PFAS 撥水 書籍
 
No.2291
PFASの規制動向と対応技術
“ぬれ性“の制御と表面処理・改質技術

★世界で加速化するPFAS規制、有機フッ素化合物を使わない撥水・撥液技術の開発が急務に!
★フッ素を使わなくても優れた撥水・撥油性を実現する手法とその効果を解説した一冊!

非フッ素撥水撥油技術の開発動向と性能評価
〜PFAS規制への対応に向けた代替技術の開発〜

発刊予定 : 2025年4月末日  体 裁 : A4判 約350頁   定 価:88,000円(税込)  ISBN:978-4-86798-069-9


 
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■ 本書のポイント

【フッ素フリー撥水・撥油材料、製品の開発事例】
・シリコーン系コーティング剤の特徴と応用技術
・ポリウレタンコーティングの設計と撥液性評価
・これまでにない優れた動的特性を有するフッ素フリー撥水撥油材料
・繊維用フッ素フリー撥水剤の開発と要求性能
・表面修飾ナノシートを活用したフッ素フリー高撥水膜の作製
・水、油、有機溶媒を僅かな傾斜で滑落可能なフッ素フリーコーティング剤
・セルロースナノファイバーを活用した滑液技術の開発
・非フッ素系低表面エネルギー界面活性剤の設計と性能評価
・PFASを使用しない非フッ素耐油紙の開発と性能評価
・PFAS不使用エアフィルタろ材の開発

【バイオミメティクスを活用した表面機能の付与技術】
・フナムシの脚を模倣した液体輸送表面
・イネの葉の超撥水性発現メカニズム
・アメンボの持つ撥水機能とその応用可能性
・生物のシワ形成過程から着想を得た超撥水フィルム
・ムール貝の接着タンパクを模倣したPFASフリー分散剤

【微細構造の形成技術と非フッ素撥水・撥油表面の作製】
・ナノインプリント法による微細構造の形成と撥水・撥油表面の作製
・高分子材料への微細転写成形と撥水撥油性の付与
・レーザー微細加工技術による非フッ素撥水撥油表面の開発事例とその可能性
・ショットブラスト処理を用いた金属材料への撥水性付与
・射出成形による撥水性プラスチック部品の開発

 

■ 執筆者(敬称略) 

平山技術士事務所 平山 中 奥野製薬工業(株) 辻本 貴光
大阪ガスケミカル(株) 島野 紘一 岐阜大学 高橋 紳矢
(国研)防災科学技術研究所 佐藤 研吾 (国研)産業技術総合研究所 竹下 覚
三井化学(株) 岡部 晃博 名古屋工業大学 石井 大佑
三井化学(株) 永井 直 富山県立大学 山岸 里緒
日華化学(株) 前田 高輔 富山県立大学 竹井 敏
東ソー(株) 白木 慶彦 旭川医科大学 眞山 博幸
(株)KRI 福井 俊巳 東京大学 伊藤 純一
(国研)物質・材料研究機構 天神林 瑞樹 茨城大学 上杉 薫
(株)SNT 堀田 芳生 富山県立大学 遠藤 洋史
(国研)産業技術総合研究所 中村 挙子 東北大学 藪 浩
ビックケミー・ジャパン(株) 若原 章博 東京都立大学 柳下 崇
慶應義塾大学 緒明 佑哉 山形大学 峯田 貴
弘前大学 鷺坂 将伸 山形大学 伊藤 浩志
花王(株) 土屋 雄作 信州大学 後藤 蓮
王子エフテックス(株) 守田 仁哉 信州大学 山口 昌樹
北越コーポレーション(株) 佐藤 正 (国研)土木研究所 櫻井 俊光
(国研)産業技術総合研究所 穂積 篤 防衛大学校 大越 昌幸
(株)魁半導体 山原 基裕 大阪産業大学 南部 紘一郎
(一社)先端材料研究機構 高井 治 公立千歳科学技術大学 平井 悠司
長岡技術科学大学 佐々木 徹 (株)IBUKI 佐藤 誠
大阪公立大学 大久保 雅章 長野工業高等専門学校 柳澤 憲史
奈良先端科学技術大学院大学 安原 主馬 鳥取大学 斎藤 千夏

■ 目  次

第1章 フッ素フリー撥水・撥油材料の開発と応用事例

第2章 非フッ素系撥水・撥油表面、薄膜の作製技術

第3章 生物模倣技術による非フッ素撥水・撥油・防汚技術

第4章 微細構造加工技術による撥水・撥油表面の作製


◇第1章 フッ素フリー撥水・撥油材料の開発と応用事例◇

第1節 PFAS規制がフッ素系コーティングに与える影響と代替技術の可能性
1.フッ素系コーティングの種類と用途
2.PFAS規制がフッ素系コーティングに与える影響
3.フッ素系コーティングの代替技術の可能性
 3.1 現状における代替技術の問題
 3.2 撥水・撥油コーティングの考え方
 3.3 フッ素系撥水・撥油コーティングの代替技術
  3.3.1 シリコーン系コーティング
  3.3.2 シリケート系コーティング
  3.3.3 その他撥水・撥油コーティングの可能性

第2節 PFAS規制に対応したシリコーン系機能性コーティング剤の特性とその応用技術
1.PFAS代替材料としてのシリコーン系コーティング剤
 1.1 PFAS規制対応とは
 1.2 シリコーンの基本的な特性
 1.3 シリコーン系機能性コーティング剤の応用技術
2.着雪防止に対する応用技術
 2.1 湿雪と乾雪について
 2.2 雪の付着に影響する相互作用
  2.2.1 湿雪の付着とその対策
  2.2.2 乾雪の付着とその対策
 2.3 既存の着雪対策コーティング剤
  2.3.1 湿雪の落雪促進コーティング剤の既存技術 (親水性・超親水性技術の応用)
  2.3.2 乾雪の付着防止コーティング剤の既存技術 (超撥水性技術の応用)
3.PFAS規制対応の着雪防止・落雪促進コーティング剤の新規技術
 3.1 滑水性という着眼点 -シリコーン系ポリマーがフッ素系ポリマーを超える性質-
 3.2 着雪防止効果と落雪促進効果の評価結果
  3.2.1 屋外ばく露試験の事例1 -親水性と撥水性&滑水性の比較-
  3.2.2 屋外ばく露試験の事例2 -フッ素系とシリコーン系の比較-
 3.3 耐候性試験

第3節 シリコーン系フィルム改質剤の開発と加工助剤への応用
1.背景
2.イクスフォーラRの設計指針
 2.1 構造設計
 2.2 合成反応の設計
 2.3 触媒設計
  2.3.1 オレフィン重合用Zr錯体触媒
  2.3.2 ヒドロシリル化反応用Ptナノ粒子触媒
3.イクスフォーラRの特長
4.改質剤としてのイクスフォーラR
 4.1 離型性
 4.2 液切れ性,防汚性
 4.3 耐摩耗性
5.イクスフォーラRを用いた加工助剤への展開

第4節 繊維用フッ素フリー撥水剤の開発と応用事例
1.撥水の原理
2.繊維用フッ素フリー撥水剤
 2.1 繊維用フッ素フリー撥水剤の種類
 2.2 繊維用フッ素フリー撥水剤に求められる性能と評価方法
 2.3 繊維製品の撥水加工方法
3.当社におけるフッ素フリー撥水剤の開発
 3.1 アクリル系撥水剤の開発
 3.2 シリコーン系撥水剤の開発

第5節 平滑表面を持つ撥水・撥油性ポリウレタンコーティングの開発と物性
1.濡れのメカニズムと影響する因子
 1.1 表面形状の濡れへの影響
 1.2 表面エネルギーと濡れの関係
 1.3 表面エネルギーの起源
2.PUコーティングの撥液性評価と表面解析
 2.1 撥液性PUの設計と合成
 2.2 ウレタン基含有量の濡れ性に与える影響
 2.3 PCD PUを用いた密度の濡れ性への影響検証
 2.4 HHPF PUの濡れ性とXRRでの表面密度解析

第6節 ナノ構造制御によるフッ素フリー撥水撥油材料の開発
1.撥水・撥油、滑落性の基本コンセプト
2.ハイブリッド系撥水撥油材料
 2.1 撥水撥油性と滑落特性
 2.2 ナノ相分離構造
 2.3 機械特性
 2.4 耐熱性
 2.5 プライマリーフリーでの成膜性
3.シリコーン系撥水撥油材料

第7節 フッ素フリー撥水・撥油コーティング剤の開発
1.超撥水・超撥油表面の課題と実用化の動向
2.潤滑液含浸多孔質表面(SLIPS)
3.SLIPSを一液形成可能なコーティング剤の開発
4.SLIPSの一液形成メカニズム
5.SLIPSの安定性と撥液性
6.コーティング剤の応用事例

第8節 非フッ素材料による撥水撥油表面をつくるコーティング開発
1.表裏一体の有機フッ素材料・メリットとデメリットを解決する代替技術の開発
2.代替技術としての超撥水コートとSNT滑落コート
 2.1 SNT超撥水コートとその研究事例
 2.2 凹凸構造の形成へのアプローチとその実践
 2.3 コーティングによるアプローチ(蓮の葉)
 2.4 塗布対象物の凹凸構造を活かすアプローチ(鳥の羽根)
  2.4.1 不織布へのコーティング
  2.4.2 超撥水不織布の安全・衛生用品への応用開発
 2.5 成形圧縮で凹凸構造をつくるアプローチ(昆虫の眼)
 2.6 SNT滑落コートの紹介
  2.6.1 透明である
  2.6.2 低摩擦である
  2.6.3 水や油が付着しにくい
3.よく滑る“滑落コート”のフッ素代替技術への提案
 3.1 フッ素材料に対する優位性
 3.2 SNT滑落コートの更なる弾き性向上へ(凹凸構造)
4.撥水撥油のフッ素代替技術のこれから

第9節 光表面化学修飾によるフッ素フリー撥水コーティング技術
1.光表面化学修飾技術の設計指針
2.フッ素フリー撥水化技術
3.繊維布帛への適用

第10節 フッ素フリー添加剤による膜のスリップ性・撥水効果付与及びプロセス向上
1.フッ素系添加剤の用いられている分野
2.コーティング分野でのPFASフリー添加剤
 2.1 表面調整剤
  2.1.1 表面調整剤の役割
  2.1.2 主な表面調整剤の構造と機能
  2.1.3 マクロマー技術による液と膜の特性制御
  2.1.4 水系向け表面調整剤の開発動向
 2.2 消泡剤
  2.2.1 消泡剤による消泡メカニズム
  2.2.2 PFASフリーの消泡剤技術
  2.2.3 バイオベース消泡剤
 2.3 ワックス系添加剤
  2.3.1 ワックス系添加剤の一般的特徴
  2.3.2 PTFEフリーのワックス技術
  2.3.3 バイオベースのワックス様添加剤
3.熱可塑性樹脂でのPFASフリー添加剤
 3.1 溶融フロー向上とビルドアップ抑制の添加剤
 3.2 耐スリキズ性向上の添加剤

第11節 表面修飾ナノシートを活用したフッ素フリー高撥水膜の作製
1.2次元材料とナノシート材料への注目
2.はく離ナノシートのコーティングによる撥水表面の作製
3.ホスト・ゲスト・分散媒などの最適化による超撥水膜の作製
4.機械学習を用いた撥水性向上の因子検討
5.フッ素フリー超撥水コーティングの性質と応用

第12章 非フッ素系低表面エネルギー界面活性剤の開発と性能評価
1.非フッ素系低表面エネルギー界面活性剤の設計
2.ヘッジホッグ界面活性剤の表面エネルギー低下効果
3.表面張力低下効果に及ぼす界面活性剤吸着膜の疎水基層密度の影響
4.LSE界面活性剤の表面張力低下効率

第13節 セルロースナノファイバーを活用した滑液製品の開発
1.花王の界面制御技術とCNF
 1.1 花王の界面制御技術
 1.2 TEMPO酸化CNF
 1.3 CNFの疎水化技術
2.疎水性CNF滑液と花王滑液製品『ルナフロー』
 2.1 CNFの滑液化技術
 2.2 滑液膜の形成
 2.3 花王滑液製品『ルナフロー』の用途例
  2.3.1 土砂付着防止
  2.3.2 滑雪
  2.3.3 ゴム・プラスチック離型
  2.2.4 菌付着抑制

第14節 非フッ素耐油紙の開発と耐油性能について
1.PFAS(有機フッ素化合物)
 1.1 PFAS(有機フッ素化合物)の規制について
 1.2 ストックホルム条約について
2.耐油紙について
 2.1 フッ素耐油紙について
 2.2 耐油紙の非フッ素化を進めるメーカーの動向
 2.3 耐油紙の使用用途
 2.4 耐油紙の製造方法(ベース原紙)について
 2.5 耐油剤の塗工方法
 2.6 塗工方式による特徴まとめ
3.非フッ素耐油紙の性能評価について
 3.1 耐油紙の性能評価方法
 3.2 耐油紙の撥油イメージ
 3.3 非フッ素耐油紙の特徴について
 3.4 フッ素・非フッ素耐油紙の特徴まとめ
 3.5 非フッ素耐油紙の競合製品について
4.非フッ素耐油紙供給可能な製紙メーカー

第15節 PFAS不使用エアフィルタろ材の開発
1.エアフィルタろ材における撥水性
2.PFAS不使用エアフィルタろ材の開発
 2.1 開発の内容
 2.2 試作品の評価結果

 

◇第2章 非フッ素系撥水・撥油表面、薄膜の作製技術◇

第1節 動的ぬれ性の考え方と有機フッ素化合物に依存しない撥液(撥水・撥油)処理
1.ぬれの基礎:静的/動的ぬれ性
2.Liquid?like表面の特長
 2.1 有機シラン単分子膜
 2.2 ポリマーブラシ/薄膜
 2.3 有機?無機ハイブリッド薄膜

第2節 プラズマによる撥水性SAM膜の形成と液体の滑り性向上
1.プラズマとは
 1.1 プラズマの基礎
 1.2 プラズマの定義
 1.3 プラズマの生成
2.プラズマによる表面改質
 2.1 プラズマによる表面改質メカニズム
 3.2 プラズマ技術を活用した分子結合による新規表面処理
 3.3 シランカップリング系SAM形成表面改質による表面機能化
 3.4 イソシアネート化合物系SAM形成表面改質による表面機能化
3.非フッ素系SAM形成表面の撥水特性
 3.1 静的撥水性
 3.2 動的撥水性
 3.3 撥水性SAM膜の特性
 3.4 非フッ素系撥水性SAM膜の適応例

第3節 マイクロ波プラズマCVD法による透明超はっ水膜の作製と耐久性向上
1.マイクロ波CVD法による透明超はっ水薄膜の作製
2.硬質な超はっ水膜の作製
3.透明超はっ水膜の応用

第4節 大気圧プラズマとシリコーン撥水剤を用いた大面積撥水処理技術
1.シリコーンオイルの重合反応とその特徴
2.大気圧プラズマとシリコーンオイルを利用した両面撥水処理

第5節 大気圧プラズマ複合プロセスによるガラス表面の撥水化技術
1.接触角と表面特性の理論的背景
2.実験装置と方法
3.実験結果と考察
 3.1 親水化特性の測定
  3.1.1 プラズマパラメータの影響
  3.1.2 耐久性試験
 3.2 撥水化アプローチ
  3.2.1 サンプルの準備
  3.2.2 撥水性の耐久性試験結果
  3.2.3 非熱プラズマが撥水耐久性向上に果たす役割

第6節 微細表面処理技術を活用したアルミニウム表面への超撥水性付与
1.金属表面への撥水性付与技術
 1.1 金属表面を直接粗化するアプローチ
 1.2 低表面エネルギーを有する物質で表面にコーティング層を形成するアプローチ
2.アルミニウム表面の微細加工による撥水機能の実現


第7節 ナノ材料複合ポリプロピレンフィルムに発現する異方的撥水湿潤性
1.クレージングによる微多孔化
2.ナノ材料の埋め込みと固定化(二次加工)
3.材料のぬれ性(脱湿潤性)評価
4.ナノ材料複合ポリプロピレンフィルムの表面特性
 4.1 ナノ材料の埋込み固定方法
 4.2 表面形態と表面化学組成
 4.3 静的ぬれ
 4.4 動的ぬれ
 4.5 撥水湿潤効果


第8節 バイオポリマー系エアロゲル材料と疎水化改質
1.エアロゲルとは
2.超臨界乾燥
3.エアロゲルの素材
4.エアロゲルの疎水化
 4.1 シリカ、シリコーン系
 4.2 キトサンエアロゲル
  4.2.1 アルデヒド法
  4.2.2 トリメチルシリル法
 4.3 ポリシロキサン?バイオポリマー複合系

 

◇第3章 生物模倣技術による非フッ素撥水・撥油・防汚技術◇

第1節 バイオミメティクスによる表面・界面の機能化と液体操作
1.液体を操る生物表面
2.フナムシの脚の開放型微小流路(オープン流路)
3.フナムシ模倣オープン流路
 3.1 フナムシ模倣オープン流路の作製
 3.2 表面処理による化学組成制御
 3.3 静的接触角測定
4.フナムシ模倣オープン流路の応用
 4.1 構造の間隔による流速最適化
 4.2 構造の大きさや配列による流速最適化
 4.3 模倣流路を用いたエラー回避システム
 4.4 液体輸送デバイスの設計

第2節 超微細表面ナノ構造による防汚・撥水・抗菌加工技術と応用展開
1.バイオミメティクスによる持続可能な機能性表面の創出
2.超疎水性・抗菌性を発現する表面微細構造の設計とメカニズム
 2.1 Cassie-BaxterモデルとWenzelモデルによる超疎水性現象のメカニズム
 2.2 セミの翅を模倣した抗菌性を発現する表面微細構造の設計とメカニズム
3.バイオミメティクス構造を実現するための主な微細加工技術とその特性
 3.1 レーザーマイクロマシニング
 3.2 エッチング
 3.3 3Dプリンティング
 3.4 射出成形
 3.5 ナノインプリントリソグラフィ
4.バイオミメティクス微細構造表面の応用事例
 4.1 海洋工学分野における応用事例
 4.2 医療分野における応用事例
 4.3 食品分野における応用事例
 4.4 航空分野における応用事例
5.今後の展望

第3節 ハスの葉とシロアリの翅の表面構造をヒントにした超撥水表面のデザイン
1.ハスの葉の超撥水性
 1.1 ハスの葉の表面構造
 1.2 Cassie-Baxter状態とWenzel状態を隔てる要因
 1.3 ダブルラフネス構造が発生するラプラス圧
2.シロアリの翅の2重濡れ性
 2.1 テングシロアリの翅の表面構造
 2.2 2重濡れ性の理論


第4節 イネの葉の超撥水性発現メカニズムと遺伝子の解析
1.植物が持つ高撥水性の意義
2.超撥水性とその生物学的機能
3.イネの葉における超撥水性構造の構築
4.超撥水性に関与する分子遺伝的基盤
5.イネの葉の撥水性の多様性と進化
6.今後の課題と展望

第5節 アメンボの脚力測定,および撥水機構と撥水機能のモデル化
1.アメンボの脚力計測
 1.1 直接的な脚力計測
 1.2 間接的な脚力計測(画像解析)
2.アメンボ微細構造表面の撥水・防水モデル
 2.1 アメンボ微細構造の撥水モデル
 2.2 アメンボ微細構造の防水モデル
3.直接測定脚力を用いた撥水・防水性能評価

第6節 微細リンクル加工技術を基盤とした濡れ性制御
1.立体伸長法による微細リンクル構造の構築
 1.1 半球型立体伸長法
 1.2 長軸立体伸長法
2.微細リンクル構造フィルムへの超撥水加工
 2.1 半球型立体伸長法により作製した超撥水性フィルム
 2.2 長軸立体伸張法により作製した超撥水性フィルム
3.非フッ素系分子修飾によるスポンジ表面への微細リンクル構造発現と油水選択的吸収
 3.1 水面遊泳型の油分回収システムのコンセプト
 3.2 超撥水性スポンジの作製と湾曲PDMSフィルムへの装着
 3.3 超撥水性スポンジの油水選択的吸収と遊泳回収

第7節 非フッ素系PTFE粒子分散剤の開発と応用
1.ムール貝の接着タンパクを模倣した接着ポリマー
2.カテコール基含有モノマーと水溶性モノマーの共重合体をベースとしたPTFE微粒子分散
3.ポリドーパミンをベースとしたPTFE微粒子分散

 

◇第4章 微細構造加工技術による撥水・撥油表面の作製◇

第1節 ナノインプリントプロセスによるナノ規則表面の形成と撥水・撥油表面の作製
1.高規則性陽極酸化ポーラスアルミナ
2.高規則性ポーラスアルミナを用いたナノインプリント
3.高規則性ポーラスアルミナを用いたナノインプリントによる撥水表面の形成
4.ナノ・マイクロ階層構造の形成と接触角評価
5.高規則性ポーラスアルミナを用いた撥油表面の形成

第2節 微細凹凸構造による撥水可変デバイスの作製と濡れ性の動的制御
1.微細凹凸表面における濡れ性の基本的なメカニズム
2.撥水可変デバイスによる濡れ性の動的制御の原理とデバイス構造
3.撥水可変デバイスの作製プロセス
4.可変凹凸構造の変形と濡れ性変化の特性
5.撥水可変デバイスの応用(液滴移動のゲート機能)

第3節 高分子材料への微細転写成形と撥水撥油性の付与
1.射出成形技術における微細構造形成
2.ホットエンボス/ナノインプリントにおける微細構造形成
3.高分子材料への微細転写成形と撥水撥油性の付与

第4節 レーザー微細加工技術で拓く非フッ素撥油表面の新たな可能性
1.機能的テクスチャのレーザー加工
2.究極の撥液構造
 2.1 リエントラント構造
 2.2 オムニフォビシティ滑液表面による撥油・防汚
3.機能的テクスチャによる油洗浄性の付与

第5節 超短パルスレーザーによる表面微細加工と道路構造物の着氷防止への応用
1.雪と氷
 1.1 雪の性質
 1.2 雪と氷の付着
 1.3 道路インフラに利用される防氷技術
 1.4 表面改質による撥水技術と防氷技術への応用
 1.5 本研究の目的と取り扱う範囲
2.レーザー処理と水の接触角
 2.1 亜鉛めっき鋼板
  2.1.1 レーザー処理による亜鉛めっき鋼板の表面性状
  2.1.2 レーザー処理後の亜鉛めっき鋼板における水の接触角
 2.2 ステンレス
  2.1.1 レーザー処理によるステンレスの表面性状と水の接触角
 2.3 PDMS
3.防氷実験
 3.1 屋外試験
  3.1.1 屋外試験方法
  3.1.2 屋外試験結果
 3.2 室内実験
  3.2.1 室内実験方法
  3.2.2 室内実験結果

第6節 真空紫外レーザーによるシリコーンゴム表面への微細隆起構造の形成と超撥水化技術
1.シリコーンマイクロカップ構造の光化学的形成
 1.1 実験方法
 1.2 実験結果および検討
  1.2.1 レーザーフルエンス依存性
  1.2.2 レーザーパルス数依存性
  1.2.3 マイクロカップ構造の化学結合状態
2.シリコーンマイクロカプセル構造の光化学的形成
 2.1 実験方法
 2.2 実験結果および検討
  2.2.1 マイクロカプセル構造の形成と膜厚
  2.2.2 マイクロカプセル構造の化学結合状態
  2.2.3 マイクロカプセル構造へのイオン液体充填
  2.2.4 超撥水性の発現
  2.2.5 NaCl水溶液中での微小発電

第7節 ショットブラスト処理を用いたステンレス合金のぬれ性制御
1.表面テクスチャを利用したぬれ性制御
2.ショットブラスト処理の概要
3.実験方法
 3.1 試験片
 3.2 ショットブラスト処理条件
 3.3 接触角測定および表面自由エネルギー測定
 3.4 表面粗さ測定
 3.5 表面成分分析
4.実験結果および考察
 4.1 ショットブラスト処理された表面の接触角測定結果
 4.2 処理後の時間経過と接触角の関係
 4.3 表面粗さと接触角度の関係
 4.4 ショットブラスト処理された表面の成分分析結果
 4.5 表面自由エネルギーによる評価

第8節 熱加硫プレスによるゴム表面への微細構造転写と超撥水性付与
1.加硫ゴムを用いた微細構造作製と表面構造解析
 1.1 加硫ゴム微細構造の作製方法と表面構造解析
 1.2 加硫ゴム微細構造の延伸による構造制御
 1.3 加硫ゴム微細構造の動的濡れ性評価
 1.4 加硫ゴム微細構造の摩擦特性
 1.5 加硫ゴム微細構造の形状記憶機能

第9節 高〜超撥水機能を持つ射出成形技術の開発とプラスチック部品への応用
1.射出成形による撥水構造について
 1.1 撥水構造の課題
 1.2 当社の微細撥水構造
 1.3 撥水構造の射出成形プロセス
2.撥水性能の評価結果
 2.1 静的撥水角評価
 2.2 滑落性評価
 2.3 水滴残滓の影響
 2.4 滑落性の経時評価
  2.4.1 実験1/水滴の経時変化
  2.4.2 実験2/滑落角の経時的変化
  2.4.3 実験3/水滴10分静置後の滑落評価
 2.5 拭き取りの影響
3.PP材以外の樹脂材料ついて

第10節 カーボン材料と微細構造による滑水性固体表面の開発
1.転落角と摩擦力の科学
2.滑水性表面の設計と材料選定
 2.1 フッ素系材料を用いない滑水性表面
 2.2 シリコーン表面の微細構造化と炭素繊維複合化による静摩擦力制御
3.水滴の動きと動摩擦力 −滑水性の本質について考える−
 3.1 水滴の転落速度とその影響
 3.2 動摩擦力の測定と解析
 3.3 シリコーン系材料の動摩擦力

 

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