1節 NMRによる高分子分析のための前処理
1.粉砕
2.分離
2.1 濾過
2.2 抽出
2.3 溶解再沈
2.4 固相抽出
2.5 クロマトグラフィー
3.反応
3.1 分解
3.2 誘導体化
4.前処理における注意点
2節 高磁場NMRによる高分子材料の解析
1.高分子材料の分子構造と物性
2.高磁場NMRの発展と高分子材料
3.高分子材料解析に適した検出器の選択
4.高磁場NMRを用いるメリットと測定上の注意点
4.1 高磁場NMRのメリット
4.2 縦緩和時間と磁場強度
5.高磁場NMRによる高分子材料の構造解析
5.1 NMRによる高分子材料の一次構造解析
5.2 ポリエチレンの分岐構造
5.3 エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)の分子構造と耐寒性
5.4 ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の分子構造評価
5.5 高磁場NMRの高分子材料解析への応用例
3節 磁場配向を利用したNMR解析とその低分子化合物を中心とした応用例
1.磁場配向の原理とその条件
2.磁場配向を利用したNMR
2.1 一軸磁場配向のNMR
2.2 二軸磁場配向(三次元磁場配向)のNMR
4節 ESR,TDNMRによるポリマーの反応解析および物性評価
1.ESR概略
1.1 ポリマー中のラジカル反応
1.2 ポリマー開始剤反応
1.3 ポリマー重合反応
1.4 架橋反応
1.5 劣化反応(光劣化)
1.6 熱劣化
1.7 安定剤
1.8 ESRイメージングによるラジカル分布
1.9 オンライン測定
2.TDNMR概略
2.1 TDNMRの解析
2.2 ポリプロピレンのキシレン可溶成分
2.3 添加剤の評価
2.4 架橋の評価
2.5 劣化評価
2.6 放射線照射によるポリマーの物性評価
2.7 ゴムの引張による緩和時間の変化
2.8 接着剤の硬化過程の観測
2.9 MQ法による架橋密度の評価
5節 計算科学とNMR実験による高分子材料の構造・物性相関の解明
1.ポリプロピレンオキシドのコンホメーション解析
2.プロピレンオキシド2量体の13C NMR化学シフト
3.スピンースピン結合定数の量子化学計算
6節 NMRによる微生物産生高分子およびその高分子複合体の分子構造解析
1.微生物産生ポリアミノ酸:ポリ(ε-リジン)とポリ(γ-グルタミン酸)
1.1 ポリ(ε-リジン)
1.2 ポリ(γ-グルタミン酸)
2.試料およびNMR装置
2.1 試料
2.2 ε-PLおよびγ-PGA高分子複合体の作成
2.3 円二色性,IRおよびNMR測定
3.ε-PLの溶液および固体CD
4.ε-PLの溶液NMR
5.ε-PLの固体NMR
5.1 ε-PLの13Cおよび15N固体NMR
5.2 ε-PLの13Cスピン‐格子緩和時間(T1)測定および結晶相と非結晶相の分離測定
5.3 ε-PLのCPD(交差脱分極)およびCPPI(交差分極反転)を用いた帰属
5.4 ε-PLのカルバメート化
6.ε-PLの高分子複合体の固体NMR
6.1 ε-PLとポリ(アクリル酸)(PAA)の高分子複合体ε-PL/PAA
6.2 ε-PLとポリ(ビニルアルコール)(PVA)の高分子複合体ε-PL/PVA
6.3 ε-PLとカルボキシメチルセルロース(CMC)の高分子複合体ε-PL/CMC
6.4 ε-PLとカルボキシメチルセルロース(CMC)の混合水溶液へのCO2バブリングによるゲルの形成
7.γ-PGAの固体NMR
8.γ-PGAの高分子複合体の固体NMR
7節 NMRによるπ共役系らせん高分子の構造解析
1.NMRによるπ共役らせん高分子の伸縮振動の解析
2.一置換ポリアセチレンのシーケンス解析
8節 NMR法による天然高分子の構造、運動性解析
1.無機ナノ粒子と無機材料結合ペプチドの相互作用解析
1.1 無機材料結合ペプチド
1.2 ペプチドとTiO2ナノ粒子表面の相互作用解析
1.3 解離定数の評価
1.4 TiO2に結合したTBPの立体構造
1.5 TiO2とSiO2の比較
2.液状絹の溶液NMR構造解析
2.1 繊維化前フィブロインの立体構造
2.2 化学シフトの決定と局所構造の評価
9節 リグノセルロース高分子のNMR法による構造解析
1.溶液NMR法におけるリグノセルロース高分子試料の特徴
2.リグノセルロース高分子の溶液NMR分析手法
2.1 試料調製
2.2 NMR測定用重水素標識溶媒への溶解条件
2.3 リグノセルロース試料の溶液NMR測定と解析
2.4 2次元NMRにおける定量評価
3.リグノセルロース高分子の溶液NMR法実験の実際例
3.1 NMR法によるリグノセルロースの生分解過程の解析
3.2?リグニン-多糖間結合の多次元NMR法による構造決定
10節 2次元NMR法によるセルロース系材料の構造解析
1.セルロース溶液のNMR分析
1.1 セルロース溶剤を用いた分析
1.2 セルロース誘導体の溶液NMR分析
2.不溶セルロースの構造解析
2.1 セルロース系材料のgel-state NMRによるHSQC-NMR分析
2.2 表面化学修飾セルロースの分析
2.3 樹脂コンポジット中のセルロースと相容化剤の結合に関する研究
2.4 NMRによるセルロースと有機顔料の相互作用解析
11節 固体NMRを用いた絹の構造解析
1.家蚕絹繊維化前の構造( Silk I )の決定
1.1 Silk I化学シフトを用いたアラニン残基の内部回転角の取りうる範囲の決定
1.2 2次元固体スピン-拡散13C NMRを用いた、Silk I構造のアラニン及びグリシン残基の内部回転角の決定
1.3 REDOR法を用いた原子間距離決定に基づく、Silk I構造のアラニンおよびグリシン残基(Silk
I)の内部回転角の検証
1.4 Silk I構造の構築
2.家蚕絹繊維化後の構造(Silk II)の決定
12節 NMR法による高分子複合材料のグラフト構造解析
1.相溶化剤:MA-g-PO
1.1 MA-g-POとは
1.2 グラフトMA構造解析の旧来法と開発法
2.高感度二次元相関NMR法による微量グラフトモノマー構造の直接解析
2.1 高濃度溶液作成およびNMR実験条件
2.2 各種二次元相関NMR法による構造解析
3.NMRパルステクニックを駆使したオリゴマーグラフトの構造解析
3.1 NMR実験手順
3.2 1H NMRスペクトル
3.3 13C DEPTスペクトル
3.4 1H-1H DQF-COSYスペクトル
3.5 1H T2-edited spectroscopy
3.6 各種グラフト構造
4.化学反応およびNMR法を組み合わせた超微量グラフトMAの高感度解析
4.1 グラフトMAのメチル化反応
4.2 メチル化グラフトMAの1H NMR分析
13節 ESRによるポリマーアロイ、ブレンドの構造解析
1.ガラス転移温度評価
2.スピンラベル法によるブロック共重合体のミクロ相分離構造と分子運動性との相関
3.アイオノマーにおける局所ガラス転移温度
14節 量子化学計算によるポリマーブレンドの分子間相互作用とIR波数,NMR化学シフトの評価
1.量子化学計算による分子間相互作用とIR波数,NMR化学シフトの評価 ーギ酸二量体を例にしてー
1.1 計算環境の整備
1.2 一分子の構造の再現性
1.3 基底関数重なり誤差(BSSE)と分子間相互作用エネルギー
1.4 NBO解析による分子間相互作用の分解と評価
1.5 IR波数と13C NMR化学シフトの評価
2.高分子ブレンドへの応用
15節 クレイへの有機物吸着のNMRによる解析
1.交差緩和を利用したNMR手法の利用
2.qNMR法によるクレイへの有機物吸着量の評価
3,qNMR法
4.将来展望
16節 パルスNMRによる高分子の分子運動性解析
1.結晶性樹脂の分子運動性解析
2.架橋樹脂の分子運動性解析
2.1 架橋度評価
2.2 架橋反応による架橋点の経時変化の評価
2.3 感温性ゲルのゲル化挙動解析
17節 固体重水素NMR法による高分子複合材料のダイナミクス解析
1.2H NMRスペクトルの測定法
2.2H NMRスペクトルのシミュレーション法
3.2H NMRによる多孔性配位高分子(PCP)/金属有機構造体(MOF)の解析
4.2H NMRによるプロトン伝導性高分子複合体の解析
18節 多周波数NMR緩和測定を用いた分子ダイナミクス解析
1.NMR緩和の一般論
2.縦緩和時間(T1)
2.1 測定法
2.2 緩和時間の共鳴周波数依存性の測定
2.3 温度依存性の測定
3.横緩和時間(T2)
3.1 測定法
3.2 拡散測定
19節 1Hスピン-スピン緩和時間(T2)測定による高分子材料の劣化評価
1.ゴムシール材の劣化の定量化(架橋反応と可塑剤減少を伴う劣化の定量化)
2.ゴムダイヤフラムの劣化の定量化(架橋、分子鎖切断、可塑剤の減少が同時進行する劣化の定量化)
3.ウレタンの劣化挙動の推定(軟質高分子における複雑な劣化挙動の推定)
20節 NMRを用いた映像トリアセテートフィルムの材質同定と劣化診断
1.映像フィルムの歴史とビネガーシンドローム
1.1 写真・映画フィルムの変遷
1.2 ビネガーシンドローム
2.NMRによるフィルム支持体分析
2.1 アセチルグルコースのNMRスペクトル26, 27)
2.2 高温化によるシグナルのシャープ化と水由来シグナルとの分離
2.3 検量線の作成
3.劣化診断法と具体的劣化診断
3.1 調査フィルムライブラリの由来
3.2 分析方法
3.3 フィルムのNMRスペクトルと材質分析および劣化度診断
21節 PGSE-NMR法によるリチウムイオン二次電池微多孔セパレータ中のイオン拡散挙動評価
1.PGSE-NMR法による拡散係数の測定
2.リチウムイオン二次電池セパレータ中のイオン拡散挙動評価
2.1 リチウムイオン二次電池セパレータ
2.2 PGSE-NMR法により得られる情報;概要
2.3 孔構造の異方性の影響
2.4 孔構造の空間分布の影響
2.5 多層セパレータ界面の影響
22節 パルス磁場勾配NMR法によるイオン液体型ポリマーの拡散係数解析
1.イオン液体型ポリマーの合成とその性質
2.イオン液体型ポリマーのパルス磁場勾配NMR測定
3.微粒子積層型ポリマー電解質の開発
23節 共存気体のNMR観察による高分子材料の解析
1.高分子材料の気体収着特性
2.129Xe NMRポロシメトリー法の高分子材料への適用
2.1 129Xe NMRポロシメトリー法の概要
2.2 129Xe NMRポロシメトリー法によるミクロボイドの平均サイズ評価
2.3 ミクロボイドサイズの温度依存
2.4 ポリマーブレンドにおけるミクロボイドサイズ
2.5 結晶構造における分子鎖間隙の評価
2.6 ゴム状高分子へ収着したXeの129Xe NMR化学シフトの解釈について
3.共存気体の NMRデータによる気体拡散特性評価
3.1 ピーク線幅からわかる拡散特性
3.2 スピン−スピン緩和時間T2測定からの拡散特性と凝集高次構造の評価
3.3 磁場勾配パルス(PFG) NMR法による拡散特性の評価とその応用
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