【講座概要】
薄膜技術は,先端材料研究をはじめ,電子デバイス,太陽電池,建材,食品産業と,さまざまな産業分野を支える基幹技術です。現在では多機能で高性能な成膜装置が市販されており,かつてと比べて容易に薄膜形成が行えるようになりました。しかしながら,適切な薄膜形成のためには,薄膜技術に関する知識が必要なのは今も昔も変わりません。新規の条件で成膜を行う場合,所望の薄膜を得るためには各種成膜条件が膜質におよぼす影響を考慮しつつ,条件を選択する必要があります。そのようなときに必要になるのが,成膜技術に関する基本的かつ系統的な知識です。
本講座では,成膜技術に携わる方々を対象に,これらの技術に関する基礎的かつ系統的な知識を習得し,実際の業務に生かして頂くことを目標とします。
【受講対象】
・成膜に関連する研究・開発・製造業務に新規に従事する方,従事して2〜3年程度の方
・成膜に関してある程度の実務経験はあるが、自分の知識を系統的に整理したい方
【受講後、習得できること】
成膜プロセス設計に求められる基礎知識,成膜プロセスにおけるトラブル解決に求められる基礎知識
【プログラム】
1.成膜技術ための基礎知識
1.1 真空工学
1.2 表面物性工学
1.3 プラズマ工学
2.物理気相成長(PVD)法
2.1 真空蒸着法
2.1.1 原理
2.1.2 真空蒸着法の種類
2.1.3 真空蒸着法の留意事項
2.2 スパッタ法
2.2.1 原理
2.2.2 スパッタ法の種類
2.2.3 スパッタ法で作製される薄膜の特長
2.2.4 スパッタ法の留意事項
3.化学気相成長(CVD)法
3.1 原理
3.2 化学気相成長法の種類
3.3 化学気相成長法による成膜例
3.4 化学気相成長法の留意事項
4.薄膜評価法
4.1 形態観察
4.2 膜組成、膜構造分析
4.3 付着力、膜応力測定
4.4 電気的特性、光学的特性測定
5.成膜プロセスで遭遇するさまざまなトラブルと対策
【質疑応答】 |