【講演ポイント】
地球温暖化防止のため自動車の電動化が進んできました。しかしウクライナ侵攻,そして中国による低価格EV(電気自動車)などにより,自動車の駆動源変遷での単純なEVへの更新シナリオはなくなりました。
このためEVだけではなく,エンジン車についても熱マネジメント技術を改善する必要が出てきました。
一方,自動運転は,完全な自動運転への移行はむずかしいものの,高速道などでは自動運転できるクルマが増えてきました。
自動運転は,クルマと乗員の関係を根本的に変える技術です。
今までは,走る楽しさを追求してきた価値観が薄れ,自動運転での移動時間をいかに快適に過ごすかが新しい価値になるからです。
本セミナーでは,これらに関わる熱マネジメント技術を包括的に解説いたします。
【プログラム】
1.電動車用エアコン
1.1 方式と現行空調システムとの比較
1.2 低外気温への対応
1.3 テスラ、BYDのヒートポンプサイクル
1.4 各社のヒートポンプサイクルの優劣比較
1.5 マルチコントロールバルブ(オクトバルブなど)のメリットとデメリット
1.6 PFAS(有機フッ素化合物)規制対応エアコン
1.7 ヒートポンプ用新冷媒
1.8 急速充電対応
1.9 廃熱利用の可能性は
1.10 ヒートポンプとその課題
1.11 ハイブリッド車用エアコン
1.12 PHEV(プラグインハイブリッド車)用エアコン
2.エアコンシステムの改善
2.1 空調シート
2.2 内部熱交換器
2.3 換気熱回収
2.4 デシカント空調
2.5 CO2冷媒によるエアコン
2.6 空調快適性
2.7 温冷感
2.8 人体温熱快適性からみた最適加熱部位
3.駆動用電池の温度管理
3.1 電池の温度管理と寿命
3.2 事前冷却
3.3 温度管理例
3.4 理想的な温度管理方法
3.5 部材と材料
3.6 今後の電池への対応
3.7 全固体電池の場合
4.自動運転の熱マネジメント
4.1 自動運転化にともなう課題
4.2 自動運転車における差別化技術と求められる技術・材料
5.空調システムの変化による部品,内装材の動向
5.1 ガラス・調光ガラス
5.2 断熱材
5.3 真空断熱材
5.4 フィルムヒーター
5.5 遮熱塗装、事前空調
6.今後の自動車用冷却系と熱交換器
6.1 熱交換器の変遷
6.2 モーター、インバーター冷却系
6.3 水冷インタークーラーの目的
6.4 蓄冷エバポレーターの採用と採用廃止
6.5 水冷コンデンサーの目的
6.6 空調系
7.電動車の駆動モーターとインバーターの冷却
8.新しい冷却方式
8.1 沸騰冷却
8.2 磁気冷凍
9.古典的な熱マネジメント
9.1 自動車の排熱一覧と課題
9.2 排熱回収/蓄熱システムおよび蓄熱材料
9.3 ケミカルヒートポンプ
9.4 熱電素子
9.5 ランキンサイクル
9.6 熱負荷軽減
10.駆動源変遷とエネルギー問題
【質疑応答】
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