【略歴】
日本国内外の国プロ研究または自由研究において、熱・紫外線・薬液など過酷な環境下における高分子材料の劣化機構の解明および対策についての成果を挙げております。
【習得できる知識】
構造部品として使われている高分子系複合材料における化学的・機械的劣化現象に関する知識が習得できる。寿命予測分野においてそれぞれのモデル種(経験的、現象的、機構的)の長所・短所およびマルチスケール解析の原理に関する知識が習得できる。さらに酸性環境下における劣化と、静的応力(クリープ)による機械的劣化の応用例に関する知識が習得できる。
【講座の趣旨】
複雑な組成・構造となる高分子複合材料の寿命予測は適切なスケールにおいて、それぞれの素材に適切なモデルの選択について述べる。マルチスケール解析による寿命予測結果を考慮した複合材料の耐久性評価方法および劣化対策についても概説する。
1.高分子複合材料の組成・構造および「劣化」の概念
1.1 複合材料の組成と特性
1.2 化学的な劣化現象(加水分解、熱酸化など)
1.3 機械的な劣化現象(クリープ、疲労など)
2.劣化現象を考慮した解析モデルによる寿命予測
2.1 バルクvsローカルの違いおよび適切なスケールの検討
2.2 複雑な環境に応じる相互効果と加速劣化の検討
3.高分子複合材料における寿命予測の応用例と劣化対策
3.1 酸性環境下におけるエポキシ系複合材料の劣化評価および寿命予測例
3.2 クリープによる劣化の加速評価方法および寿命予測例
3.3 マルチスケール解析に駆動した特定の劣化経路を抑制する対策
【質疑応答】
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