1節 生体親和性を指向した機能性重合材料
はじめに
1.親水性多官能モノマーの基本特性
1.1 硬化性
1.2 溶解性
1.3 安定性(耐加水分解性)
1.4 安全性(生物学的安全性)
2.架橋ポリマーとした場合の基本特性
3.生体親和性材料として応用した実例
3.1 抗血栓性
3.2 血漿タンパク質吸着性
3.3 がん細胞接着性 〜なぜ抗血栓性のがん細胞接着性材料が必要なのか?〜
おわりに
2節 GLMA系生体適合性ポリマーのタンパク質吸着性
はじめに
1.中間水と細胞接着
2.中間水が少ないGLMA(グリセリンモノアクリレート)系ポリマー
3.中間水が多いGLMA系ポリマー
4.GLMA系ポリマーの生物接着
5.GLMA系ハイドロゲル
6.おわりに
3節 シクロオレフィンポリマー(COP)のタンパク質吸着性、凝集体について
はじめに
1.環状オレフィンポリマー(COP)
1.1 COPの原料について
1.2 COPの合成方法について
2.医療用包装材料としてのCOP
2.1 透明性
2.2 強度
2.3 低温特性
2.4 不純物
2.5 各種滅菌方法への適合性
3.COP製シリンジ中のタンパク質の吸着性、凝集性
3.1 シリンジへのタンパク製剤の吸着性について
3.2 シリンジ中のタンパク製剤の凝集体発生について
4節 低吸着樹脂の製品開発と材料表面の付着性評価
はじめに
1.従来のディスポーザブル樹脂製品と求められる製品
1.1 規格サイズの統一
1.2 低吸着の定義
1.3 低吸着樹脂製品
2.シロキサン含有樹脂製品の基本設計
2.1 シリコーンが剥離しない樹脂製品
2.2 製造上の解決すべき課題点
3.低吸着の簡便評価法
3.1 従来の吸着評価法
3.2 蛍光顕微鏡を用いた吸着の直接評価
4.成型品の評価
4.1 平板成型品の吸着評価
4.2 成型条件の最適化
4.3 局面部位の吸着評価
5.DNAとタンパク質吸着の比較
5.1 ベース樹脂による吸着の比較
5.2 タンパク質を低吸着にする樹脂
6.液切れ評価
7.細胞培養の評価と製品評価
7.1 シロキサン含有樹脂シャーレを用いた細胞培養
7.2 シリコーン部の溶出評価
7.3 電子線滅菌によるシロキサン含有樹脂の影響
おわりに
5節 合成系コーティング材料「セックワン」の医療機器への応用
はじめに
1.セックワン?とは
1.1 セックワンの特徴
1.2 セックワンの親水性基の特徴
1.3 セックワンの疎水性基の特徴
1.4 セックワンの撥水性の特徴
2.セックワン?による抗血栓性作用機序
2.1 血栓形成カスケード
2.2 ヘパリンの効果
2.3 ウロキナーゼの効果
2.4 セックワン?の抗血栓性効果の考察
おわりに
6節 親水性ポリマーブラシの潤滑性と医療材料への応用
はじめに
1.ポリマーブラシによる表面の親水化
2.親水性ポリマーブラシによる水中潤滑機構
3.親水性ポリマーブラシの調製と医療への応用
おわりに
7節 タンパク質吸着抑制能を有する分解性ハイドロゲル表面の構築
はじめに
1.水中で表面近傍からの分解を生じるハイドロゲル
1.1 分解性温度応答性ハイドロゲル
1.2 分解性温度応答性ハイドロゲルの合成と物性解析
2. 表面近傍の分解により吸着したタンパク質を除去するゲル表面の構築
2.1 Poly(ethylene glycol)グラフト鎖の再露出
2.2 ゲル表面からの吸着したタンパク質の除去
3.今後の展望
8節 星型ポリマーコーティングによるタンパク質、細胞の付着抑制
はじめに
1.星型ポリマーの製造および表面コーティング
1.1 基材表面に対するポリマーのグラフト方法
1.2 ポリマーグラフト表面代替としての星型ポリマー
2.星型ポリマーコーティングによるタンパク質吸着抑制
2.1 星型ポリマーコーティング表面に対するタンパク質吸着量
2.2 星型ポリマーコーティング表面の電気的性質
3.星型ポリマーコーティングによる細胞付着抑制
おわりに
9節 タンパク質の吸着・脱離を制御できる温度応答型水圏機能材料
はじめに
1.温度応答性高分子と温度応答性クロマトグラフィー
1.1 温度応答性クロマトグラフィー
1.2 温度応答性高分子修飾クロマトグラフィー担体の作製方法
1.3 疎水性相互作用を強力にした温度応答性クロマトグラフィー
1.4 温度応答性イオン交換クロマトグラフィー
2.タンパク質分離のための温度応答性高分子を用いた分離材料
2.1 荷電性官能基を有する温度応答性高分子を用いたタンパク質分離用材料
2.2 タンパク質との特異的な相互作用を利用した温度応答型タンパク質分離精製材料
3.治療用細胞精製のための温度応答性高分子を用いた分離材料
3.1 温度応答性高分子を修飾したガラス基板による細胞分離
3.2 細胞との生物的親和性を利用した細胞分離
3.3 大容量細胞分離を実現する温度応答性マイクロファイバーと細胞分離カラム
4.次世代医薬品精製のための温度応答性高分子を用いた分離材料
4.1 ウイルスベクターの分離精製
4.2 細胞外小胞の分離精製
結言
10節 タンパク質吸着防止ポリマーの開発とタンパク質安定化効果
はじめに
1.BlockmasterTMの設計コンセプト
2.BlockmasterTMのタンパク質吸着防止性能
2.1 DB1130のタンパク質吸着防止性能及び体外診断薬への応用
2.2 PA1080によるプレート、メンブレンへのブロッキング効果及び細胞接着防止効果
3.BlockmasterTMのタンパク質安定化効果
3.1 BlockmasterTMのタンパク質安定化メカニズム
3.2 異なる材質の容器に対するBlockmasterTMのタンパク質(前立腺特異抗原PSA)安定化効果
3.3 凍結融解工程におけるBlockmasterTMのタンパク質(ペプシノーゲン(I),(II))安定化効果
おわりに
11節 低タンパク質吸着性、血液適合性を持つ医療用コンパウンド
1.医療現場で必要とされるプラスチック製品
1.1 三菱ケミカルの医療ソリューション
1.2 医療用コンパウンド Zelas?
1.3 低タンパク質吸着医療コンパウンドの可能性
1.4 タンパク質吸着の評価方法
2.両親媒性ポリマー含有コンパウンド ZelasTM AMP
2.1 開発背景
2.2 μBCA法によるタンパク質の吸着量の評価
2.3 ZelasTM AMP-Key polymer
2.4 軟質ポリ塩化ビニル(軟質PVC)へのZelas?AMP-Key polymerの改質効果
2.5 医療用ポリウレタンへのZelas? AMP-Key polymerの改質効果
3.非晶性オレフィン Zelas? CPの開発
3.1 開発の背景
3.2 医薬品包装への展開
3.3 検査診断機器/理化学消耗品への展開
4.医療用素材の事業環境と今後の展開
12節 MPCポリマーコーティングによる義歯用レジンへのカンジダ付着抑制効果
はじめに
1.MPC-polymerおよびアクリル義歯用樹脂プレート(acrylic denture
resin plates: ADRP)の調整と特性
1.1 ADRPの親水・疎水性への影響(接触角の測定)
2.MPC-polymerのCandida増殖に対する影響
3.MPC-polymerがCandidaのアクリル義歯用樹脂プレート(ADRP)への付着に及ぼす影響
4.MPC-polymer処理ADRPへのCandidaの付着とCandida表面の疎水性との相関関係
おわりに
13節 MPCポリマーの特性と生体適合性ポリマーとしての可能性
はじめに
1.MPCポリマーの特性
1.1 MPC(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)とは
1.2 MPCポリマー
1.3 MPCポリマーの機能と生体適合性
1.3.1 生体適合性とは
1.3.2 MPCポリマーの機能
1.4 MPCポリマーの用途
1.4.1 アイケア分野
1.4.2 医療用デバイス・組織培養分野
1.4.3 診断薬分野
おわりに
14節 タンパク質の吸着や細胞の付着を防ぐ表面コーティング材料設計
はじめに
1.コーティング材料(Chol-U-Pr-mPEG)の水溶液物性評価
2.コーティングされたPP表面の特性
3.タンパク質の吸着抑制
4.血小板の付着抑制
5.おわりに
15節 病原微生物の付着と定着のメカニズムと付着・定着を抑制する成分の検索
はじめに
1.食品成分からのバイオフィルム阻害剤の検索
1.1 茶カテキンによるバイオフィルム阻害
1.2 キノコ抽出物によるバイオフィルム阻害
2.AIの不活化によるバイオフィルムの制御
2.1 E. corrodensにおけるAI-2の不活化によるバイオフィルムの制御
3.細菌が生産するバイオフィルム阻害剤
3.1 植物内生放線菌からのバイオフィルム阻害剤の検索
3.2 南極で分離した細菌からのバイオフィルム阻害剤の検索
16節 小麦粉由来アラビノキシランの大腸菌付着抑制効果
はじめに
1.大腸菌の非生物素材への付着に対する穀類抽出液の影響
2.小麦粉由来付着抑制物資の精製と性質
3.種々の細菌の非生物素材への付着に対するアラビノキシランの抑制活性
3.1 種々の細菌の非生物素材への付着に対するアラビノキシランの抑制活性
3.2 腸管出血性大腸菌O157の付着に対する市販多糖類の影響
4.種々の非生物素材への大腸菌の付着に対するアラビノキシランの抑制効果
5.アラビノキシランによる素材表面の物性変化
6.素材表面に付着したアラビノキシランの洗浄方法
終わりに
17節 テオブロミンおよびS-PRGフィラー含有歯面コーティング材の細菌付着抑制効果
はじめに
1.歯面コーティングの開発
1.1 テオブロミンとは
1.2 S-PRGフィラーとは
1.3 テオブロミンおよびS-PRGフィラー含有歯面コーティング材
2.まとめ
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