【習得できる知識】
・水素エネルギーを取り巻く最近の動向
・グリーン水素製造の基礎知識
・アニオン交換膜(AEM)型水電解技術の特徴と近年注目されている理由
・AEMの分子設計指針と合成、評価手法
・AEMの現状と課題、最近の研究動向
・触媒層用アイオノマーの要求特性と課題
・AEM型水電解の今後の展望
【講座の趣旨】
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、水素、特に製造時に二酸化炭素の発生を伴わない「グリーン水素」の需要が高まっています。再生可能エネルギー由来の電力を用いた水電解(水の電気分解)は有力な水素製造技術ですが、従来の水電解技術であるアルカリ水電解やプロトン交換膜型水電解は、効率や安全性が低い、あるいは製造コストが高いなどの課題がありました。このような背景のもと、近年世界的に注目を集めているのが、「アニオン交換膜(AEM:Anion
Exchange Membrane)型水電解技術」です。
本講座では、AEM型水電解の基礎から、アニオン交換膜、電極触媒、多孔質輸送層(ガス拡散層)などの要素技術の現状と課題、今後の展望まで、最先端の研究や講師の研究成果なども交えながら解説します。
【プログラム】
1.カーボンニュートラルと水素エネルギー
1.1 カーボンニュートラルに向けた水素エネルギーの意義
1.2 水素エネルギー関連技術(燃料電池ほか)
1.3 水電解技術の必要性
2.水電解技術の基礎
2.1 水電解の理解を助ける電気化学の基礎
2.2 水電解の種類・構造
2.3 アルカリ水電解とプロトン交換膜型水電解
3.アニオン交換膜(AEM)型水電解
3.1 原理と特徴
3.2 研究開発の歴史と最近の動向
3.3 電解セルの構成と要素技術の概要
4.アニオン交換膜(AEM)の基礎
4.1 市販AEMおよびAEMの基本分子構造
4.2 AEMの合成・作製
4.3 AEMの評価方法
5.アニオン交換膜(AEM)の現状と課題
5.1 AEMの劣化・分解プロセス
5.2 安定性向上に向けた取り組み
5.3 伝導度向上に向けた取り組み
5.4 最近の新たな研究動向
6.触媒層用アニオン伝導性アイオノマーの要求特性と課題
6.1 アニオン伝導性アイオノマーの要求特性と課題
6.2 アニオン伝導性アイオノマーに関する研究例
7.まとめ
7.1 AEM型水電解技術の将来展望
7.2 カーボンニュートラルの実現に向けて
【質疑応答】
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