【講座の趣旨】
昨年の技術情報協会における講演を踏襲しつつ、最近1年間のホットトピックを追加し、「4.クレー
ム文言の工夫<12選>」を厚く説明する。(昨年の私の講演に参加していない方を想定しますが、昨年の復習を兼
ねるとともに、ホットトピックを学びたい方も歓迎します。)近時、出願日(優先日)を確保しつつ競合他社製品に
合わせてクレームを策定できる分割出願が世界中で流行っている。日本でも、特許出願件数は減少傾向であるにもか
かわらず分割出願は増加しており、近時10年間で分割出願の割合は15%に達している。特許権者が勝訴した侵害
訴訟判決を概観しても、分割出願が多く、特許権者が一旦敗訴後に分割出願でリベンジを果たした事案も多い。この
ように、分割要件(新規事項追加)は最重要特許要件の一つであるから、関連論点を網羅的に解説する。特に、親子
孫…出願と続けてツリーを作るとき、途中で1個でも分割要件違反が混じると、その後の分割出願の出願日が親出願
まで遡れない。この点について、幾つかの重要論点を解説する。更に、新規事項追加について、諸外国における判断
傾向を確認するとともに、他の特許要件との関係について考察する。
【講座内容】
1.新規事項追加
1.1 ソルダーレジスト知財高裁大合議判決の規範(「新たな技術的事項の導入」)
1.2 訂正、補正、分割要件
1.3 本願(本件)発明の課題の認定
1.4 発明の詳細な説明および図面の補正と新規事項追加
1.5 発明の解像度と自由度の高い補正、訂正、分割
1.6 補正、訂正、分割時の中位概念化の自由度を確保する戦略
1.7 除くクレームと新規事項追加
1.8 重要裁判例紹介
1.9 諸外国実務との対比
1.10 小括
2.親子孫出願と分割出願違反
2.1 補正の遡及効(分割出願違反と治癒)
2.2 子亀こける(子出願が分割要件違反)と孫亀以降もこける
(親出願の出願日まで遡れず、子出願の現実の出願日までしか遡れない)
2.3 特許査定後に子亀がこけた事例
2.4 分割要件を予定している場合の拒絶理由通知対応
2.5 最後の拒絶理由通知に対する対応
2.6 重要裁判例紹介
2.7 小括
3.本願(本件)発明の課題と他の特許要件
4.クレーム文言の工夫<12選>
4.1 拒絶理由と、クレーム文言の補正〜中間処理の工夫!!
4.2 従属項の利活用〜クレームディファレンシエーション
4.3 機能的クレーム〜全件、独立クレームとして検討に値する!!
4.4 サブコンビネーションクレーム〜使途相違の敗訴無し
4.5 「用途」「使用態様」の特定〜用途相違の敗訴は1件のみ
4.6 除くクレーム〜主引例の必須要素を除くことで、進歩性〇!!
4.7 数値限定・パラメータ発明〜新たな「課題」とのセット!!
4.8 効果のクレームアップ〜構成容易を免れない場合の最終奥義
4.9 製造方法の発明
4.10 別出願の活用
4.11 程度を表わす文言
4.12 間接侵害
4.13 複数主体侵害の想定(システムクレームの見直し)
【質疑応答】 |