【講座の趣旨】
熱分析に代表される熱物性測定は,この特質から,広範囲な分野で利用され,さまざまなアプリケーションデータがあり,その内容も日々変化しております。取り分け,プラスチック材料は熱履歴を多く含むため,得られる分析データは一見単純そうに見える場合でも,測定や解析の仕方によって様々な情報をもたらします。複雑なデータを正しく解釈するには,各種熱分析・熱物性法の特徴と測定法の基礎を正しく理解しておくことが必要です。本講座では,初心者のための熱分析と熱物性測定法の基礎と応用を中心に解説し,さらに,具体的なサンプルの準備から日々装置を扱う上での注意事項,さらには応用事例をまじえた事例解釈の紹介まで幅広く解説します。
【セミナープログラム】
1.どうやってプラスチックの熱分析・熱物性の測定を行うか?
1.1 熱分析の基礎(種類,定義,原理など)
1.2 DSCの条件(測定条件の設定,測定条件の影響など)
1.3 TG-DTAの測定(測定条件の設定,測定条件の影響など)
1.4 TMAの測定(測定条件の設定,測定条件の影響など)
1.5 熱伝導率の測定(種類と特徴)
2.必要な情報をどのように得るか? 〜プラスチックデータ解釈の基礎と知っておくべきポイント〜
2.1 DSCの解析(解析の基本,解析例など)
2.2 TG-DTAの解析(解析の基本,解析例など)
2.3 TMAの解析(解析の基本,解析例など)
2.4 大表的な熱伝導率測定法(平面熱源法)の原理と解析事例
3.測定条件の設定ノウハウ
(測定温度範囲,試料容器,サンプリング,試料量,基準試料,昇温速度, 測定雰囲気など)
4.より多くの情報を得るための最新熱分析
・試料速度制御熱分析
・温度変調DSC
・試料観察熱分析
・複合熱分析手法(TG-MS, TG-FTIR, XRD-DSCなど)
・湿度制御熱分析
・改良平面熱源法(MTPS)法
5.装置を使用する際の注意点と保守管理
5.1 装置校正(キャリブレーション)
5.1.1 装置校正と装置チェック
5.1.2 装置校正用標準物質
5.1.3 熱分析装置のトレーサビリティー
5.2 トラブルシューティング
5.2.1 各装置における異常データの原因と解決法
6. 熱分析・熱物性測定のケーススタディ
(劣化解析・サンプルの熱履歴・良品/不良品解析など)
【質疑応答】
※受講者の皆様の抱える疑問点や問題点について,セミナー開催3日前までに
「事前リクエスト用紙」 (請求書に同封)や 「Eメール」 を御寄せ頂けましたら,
講演中に対応させて頂きます。
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