窒化 ホウ素 セミナー
        
次世代パワーデバイスに向けた 高耐熱・高放熱材料の開発と熱対策
次世代半導体パッケージの最新動向とその材料、プロセスの開発
 
<セミナー No.505422>
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★ 窒化物系フィラーの剥離、分散、充填、表面改質、配向制御技術を徹底解説!

窒化ホウ素

分散、配向制御と高熱伝導材料の開発


■ 講師
1. 富山県立大学 工学部 機械システム工学科 教授 博士(工学) 真田 和昭 氏
2. 香川大学 創造工学部 創造工学科 先端マテリアル科学コース 教授 博士(工学) 楠瀬 尚史 氏
3. 早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科 准教授 博士(工学) 荒尾 与史彦 氏
4.

三菱電機(株) 先端技術総合研究所 マテリアル技術部 Associate Expert 博士(工学) 三村 研史 氏

■ 開催要領
日 時

2025年5月9日(金) 10:30〜17:20

会 場 Zoomを利用したLive配信 ※会場での講義は行いません
Live配信セミナーの接続確認・受講手順は「こちら」をご確認下さい。
聴講料

1名につき66,000円(消費税込み・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,500円(税込み)〕
〔大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。
         詳しくは上部の「アカデミック価格」をご覧下さい〕

■ プログラム

<10:30〜12:00>

1.窒化物フィラーの分散、充填、表面改質、ハイブリッド技術

富山県立大学 工学部 機械システム工学科 教授 博士(工学) 真田 和昭 氏

 

【講演概要】
近年、サーマルマネージメント材料として熱伝導性フィラーを用いたポリマー系コンポジットが幅広く使用されている。ポリマー系コンポジットの熱伝導率を向上させる微視構造設計手法として、フィラーの最密充填技術、フィラーのハイブリッド化による伝熱ネットワーク構造形成技術が注目されており、現在、窒化物フィラーが有効な熱伝導性フィラーとして期待されている。本セミナーでは、窒化物フィラーを中心として、フィラーの分散、充填、表面改質、ハイブリッド技術について概説し、高い熱伝導率を有するポリマー系コンポジットの開発ノウハウを習得することを目指す。

【受講対象】
熱伝導性ポリマー系コンポジット開発を始めたばかりの方から、ある程度の研究開発経験のある方まで、本テーマに興味のある方なら、どなたでも受講可能です。

【受講後、習得できること】
・フィラーの分散・充填技術が習得できる。
・フィラーの表面改質技術が習得できる。
・フィラーのハイブリッド化技術が習得できる。


1.フィラーの種類と熱伝導率
 1.1 フィラーの種類と熱伝導率
 1.2 フィラーの形状
 1.3 フィラーの粒度分布


2.フィラーの高充填技術
 2.1 フィラー粒度分布を考慮した粘度予測理論
 2.2 フィラー最密充填理論
 2.3 フィラー最密充填によるポリマー系コンポジットの高熱伝導率と低粘度の両立
 2.4 数値シミュレーションを活用した新しいフィラー充填構造設計手法


3.フィラーのハイブリッド化技術
3.1 ナノフィラー活用によるネットワーク構造形成事例
3.2 ナノ・ミクロハイブリットフィラーを用いた熱伝導率向上事例


4.フィラーの表面改質技術
 4.1 フィラーの表面改質方法
 4.2 窒化物フィラーの表面改質事例


5.高熱伝導性ポリマー系コンポジット開発事例紹介
 5.1 窒化物フィラーを用いたポリマー系コンポジットの開発動向
 5.2 アルミナとカーボンナノチューブのハイブリッド化
 5.3 窒化ホウ素とアルミナナノワイヤーのハイブリッド化
 5.4 窒化ホウ素とアルミナ粒子のハイブリッド化


【質疑応答】


<13:00〜14:00>

2.異方性を改善した高熱伝導球状窒化ホウ素フィラーの開発

香川大学 創造工学部 創造工学科 先端マテリアル科学コース 教授 博士(工学) 楠瀬 尚史 氏

 
 

【講演概要】
わずか0.2W/mK程度の絶縁体有機樹脂の熱伝導を向上させるために、高熱伝導セラミックスとの複合化が研究されている。
しかし、市販のセラミックス粉末は焼結性を重視して作製されているため、一般的に粉末としての熱伝導は低いものであった。
本研究では、高熱伝導を有する窒化ホウ素 (BN) フィラーを化学合成し,エポキシ樹脂に添加することにより作製した高熱伝導樹脂複合材料について講演する。



1.高熱伝導非酸化物セラミックス
 1-1 高熱伝導フィラーの選択
 1-2 代表的な材料の熱伝導度
 1-3 窒化アルミニウム (AlN)
  1-3-1 AIN焼結体の熱伝導度
  1-3-2 AlNセラミックスの熱伝導における粒径の影響
 1-4 窒化ケイ素 (Si3N4)
  2-4-1 Si3N4焼結体の熱伝導度
  2-4-2 Si3N4セラミックスの平均粒径と熱伝導度の関係
 1-5 窒化ホウ素 (BN)の熱伝導率
 1-6 その他非酸化物の熱伝導率
  1-6-1 SiCセラミックスの熱伝導度
  1-6-2 非酸化物セラミックスの熱伝導度と電気伝導

2.等軸状BNフィラー添加エポキシ複合材料の開発
 2-1 等軸状BNフィラー添加エポキシ複合材料
 2-2 球状BN添加フィラー添加エポキシ複合材料

【質疑応答】


<14:10〜15:40>

3.窒化ホウ素の剥離技術とナノシートの創出

早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科 准教授 博士(工学) 荒尾 与史彦 氏
 

【講演概要】
窒化ホウ素などの層状鉱物は,面内の強度は高いもののの,層間はファンデルワールス力で弱く結合しているため,外力を付加することで剥離が進んで厚み10nm 以下のナノシートを得ることができる。
グラファイトナノプレートや窒化ホウ素ナノシートは強度に優れ,かつ熱伝導も高いために,機械材料と複合化させることで,高強度化や高熱伝導化をはかることができる。
他の材料とナノシートを複合化する際に,ナノシートのアスペクト比(大きさ / 厚み)が最も重要なファクターとなる。アスペクト比が高いほど熱伝導パスの形成に有利であり,そのため,可能な限り面内の大きさを保ちつつ,剥離を進行させるプロセス開発が求められる。
本セミナーでは層状鉱物を剥離してナノシートを生産するための手法について概説するとともに,熱伝導シートへと応用した事例を紹介する。



1.熱伝導フィラーについて
 1.1 熱伝導フィラーの種類
 1.2 ナノシートを利用した材料開発の事例
 1.3 熱伝導性を高めるためのナノシートの要求仕様


2.窒化ホウ素の剥離技術
 2.1 剥離分散性を高めるためのポイント
 2.2 剥離分散プロセスの最先端
 2.3 フィラーの構造変化による剥離分散性の向上


3.高熱伝導シートの開発
 3.1 高アスペクトナノシートの作製とフィルム化
 3.2 内部構造と熱伝導率の関係について
 3.3 高熱伝導フィルムの最先端


【質疑応答】


<15:50〜17:20>

4.窒化ホウ素の配向制御による低充填量での複合材料の高熱伝導化とパワーモジュールへの適応

三菱電機(株) 先端技術総合研究所 マテリアル技術部 Associate Expert 博士(工学) 三村 研史 氏
 

【講演概要】
パワーモジュール機器の小型・高性能化が進むにつれ放熱対策が重要な課題となっている。より高放熱が求められる機器においては、絶縁かつ放熱部材に樹脂に高熱伝導を有する窒化ホウ素(h-BN)粒子を充填した樹脂複合材料が用いられる。このh-BN粒子は、鱗片形状をしており、その熱伝導率に異方性を有する。そのためh-BN粒子を充填した樹脂複合材料を用いて放熱経路に沿って効率的に熱を逃がすためには、h-BN粒子の配向を制御する必要がある。本講演では、樹脂複合材料中でのh-BN粒子の配向とその熱伝導率の関係を明らかにし、パワーモジュール機器に適用した時の効果について紹介する。

【受講対象】
電気機器の絶縁材料及び放熱設計技術者。

【受講後、習得できること】
樹脂材料の放熱材料設計指針、パワーモジュールの放熱構造。


1.電子機器の構造と高熱伝導樹脂材料のニーズ −パワーモジュール適用例を中心に−

2.高熱伝導複合材料の基礎と応用
 2.1 樹脂/無機フィラー複合材料の熱伝導率
 2.2 モールド型パワーモジュールへの応用

3.複合材料の熱伝導率向上技術
 3.1 鱗片BN、AlNフィラーの高充填化
 3.2 凝集BNフィラーによる配向制御(低充填化)

4.高熱伝導複合材料のパワーモジュールへの適用に向けて


【質疑応答】


窒化 ホウ素 熱伝導 セミナー