【講座主旨】
わが国実臨床おける糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)の治療満足度は低い実態があります。これは、糖尿病診療医の多くがDPNPの診断と治療に精通しておらず、漸増や併用を要するDPNP治療薬を十分使いこなせていないことが一因と考えられます。DPNP患者のニーズに応えるために、十分な疼痛抑制効果、速効性、忍容性があり、用量調節不要な薬剤が開発されること、そして糖尿病診療医がDPNP患者に向き合う機運が生まれることが期待されます。
【講演内容】
11.糖尿病性多発神経障害(diabetic polyneuropathy:
DPN)
@ 細小血管症とdying back型軸索変性(軸索長依存性障害)
A 病態(ポリオール代謝異常を中心に)
B 小径神経障害、大径神経障害、陽性症状と陰性症状
C 感覚、運動、自律神経障害
2.DPNの診断 〜簡易診断基準
@ 必須項目
A 条件項目(自覚症状、アキレス腱反射、振動覚検査)
B 注意事項
3.DPNの臨床病期分類
@ 前症候期(簡易診断基準満たさない)
A 無症状期(自覚症状なし、神経学的異常のみ)
B 症状期前期(感覚系陽性症状出現)
C 症状期中期(明らかな自律神経障害、感覚系陰性症状進行)
D 症状期後期(運動神経障害)
4.糖尿病性末梢神経障害性疼痛(diabetic
peripheral neuropathic pain: DPNP)
@ DPNPの診断と治療
A DPNP治療ガイドライン(JSPC)
B 最近のエビデンスとADAコンセンサス
C DPNP治療アルゴリズム(私案)?保険適用を考慮して
5.わが国のDPNP治療の現状と問題点
【質疑応答】
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