【講演概要】
パワーモジュール機器の小型・高性能化が進むにつれ放熱対策が重要な課題となっている。より高放熱が求められる機器においては、絶縁かつ放熱部材に樹脂に高熱伝導を有する窒化ホウ素(h-BN)粒子を充填した樹脂複合材料が用いられる。このh-BN粒子は、鱗片形状をしており、その熱伝導率に異方性を有する。そのためh-BN粒子を充填した樹脂複合材料を用いて放熱経路に沿って効率的に熱を逃がすためには、h-BN粒子の配向を制御する必要がある。本講演では、樹脂複合材料中でのh-BN粒子の配向とその熱伝導率の関係を明らかにし、パワーモジュール機器に適用した時の効果について紹介する。
【受講対象】
電気機器の絶縁材料及び放熱設計技術者。
【受講後、習得できること】
樹脂材料の放熱材料設計指針、パワーモジュールの放熱構造。
1.電子機器の構造と高熱伝導樹脂材料のニーズ −パワーモジュール適用例を中心に−
2.高熱伝導複合材料の基礎と応用
2.1 樹脂/無機フィラー複合材料の熱伝導率
2.2 モールド型パワーモジュールへの応用
3.複合材料の熱伝導率向上技術
3.1 鱗片BN、AlNフィラーの高充填化
3.2 凝集BNフィラーによる配向制御(低充填化)
4.高熱伝導複合材料のパワーモジュールへの適用に向けて
【質疑応答】 |