2.1 振動と音の発生から感知まで
2.2 破砕振動の測定と官能評価
3. 咀嚼中の米菓の口溶け感
3.1 米菓の口溶け感の官能評価用語
3.2 口溶け感をもたらす米菓物性
3.2.1 唾液吸収速度の影響
3.2.2 咀嚼中の破砕度の影響
3.2.3 酵素による食塊の粘度変化
3.2.4 米菓の内部構造の影響
3.2.5 物性パラメータによる官能評価の推定例
第2項 米菓などの米加工 《吉井 洋一》
1. 米菓の製造工程と製品の品質
1.1 米菓の製造工程
1.1.1 うるち米菓(せんべい)
1.1.2 もち米菓(あられ・おかき)
1.2 米菓の貯蔵条件と製品品質
1.2.1 精米の糊化特性の変化
1.2.2 玄米の貯蔵による米菓加工性の変化
1.3 精米の成分と米菓の品質
1.3.1 うるち米
1.3.2 もち米
1.4 米菓製造工程の特徴と意義
1.4.1 うるち米菓
1.4.2 もち米菓
2. 米菓の硬さによる分類法
2.1 硬さの測定法
2.1.1 米菓の硬さの具体的な測定法
2.1.2 米菓の硬さによる分類法
3. 米菓のアクリルアミド低減
3.1 米菓製造工程中のアクリルアミドの動態
3.2 米菓のアクリルアミド低減の試み
3.2.1 アクリルアミド低減技術の検討
(1) 揚げ温度とアクリルアミド含量
(2) カルシウム製剤とアクリルアミド含量
4. 高アミロース米を利用した米粉麺の開発
4.1 高アミロース米の機能性
4.2 品質に優れた米粉麺の製造
第8節 日本酒
第1項 日本酒および麹発酵物質の機能性 《尾関 健二》
1. 日本酒成分について
2. α-EGの生成機構と発酵温度について
2.1 α-EGの生成機構
2.2 発酵温度と精米歩合の影響
3. これまでに解明しているα-EGの機能性
4. パッチ試験でのα-EGの保湿効果
5. ヒト成人線維芽細胞の試験
5.1 α-EGの線維芽細胞賦活とコラーゲン生産
5.2 線維芽細胞増殖因子とコラーゲン生産の遺伝子群の発現
6. α-EG塗布試験によるコラーゲンスコアの変化
6.1 保湿クリームの塗布試験
6.2 美容クリームの塗布試験
7. α-EG飲用試験によるコラーゲンスコアの変化
7.1 α-EG高含有酒の飲用試験
7.2 α-EG高含有ミリンでの食事試験
8. 甘酒のレジスタントプロテイン(RP)量
9. α-EGとRPを高めたどぶろく醸造法の開発
10. α-EGとRPの酒粕甘酒の飲用試験
11. 新規機能の解析
第2項 酒造用原料米の性質が清酒醸造に及ぼす影響 《奥田 将生》
1. はじめに
2. デンプン
2.1 デンプン分子構造と消化性と老化特性
2.2 イネ栽培時の気象条件が清酒醸造に及ぼす影響
2.3 清酒醸造工程で起こる蒸米デンプンの老化
2.4 清酒の香気成分と蒸米酵素消化性との関係
2.5 熱分析やアルカリ・尿素崩壊による酒造適性の推定
3. タンパク質
3.1 タンパク質と清酒品質との関連性
3.2 タンパク質の清酒もろみでの分解特性
4. 今後の展望
第3項 米作りと酒造りのつながり −米由来の日本酒成分に着目した考察− 《宮本 託志》
1. 米作りでいかに日本酒を造るか
2. 米由来の日本酒成分
2.1 原料米成分と米作りの関わり
2.2 原料米成分の麹菌による変換
2.3 原料米由来成分の清酒酵母およびその他の微生物による変換
3. フェルラ酸およびその関連化合物
3.1 フェルラ酸およびその関連化合物と日本酒の風味の関わり
3.2 フェルラ酸およびその関連化合物と日本酒の機能性の関わり
3.3 原料米における局在と存在形態
3.4 イネ植物体における細胞壁結合型フェルラ酸エステルの生合成と生理的意義
3.5 原料米中の胚乳細胞壁結合型フェルラ酸量を変動させる環境要因
3.6 動物による吸収効率
4. 酒造りの始まりとしての米作りへ
第9節 甘酒
第1項 麹甘酒の特徴と機能性 《倉橋 敦》
1. はじめに
2. 麹甘酒の製造方法
2.1 製麹
2.2 糖化
2.3 充填
3. 麹甘酒の成分
3.1 炭水化物(糖類)
3.2 タンパク質
3.3 脂質
3.4 その他の成分
4. 麹甘酒の機能性
4.1 抗疲労
4.2 便通改善
4.3 肌バリア機能改善
4.4 その他の機能性
5. 安全性
5.1 過剰摂取試験および長期摂取試験
5.2 麹甘酒に起因する食中毒
6. まとめ
第2項 米麹甘酒摂取が身体的部位疲労および自覚症状に及ぼす影響 《南 和広》
1. 甘酒の機能性スポーツフードとしての可能性と現状
2. 甘酒が身体的部位疲労および自覚症状に及ぼす影響
2.1 調査対象者
2.2 調査期間
2.3 各グループのトレーニング内容
2.4 疲労および自覚症状調査手順
2.5 調査項目 2.6 結果および考察
2.6.1 米麹甘酒摂取による各部位疲労程度の変化
2.6.2 米麹甘酒摂取による自覚症状程度の変化
3. 最後に
第10節 米麹
第1項 米麹を用いた発酵食肉加工食品の開発 《飛塚 幸喜,安食 雄介,野内 義之》
1. 緒言
2. 実験方法
2.1 牛および豚肉の米麹処理
2.2 米麹処理肉の遊離アミノ酸およびペプチド含量測定
2.3 米麹粉末を添加したソーセージの調製および官能評価
3. 実験結果および考察
3.1 うま味成分の変化
3.2 米麹添加ソーセージの官能評価
4. まとめ
第2項 米を原料とした,大豆・小麦を使わない,「味噌」・「醤油」の開発 《羽田 知由》
1. 開発のきっかけ
2. 開発の経緯
2.1 「醤油」の開発が「味噌」の開発へ
2.2 産学官連携による「醤油」の開発と「味噌」の改良
3. 製品の特徴
3.1 大豆を使わないおみそ調味料
3.2 大豆・小麦を使わないしょうゆ
4. 今後の展望 |