【講演ポイント】
電気システムにおいて絶縁物を扱う機会は頻繁にありますが、絶縁物は支持物としても用いられ、機械的強度を確保すると、普通電気的には十分な余裕をもたせることができます。しかし電界の集中や絶縁物の劣化などにより、思わぬところで絶縁破壊が生じることもあるため、システムの信頼性の要となる絶縁系の電気特性の劣化や電気的破壊現象についての知識が必要とされます。
本講座では、大学の高電圧工学の一環として行われている絶縁の基礎を中心とした誘電・絶縁現象の基礎理論、計測法、現状における対策法等、電気絶縁材料の劣化に関する解説を行います。特に計測の節においてはその解釈の間違いを防ぐため、計測原理およびそのデータの物理的意味等を解説します。
1.絶縁物はなぜ壊れるか(絶縁破壊の基礎過程)
(1). 熱破壊
(2). 真性破壊
(3). 電子熱破壊
(4). 電子なだれ
(5). 電気機械破壊
(6). 空間電荷、部分放電、電気トリーの影響
2.劣化が進んで破壊する過程
(基本的劣化メカニズムとその定量的取扱い)
(1). 熱劣化
(2). 部分放電
(3). 電気トリー
(4). トラッキング
(5). 劣化の定量化
(6). 劣化対策法
3.各種計測法とデータ解釈
(1). 絶縁破壊試験
(2). 伝導電流測定
(3). 部分放電計測
(4). 空間電荷測定
【質疑応答】
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