【習得できる知識】
・フロー式反応器とバッチ式反応器の設計方法
・反応器を設計する上でベースとなる「物質収支」の考え方
・液相および気相の均一反応系を対象とする反応工学の基礎
【講座の趣旨】
化学製品の生産プロセスや創薬分野におけるフロー合成の社会実装を目指す上でクリアすべき最初の一歩は、製造コストに見合った収量や純度の目的生成物を得られるかどうかにある。この点を踏まえると、収量や純度の目標値の壁を超えられる反応器の大きさや種類、そして反応物の供給量や供給濃度をプラント建設前に予測する方法論としての「反応器設計」の考え方が極めて重要である。本セミナーは、液相反応および気相反応における反応器の種類がバッチ式(回分式)とフロー式(連続式または流通式)の2種類に大別される事実に着目する。セミナーの序盤では、反応器設計にとどまらず化学工学全体のベースとなる「物質収支」の考え方を詳しく述べる。続いて、バッチ式反応器とフロー式反応器の設計方法の基礎を紹介する。後半では、反応器の多段化アプローチやリサイクル反応器の設計方法の初歩的な考え方についても詳しく言及する。セミナー全体を通じて、均一反応系における反応器設計の基礎をコンパクトにカバーする。
1.反応工学、反応器設計とは?
1.1 反応器設計の意義
1.2 均一系における反応速度とは?
1.3 バッチ式反応器とフロー式反応器の類似点と相違点
2.化学反応の量論関係
2.1 反応率・転化率とは?
2.2 反応器体積が一定の「定容系」の場合
2.3 反応器体積が可変の「非定容系」の場合
3.物質収支とは?
3.1 化学工学のベースとなる「物質収支」の基本的な考え方
4.反応器設計の基礎
4.1 バッチ式反応器の設計方法
4.2 空間時間とは?
4.3 フロー式反応器の設計方法@ ―CSTRの場合―
4.4 フロー式反応器の設計方法A ―PFRの場合―
4.5 設計方程式のアナロジー(類似性)
5.フロー式反応器の多段化アプローチ
5.1 空間時間の視覚化
5.2 CSTRとPFRの使い分け
5.3 多段化することのメリット
6.リサイクル型フロー式反応器の基礎
6.1 自触媒反応とは?
6.2 リサイクル型PFRの設計方法
【質疑応答】
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