第1節 キャピラリー電気泳動法の測定原理と装置構成
1.電気泳動法の歴史的背景
2.キャピラリー電気泳動法の測定原理
2.1 電気泳動のしくみ
2.2 電気浸透流の発生メカニズム
3.電気浸透流に影響を及ぼす因子
3.1 泳動液のイオン強度
3.2 泳動液のpH
3.3 泳動液中のイオン種
3.4 有機溶媒
3.5 印加電圧
3.6 キャピラリーのコンディショニング
3.7 キャピラリーの内面修飾
4.CEの装置構成
4.1 高圧電源
4.2 泳動液
4.3 バイアル
4.4 キャピラリー
4.5 検出部および記録部
5.HPLCとの比較
第2節 各種分離モードの種類・特色
1.固定相・擬似固定相を用いない分離モード
1.1 キャピラリーゾーン電気泳動(CZE)
1.1.1 CZEの原理
1.1.2 CZEにおけるバンドの広がり
1.2 キャピラリー等電点電気泳動(CIEF)
1.2.1 CIEFに用いられるキャピラリー
1.2.2 CIEFの原理
1.2.3 CIEFにおけるバンドの広がり
1.2.4 CIEFにおけるピークの検出
1.2.5 その他の留意点
1.3 キャピラリー等速電気泳動(CITP)
1.3.1 CITPの原理
1.3.2 CITPのオンライン濃縮法としての利用
1.4 キャピラリーゲル電気泳動(CGE)
2.擬似固定相を用いる分離モード
2.1 動電クロマトグラフィー(EKC)
2.2 ミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)
2.3 シクロデキストリン動電クロマトグラフィー(CD-EKC)
3.固定相を用いる分離モード
3.1 キャピラリー電気クロマトグラフィー(CEC)
3.1.1 CECの原理
第3節 測定試料に応じたキャピラリーの選択
1.市販キャピラリー
1.1 フューズドシリカキャピラリー
1.1.1 カチオン性試料
1.1.2 アニオン性試料
1.1.3 中性試料・光学異性体
1.1.4 タンパク質・ペプチド
1.1.5 核酸
1.2 内表面修飾キャピラリー
1.2.1 カチオン性修飾キャピラリー
1.2.2 アニオン性修飾キャピラリー
1.2.3 中性(親水性)修飾キャピラリー
1.2.4 中性(疎水性)修飾キャピラリー
1.2.5 その他
2.キャピラリーの内表面修飾
2.1 物理吸着・固定化による内表面修飾
2.2 化学結合による内表面修飾
2.3 ダイナミックコーティング
第4節 キャピラリー洗浄での留意点
1.未修飾キャピラリーを初めて使用する場合
1.1 キャピラリーの洗浄方法
1.2 分離分析後のキャピラリーの洗浄方法
2.修飾キャピラリーを使用する場合
2.1 共有結合によりキャピラリーが修飾されている場合
2.2 物理吸着によりキャピラリーが修飾されている場合
〜泳動用の緩衝液にキャピラリー修飾剤を含まない場合〜
2.3 物理吸着によりキャピラリーが修飾されている場合
〜泳動用の緩衝液にキャピラリー修飾剤を含む場合: Dynamic coating〜や動電クロマトグラフィーの場合
3.ポリマーキャピラリーを使用する場合
4.キャピラリーの洗浄方法
4.1 市販の装置を使用する場合
4.2 自作の装置を使用する場合
4.2.1 洗浄操作
4.2.2 キャピラリーとシリンジポンプの接続
5.キャピラリーの保管
第5節 分離モードに応じた泳動液/添加剤の特徴と選択
1.各分離モードによる泳動液の選択
1.1 キャピラリーゾーン電気泳動
1.1.1 泳動液の組成(種類と塩濃度)
1.1.2 泳動液のpH
1.1.3 添加剤の選択
1.2 キャピラリーゲル電気泳動
1.3 キャピラリー等電点電気泳動
1.4 ミセル動電クロマトグラフィー
1.4.1 界面活性剤の種類
1.4.2 泳動液のpH
1.4.3 添加剤の選択
第6節 測定試料に応じた検出器の選択
1.分子スペクトル法
1.1 吸光検出
1.2 蛍光検出
1.3 その他
2.電気化学法
2.1 電気伝導度検出
2.2 ポテンショメトリー検出
2.3 アンペロメトリー検出
3.質量分析法
3.1 シースレス式
3.2 シース液式
3.3 液絡式
4.分析対象に応じた検出器の選択
4.1 金属イオン
4.2 無機陰イオン:
4.3 有機小分子
4.4 タンパク質
4.5 核酸
第7節 キャピラリー電気泳動法の測定上の留意点
1.泳動溶液の調製
2.試料の導入
2.1 圧力差による導入法
2.2 電気的導入法
3.温度の制御
4.泳動条件の設定
5.分離能・再現性に影響を及ぼす要因
第8節 試料前処理での留意点
1.試料の前処理
2.前処理で得た最終試料溶液と泳動用緩衝液との混合について
3.オンライン電気泳動濃縮−CE
4.オンライン固相抽出(SPE)−CE
5.オンライン膜分離―CE
5.1 オンライン膜濃縮−CE
5.2 オンライン膜ろ過−CE
第9節 マイクロチップ電気泳動の活用
1.マイクロチップ電気泳動の装置構成
2.マイクロチップの素材と製造方法
3.チップ上への試料導入
4.マイクロチップ電気泳動の分離モード
5.マイクロチップ電気泳動の実用例
第10節 モーメント理論に基づくキャピラリー電気泳動の分離挙動解析
1.モーメント理論(解析)の解説
1.1 モーメント理論による溶出ピーク形状の解析
1.2 モーメント理論が必要な理由
1.3 モーメント解析法の基本的概念と特長
2.モーメント式の開発
2.1 拡散に関するEinstein式とランダムウォークモデルの組み合わせによる方法19,20)
2.2 Galileiの相対性原理とLaplace変換に基づく方法21,22)
3.モーメント式の体系化
3.1 分子間相互作用(会合・解離平衡,化学反応速度)19,21)
3.1.1 基礎式
3.1.2 一次絶対モーメント
3.1.3 二次中央モーメント
3.2 物質移動現象(分子集合体への分配平衡,界面透過速度)20,22,23)
3.2.1 基礎式
3.2.2 一次絶対モーメント
3.2.3 二次中央モーメント
3.3 物質移動現象(吸着平衡,吸脱着速度)23)
3.3.1 基礎式
3.3.2 一次絶対モーメント
3.3.3 二次中央モーメント
4.関連パラメータの推算と実験データの補正
4.1 軸方向拡散
4.2 試料溶液注入
4.3 ピーク検出
4.4 ジュール熱の発生
5.モーメント理論に基づく化学現象解析
5.1 CE系を利用する化学現象解析の概説
5.2 CEデータのモーメント解析手順
6.モーメント解析の実施例
6.1 分子間相互作用
6.2 分子集合体の界面における物質透過現象
第11節 スペクトルデータの基本的な読み方・解析での留意点
1.キャピラリー電気泳動法で得られるデータの構造
2.検出されるピークの形状
3.移動度
4.ピーク幅
4.1 半値幅(Full width at half maximum; FWHM)) 法
4.2 接線(Tangent)法
4.3 二階微分(Second derivative)法
5.分離度
6.理論段数
7.シグナル/ノイズ比
8.測定濃度範囲の決定
9.ピーク検出時間の補正
第12節 ピーク形状の歪み・異常の原因と対策
1.ピーク形状
1.1 泳動溶液の組成
1.2 注入法の影響
1.3 キャピラリー内壁への吸着
2.タンパク質の吸着
2.1 添加剤
2.2 ポリマーコーティング
2.3 小分子によるコーティング
3.温度効果
第13節 質量分析のデータの見方
1.質量分析の概要
1.1 質量分析計の構成
1.2 イオン源
1.3 質量分離部
1.4 質量分析から得られるデータ
2.CE-MSの応用例
2.1 高感度ターゲット解析(CE-QqQMS)
2.2 CE-OrbitrapMSを用いた網羅的解析
第14節 キャピラリー電気泳動とイオンクロマトグラフィーの比較
1.イオンクロマトグラフィー
2.イオンクロマトグラフィーとキャピラリー電気泳動法の比較
2.1 電気浸透流
2.2 試料導入量
2.3 再現性
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