【講座概要】
講演者が開発した「めっきデータベース」を用いて、技術知識データを示しながらめっきの基礎について学びます。
特に、めっきトラブルとその対処法については、豊富な実験結果を示しながら、解決への糸口を導き出す方法や、新規めっきラインの構築に必要なポイントについて習得することができます。
また、講演者が開発している「めっきソフトウェア」を紹介することで、多様かつ、大量のめっき工程に関する技術データをどう収集し、そして、様々な数理手法を用いた解析を行うことで、熟練者の有するノウハウを蓄積する手法を学びます。これをツール(道具)として用いた現場での活用法や、具体的にどのように分析するのが良いのか、複数の事例を基に解説します。これからますます重要視される化学プロセスの先進的なアプローチを体得することができます。
【受講対象】
・湿式めっき初心者
・めっき膜の評価に携わる方
・めっき工程管理やめっきトラブル対応に従事している方
・めっきラインを新規に構築しようとする方
・ビックデータやIoT、人工知能に興味がある方
【受講後、習得できること】
めっきに関わる広い知識が得られる。 最新のAIを活用しためっき加工への研究アプローチが学べる。
品質管理やめっき条件最適化へソフトウエアを活用した手法が学べる。 めっきに携わる熟練者とはいかなる人で、どのような能力を有しており、どこを学んできたかが知れる
【プログラム】
1.めっきの基礎
1.1 めっきとは
1.2 めっきデータベースとは
1.3 めっきの析出量と厚さ
1.4 電流密度と電流分布
1.5 電気化学とめっき
2.めっき膜の評価とめっき液の管理
2.1 めっき膜の評価法
2.1.1 めっき厚さ測定
2.1.2 めっき耐食性試験と防食機構
2.1.3 めっき硬さ試験
2.1.4 めっき密着性・付着性試験
2.1.5 めっき磁気特性試験
2.1.6 めっき膜構造特性試験、組成分析
2.2 めっき液の管理
2.2.1 ハルセル試験
2.2.2 電位―電流で何がわかるか
2.2.3 光で何がわかるか
3.めっきの不良、その要因と対策
3.1 めっきの不良と発生要因
3.1.1 電気めっきJISに記された不良
3.1.2 めっき手法によるトラブル
3.1.3 めっき不良の発生要因とトラブル対策事例
3.2 めっき不良・仕様不良を減少させるために
3.2.1 めっきの目的の明確化と仕様
3.2.2 仕様不良の発生要因と加工仕様書への記載事項
4.めっき品質改善と向上、条件最適化、工程管理への数理モデルの適用
4.1 QC分析のめっき工程への適用
4.2 一対比較法のトラブル対策への適用
4.3 ベイズ推論のめっきトラブル予測への適用
4.4 重回帰分析のめっき条件最適化への適用
4.5 機械学習によるめっき条件最適化への適用
4.6 機械学習によるめっき欠陥の判定への適用
4.7 電気めっきシミュレーションと機械学習の適用
4.8 ウェーブレット解析による時系列めっき工程管理への適用
4.9 シミュレーションを活用しためっき電極形状の設計と機械学習の適用
【質疑応答】 |