PFAS 撥水 セミナー
        
非フッ素系撥水・撥油技術の開発動向と性能評価
PFASの規制動向と対応技術
 
<セミナー No.506402>
【Live配信のみ】 アーカイブ配信はありません

★“フッ素を使わない”撥水、撥油、滑水、滑液技術を詳解!
フッ素フリー撥水・撥油技術の開発動向とその評価

■ 講師
1. (国研)産業技術総合研究所 極限機能材料研究部門 上級主任研究員 博士(工学) 穂積 篤 氏
2. 東ソー(株) 先端材料研究所 主任研究員 博士(科学) 白木 慶彦 氏
3. 大阪ガスケミカル(株) 保存剤事業部 研究開発部 工業用保存剤チーム 兼 機能性コーティングチーム 技術士(化学部門) 島野 紘一 氏
4. 花王(株) ケミカル事業部門 機能材料事業部 リーダー 土屋 雄作 氏
■ 開催要領
日 時
2025年6月12日(木) 10:00〜17:00
会 場 ZOOMを利用したLive配信 ※会場での講義は行いません
Live配信セミナーの接続確認・受講手順は「こちら」をご確認下さい。
聴講料 1名につき66,000円(消費税込・資料付き) 
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,500円(税込)〕
〔大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。詳しくは上部の「アカデミック価格」をご覧下さい〕
■ プログラム

<10:00〜11:30>

1.有機フッ素化合物に依存しない撥水・撥油処理技術:液滴の滑落性を向上させるための表面設計指針

(国研)産業技術総合研究所 穂積 篤 氏

 

【本講座で学べること】
・ぬれ性に関する基礎的な知識/理論
・ぬれ性評価技術(静的/動的接触角、滑落/転落角)の正しい知識
・フッ素フリーで実現できる実用的な撥水・撥油処理技術と国内外の最新研究開発動向

【講座概要】
本セミナーでは、まず最初に、固体表面のぬれ性をどのように評価し、いかに制御するかについての基礎知識、応用・実用上ポイントとなる動的ぬれ性の修得を目指します。次いで、最新の撥水・撥油処理技術について、国内外の研究開発動向を紹介しながら、実例(単分子膜、ポリマーブラシ、有機―無機ハイブリッド皮膜等)を挙げて分かりやすく詳細に解説します。また、PFOA・PFOS等の長鎖有機フッ素化合物(PFAS)への法規制対応として、脱フッ素・フッ素代替技術が今後のポイントとなります。こちらについても随所で取り扱います。

1.ぬれの基礎
 1.1 Youngの式
 1.2 Wenzelの式(凹凸表面におけるぬれ)
 1.3 Cassieの式(複合表面におけるぬれ)
 1.4 3相接触線の重要性
 1.5 静的接触角とぬれ性との関係

2.動的ぬれ性の考え方と測定・制御方法
 2.1 動的ぬれ性とは?
 2.2 動的ぬれ性制御の重要性
 2.3 動的接触角の定義と近年の役割
 2.4 動的接触角の測定方法
 2.5 接触角ヒステリシスの定義と発生原因
 2.6 自然界における高/低接触角ヒステリシス表面
 2.7 接触角ヒステリシス制御に関する過去の研究
 2.8 接触角ヒステリシスを抑制するためのコンセプト
 2.9 接触角ヒステリシスと滑落性の関係(Kawasaki/Furmidgeの式)

3.有機フッ素化合物に依存しない撥水・撥油処理技術:液滴の滑落性を向上させるための表面設計指針
   〜PFAS(PFOS/PFOA)規制への対応として〜
 3.1 Liquid-like表面とは? 作製手法とその特異な動的ぬれ性(滑落性)
 3.2 フッ素フリーで作製可能なLiquid-like表面の実例
  3.2.1 単分子膜
  3.2.2 ポリマー(PDMS)ブラシ/薄膜
  3.2.3 有機-無機ハイブリッド皮膜

4.最近のトピックス,まとめ


【質疑応答】


<12:10〜13:40>

2.ポリウレタンを用いた撥水・撥油コーティングの開発と評価

東ソー(株) 白木 慶彦 氏
 

【本講座で学べること】
・濡れ現象を理解するための科学の概要
・撥液現象のメカニズムと従来材料の設計コンセプト
・ポリマーコーティングの濡れ性の制御方法

【講座概要】
本講座では撥液材料の開発に必要な基礎的な科学について概説した後、従来材料について紹介する。従来の撥液材料では表面形状の制御、フッ素やケイ素といった特定の元素を含む化合物の使用が主におこなわれてきた。これらとは異なる、平滑で特定の元素に依存しない撥水・撥油性ポリウレタンコーティングの開発事例について、設計コンセプト、物性評価結果および撥液性を発現するメカニズムの検討結果を紹介する。

1.濡れのメカニズム
 1.1 どうすれば撥液性を高められるのか?
 1.2 物理的アプローチ
 1.3 化学的アプローチ
 1.4 表面エネルギーについて

2.従来の撥液表面の開発事例
 2.1 物理的アプローチでの事例
 2.2 化学的アプローチでの事例

3.新規ポリウレタンを使った撥液表面の開発事例
 3.1 ポリウレタンの設計コンセプトと物性
 3.2 撥液メカニズムの検証


【質疑応答】


<13:50〜15:20>

3.PFAS規制対応シリコーン系機能性コーティング剤の特性とその応用技術

大阪ガスケミカル(株) 島野 紘一 氏
 

【本講座で学べること】
・PFAS代替材料としてのシリコーン系コーティング剤の特性
・シリコーンの基本的な特性
・シリコーン系機能性コーティング剤としての応用技術
・着雪対策としてのシリコーン系機能性コーティング剤の特性および応用技術

【講座概要】
PFAS規制の影響でコーティング剤の場合、特に撥水性や耐候性、耐熱性などが求められる用途では、代替材料としてシリコーン系の樹脂や添加剤の検討が活発に行われている。ただ、シリコーンの長所と短所を理解したうえで代替材料を選択することが重要である。本講座では、PFAS規制対応、シリコーンの基本的な特性、シリコーン系機能性コーティング剤の応用技術を説明するとともに、フッ素系材料よりもシリコーン系材料が優位といわれている滑水性に着目した着雪対策コーティング剤の応用事例を紹介する。

1.PFAS代替材料としてのシリコーン系コーティング剤
 1.1 PFAS規制対応とは?
 1.2 シリコーンの基本的な特性
 1.3 シリコーン系機能性コーティング剤の応用技術

2.着雪防止に対する応用技術
 2.1 湿雪と乾雪について
 2.2 雪の付着に影響する相互作用
 2.3 既存の着雪対策コーティング剤

3.PFAS規制対応の着雪防止・落雪促進コーティング剤の新規技術(撥水性・滑水性技術の応用)
 3.1 滑水性とう着眼点 -シリコーン系ポリマーがフッ素系ポリマーを超える性質-
 3.2 着雪防止効果と落雪促進効果の評価結果
 3.3 耐候性試験

4.まとめ


【質疑応答】


<15:30〜17:00>

4.セルロースナノファイバーを活用した滑液技術の開発

花王(株) 土屋 雄作 氏
 

【本講座で学べること】
・セルロースナノファイバーとその疎水化技術
・滑液化技術
・滑液膜の応用

【講座概要】
セルロースナノファイバー(CNF)は、木材などから得られる繊維をナノレベルまで微細化した最先端のバイオマス素材である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度を持つなどの優れた特長から、自動車や建築の材料などに活用されている。花王は、CNFを使いやすくコントロールする技術(疎水化技術)を保有しており、ユーザーの目的や用途ごとにカスタマイズしたCNFを販売してきた。特に2024年5月よりCNFと潤滑油を組み合わせる事で、ウツボカズラのバイオミメティックスによる滑液表面技術を応用した滑液 『ルナフロー』 シリーズを上市しており、以下にその内容に関して紹介する。

1.花王の界面制御技術とセルロースナノファイバー(CNF)
 1.1 花王の界面制御技術
 1.2 TEMPO酸化CNF
 1.3 CNFの疎水化技術

2.疎水性CNF滑液と花王滑液製品『ルナフロー』
 2.1 CNFの滑液化技術
 2.2 滑液膜の形成
 2.3 花王滑液製品『ルナフロー』の用途例
  2.3.1 土砂付着防止
  2.3.2 滑雪
  2.3.3 ゴム・プラスチック離型
  2.2.4 菌付着抑制


【質疑応答】


フッ素 フリー 撥水 セミナー