【習得できる知識】
電子セラミックスに関する基礎知識; 組織、相図、焼結、金属の酸化・還元、格子欠陥、粒成長、応力歪み、粒界の性質
積層セラミック製造プロセスの基礎知識;分散処理、スラリー組成、分散性、スラリーの乾燥、内部電極、脱バインダー、焼成雰囲気制御、アニール処理
セラミック組織の分析例
【講座の趣旨】
電子セラミックスは焼結体粒子(グレイン)および粒界の電気特性を活用するものであり、焼結体の構造および電気特性制御が重要になります。また、内部電極金属などを内在する積層体(積層セラミック電子部品)とするため、セラミック粉末粒子に多量の有機バインダーを加えた薄層シートが作成され、それらの分散性、積層性、脱バインダー・焼成雰囲気、焼成後アニールなどの様々な工程が電子セラミックスの焼結性、電気特性に影響します。
本講では、主に積層セラミックコンデンサ(MLCC)で用いられるチタン酸バリウムを例に挙げ、その他電子セラミックス材料の例を交えながら、電子セラミックスの焼結およびそれに影響を与えるプロセスの影響を示していきたいと思います。
1.積層セラミックス電子部品の概要
1.1 電子セラミックスの種類、組成、内部電極金属組成、小型化
2.セラミックス焼結の基礎知識
2.1 セラミックスの組織、微構造、粒成長、粒径と焼結性
2.2 セラミックスの焼結現象、表面拡散、体積拡散、粒成長
2.3 相平衡と状態図、固溶体、共晶系、包晶系、焼結助材 液相形成
3.焼結時の粒成長と特性 〜BaTiO3を例に〜
3.1 粒成長の有無、粒界の影響、不均一歪み、誘電特性
4.粒成長がほとんど見られないコアシェル構造 〜BaTiO3を例に〜
4.1 コアシェル構造、原料粉の製造、添加剤の分散、誘電率温度特性
5.粒成長するセラミック焼結体
5.1 原料粉製造、残留応力歪み、高温弾性率、粒成長、焼き戻し
6.電子セラミックスの粒界特性
6.1 粒界構造、酸素の拡散、酸素空孔、異種元素偏析、寿命信頼性
7.電子セラミックスの製造プロセス 〜主にMLCCを例に〜
7.1 スラリーの分散手法、スラリー組成設計、顔料容積比(PVC)、粒子径分布
7.2 シートの乾燥、恒率乾燥、強度特性、バインダー
7.3 脱バインダー、バインダーの熱分解、残留炭素、エリンガム図
7.4 焼成雰囲気制御、アニール処理、酸素拡散、酸素空孔生成、熱力学
7.5 焼結、ネック成長、高速焼成
【質疑応答】
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