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<10:00〜11:30>
【第1部】研究加速を実現するデータプラットフォームの構築
日本ゼオン(株)
総合開発センター 基盤技術研究所 兼 デジタル統括推進部門改革推進室 長岡 正宏氏
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【講演趣旨】
当社では、研究開発データを一元管理するデータプラットフォームを構築し、開発スピードの向上を実現してきた。本講演では、データプラットフォームの構成要素であるデータの「蓄積」「活用」「提案」の観点から、それらの構築や活用事例を解説する。
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【講演項目】
1.データプラットフォーム概要
1.1 構成要素と機能
2.データ蓄積
2.1 実験データの構造化
2.2 実験データマネジメントシステム(DMS)の構築
2.3 DMS活用事例の紹介
3.データ活用
3.1 少量実験データに対する解析
3.2 画像・曲線データの解析
3.3 データ活用の民主化 −Auto MLツールの利用−
4.データ提案
4.1 能動学習による条件提案
4.2 ベイズ最適化による条件提案
【質疑応答】
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<12:15〜13:45>
【第2部】研究・実験データの収集・選定のポイントとDB構築の出口戦略
東京工業大学 科学技術創成研究院
准教授 安藤 康伸氏
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【講演趣旨】
マテリアルズ・インフォマティクス(MI)や研究デジタルトランスフォーメーション(DX)は、情報科学・技術を駆使して材料研究・開発を刷新することが目的であり、今後の国際競争を勝ち抜くための必須テーマです。これらを実現するためには、研究データの管理が極めて重要な役割を果たします。しかしながら、材料データは、一般的なビッグデータとは異なる性質を持っており、研究データ管理に課題意識を持つ研究者が多いのが現状です。
本講座では、MIの実践事例を通じて、研究活動で生じるデータの生成・蓄積・活用のサイクルについて知っていただき、特にデータ蓄積に必要な考え方・基礎知識について学んでいただきます。そして、データベース(DB)を作成する際の目的の明確化と出口戦略、そのために必要な具体的なスキルセットについても解説します。
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【講演項目】
1. マテリアルズ・インフォティクス概要
1.1 データ生成・蓄積・活用の循環サイクル
1.2 データ収集時に考えなければいけないこと
1.3 データ取得コストについて
1.4 活用可能なデータとは
1.5 制御可能な変数と計測可能な変数
2.
データ取得のためのベイズ最適化
2.1 ベイズ最適化の背後にある数理
2.2 自律実験装置とAIソフトウェア
2.3 ロボット制御のための環境整備
2.4 GPyOpt
2.5 OPTUNA
2.6 PHYSBO
3. 材料データ蓄積を行う上で必要なこと
3.1 データベース構築の3つの目的
3.2 データベースの種類
3.3 フラットファイルフォーマット
3.4 ツリー構造を利用した実験データ蓄積
3.5 電子ラボノートの事例
4. データベース開発に必要なスキルセット
4.1 誰のためのDBか?
4.2 開発コストの見積もり
4.3 デスクトップアプリとウェブアプリ
4.4 フロントエンドとバックエンド
4.5 ウェブアプリ開発:Django
4.6 ウェブアプリ開発:Streamlit
4.7 ウェブアプリ開発:JavaScript
4.8 ウェブアプリ開発:SQL
4.9 ウェブアプリ開発:noSQL
4.10 アジャイル開発という考え方
5.DB構築の出口戦略
5.1 パーソナルDB
5.2 DBを介した共同研究
5.3 DBの共有・共用
5.4 パブリックDB
5.5 材料データと課題の多様性への対応
【質疑応答】
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<14:00〜15:30>
【第3部】旭化成における共創型MI
旭化成(株)
デジタル共創本部 インフォマティクス推進センター データサイエンス部 山口 陽平氏
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【講演趣旨】
旭化成内でマテリアルズインフォマティクス(MI)が活用され始めて数年経ち、社内ではMIの活用が積極的に推進されている。
その一方で、自社の開発が顧客の製品開発の成功に直結しない場合もあり、迅速に顧客課題を解決するためには顧客との密な連携がカギになる。
本発表では、顧客との連携を可能にする秘密計算を活用した共創型MIに関して説明する。
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【講演項目】
1.背景、課題
1.1 マテリアルズインフォマティクスとは
1.2 旭化成内における活用実績
1.3 従来型の材料開発、MIにおける課題
1.4 共創型MIとは
1.5 活用想定例
2.共創型MIの種類
2.1 オープン、クローズドな企業間連携
2.2 従来ベースの連携
2.3 秘密計算を活用した連携
3.世の中の技術、動向
3.1 各種秘密計算技術の概要
3.2 関連する活動、企業について
4.旭化成における共創型MI
4.1 現状の分析基盤について
4.2 事例のイメージの紹介
4.3 活用する効果
4.4 活用する上でのリスク、対策、契約に関して
4.5 今後求められること
【質疑応答】
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<15:45〜17:15>
【第4部】電子実験ノートによるデータ収集・データ整形の効率化と運用
(株)レゾナック
計算情報科学研究センター 情報・インフォマティクスグループ 川原 悠氏
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【講演趣旨】
当社では社内情報の蓄積、共有、活用を目的に電子実験ノートの適用を2019年より進めてきました。当社では当初技術情報の蓄積と共有を主なメリットとして電子実験ノートを推進してきましたが、それだけではユーザにとってインセンティブとはなりにくく利用が思うように進みませんでした。そこでユーザが「電子実験ノートにデータを登録したくなる仕組み」を作る事で活用がさらに進むと考え電子実験ノート価値向上に努めてきました。当社が構築した電子実験ノートを活用したMI用データ蓄積・収集基盤「データパイプライン」もその一つです。本講演では、電子実験ノートの概要・目的・期待効果から推進における課題と対応、電子実験ノートの独自開発拡張機能、周知活動についてもご紹介いたします。
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【講演項目】
1.電子実験ノート (ELN) とは
1.1 電子実験ノートに期待した点
1.2 電子実験ノートの推進体制
2.研究現場における課題と電子実験ノート導入
2.1 当社の技術情報活用の課題
2.2 電子実験ノートの意義と目的
2.3 電子実験ノート(BIOVIA Notebook)の特徴
2.4 電子実験ノート付属ツールの特徴
2.5 電子実験ノート以外のツールとの比較
3.電子実験ノート導入の課題と対応
3.1 導入後の課題とユーザの抵抗
3.2 機能追加による電子実験ノート価値向上
4.電子実験ノート導入のポイント
4.1 上層部と現場研究者の利用動機
4.2 社内横展開(事例共有)活動について
5.電子実験ノートとDX
5.1 電子実験ノートに求める役割(データベースとデータレイク)
5.2 電子実験ノートを活用したMIの仕組み
5.3 電子実験ノート導入による定量的効果
【質疑応答】
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