味覚 センシング セミナー
        
ゲル化・増粘剤の使い方と新しいゲルの活用事例
ファインケミカル,医薬品の連続生産プロセス
 
<セミナー No.506413>
【Live配信のみ】 アーカイブ配信はありません

★味覚センシング技術の研究動向と官能検査に適用しうるためのポイントとは

★「味とにおいの同時検出」と「味の見える化」技術の解説

味覚センシング技術の開発動向と

定量評価、製品開発への応用


■ 講師
1. 九州大学 大学院 農学研究院 食料化学工学講座 食品分析学分野 准教授 博士 (農学) 田中 充 氏
2. (株)インテリジェントセンサーテクノロジー 代表取締役社長 博士(工学) 池崎 秀和 氏
■ 開催要領
日 時

2025年6月17日(火) 10:00〜16:15

会 場 Zoomを利用したLive配信 ※会場での講義は行いません
Live配信セミナーの接続確認・受講手順は「こちら」をご確認下さい。
聴講料

1名につき55,000円(消費税込・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき49,5
00円(税込)〕
〔大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。
         詳しくは上部の「アカデミック価格」をご覧下さい〕

※定員になり次第、お申込みは締切となります。

■ プログラム

<10:00〜12:00><13:00〜14:00>

1.各種分析法による食品風味・品質に寄与する成分情報の可視化と定量化技術

九州大学 田中 充 氏

 
【講演ポイント】
 ヒトの感じる感覚情報のなかで、化学感覚とよばれる味覚・嗅覚情報は、視覚・聴覚などの物理感覚とは異なり時空間を越えての記録・伝達には到底至っておりません。
 すなわち、味・においに寄与する成分をデジタル化する技術がないのが現状です。
 従来の食品分析法のほとんどは、分析対象成分が設定した分析となっており、食品中に存在する成分すべてをそのまま検出可能な手法は存在しません。
 汎用される液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーは、液相もしくは気相系成分の精製・濃縮と、そのための前処理を必要とします。
そこで演者らは、味やにおいに寄与する成分について、液相系と気相系の一斉同時検出を達成する分析系を新たに開発いたしました。
ヒトは味覚と嗅覚を一元化した情報を風味として知覚していることから、味・におい成分を一元化情報として取得することができる本分析法により、「おいしさ」の理解が深まる可能性が期待されます。
 本講演では、ヒトが食情報、味覚を感じるメカニズムから、味とにおいの同時検出に向けた分析手法について解説します。

【講演項目】
1.自己紹介
2.食品が持つ3つの機能
 2.1 一次機能 栄養機能
 2.2 二次機能 感覚応答機能
 2.3 三次機能 生体調節機能
3.食情報の伝達における言語・視覚・聴覚の役割
 3.1 言語による食情報の伝達
 3.2 視覚情報による食情報伝達
 3.3 聴覚情報による食情報伝達
 3.4 ヒトの質感認知機構と食情報の伝達におけるデジタル化技術の現状
 3.5 質感工学の流れ
4.味覚の感知機構と呈味成分
 4.1 基本五味と感知機構
 4.2 甘味物質
 4.3 旨味物質
 4.4 苦味物質
 4.5 酸味物質
 4.6 味の相互作用
5.においの感知機構と香気成分
 5.1 天然香気成分
 5.2 加熱香気成分
6.味とにおいの同時検出に向けた新たな分析法
 6.1 食品成分分析法の現状と課題
 6.2 高速液体クロマトグラフー質量分析法
 6.3 ガスクロマトグラフー質量分析法
7.レーザー脱離イオン化質量分析法 (LDI-MS) について
 7.1 レーザー脱離イオン化質量分析法
 7.2 グラファイトカーボンブラック支援LDI-MS法
 7.3 LDI-MS法によるエステルの検出
 7.4 LDI-MS法によるアルコールの検出
 7.5 LDI-MS法によるアルデヒドの検出
 7.6 LDI-MS法によるカルボン酸の検出
 7.7 アミノ酸の検出
 7.8 LDI-MS法によるMS検出機構
8.8GCB-LDI-MS法を用いた醤油の品質評価について
9.将来展望

【質疑応答】


<14:15〜16:15>

2.味覚センサによる多様な美味しさの見える化とその応用

(株)インテリジェントセンサーテクノロジー 池崎 秀和 氏

 


【講演ポイント】
 「世界初の味覚センサ技術による食品業界のイノベーション」で、2023年2月に九州大学高等研究院の都甲潔特別主幹教授と演者は経済産業大臣賞(技術経営・イノベーション大賞)を受賞した。ひとえに食品や医薬品のプロフェッショナルである味覚センサのユーザーのお陰である。味覚センサのユーザーにセンサ開発の方向性を教えて頂き、一緒に研究開発を行って頂き、また、ビジネス活用を教えて頂いた。味覚センサの技術的進歩と美味しさの見える化の要望により、納入実績は述べ700台を突破した。研究機関のみならず食品メーカー、医薬品メーカー及び流通小売に導入され、ビジネス活用されるようになってきた。風味は、味覚だけでなく、臭覚、触覚や視覚の総合的な感覚であるが、風味の一部の味覚だけでも見える化によりビジネスに役に立つことわかった。官能検査は非常に重要であり、食の多様化にともない、ますます官能検査が大変になってきている。味覚センサはその官能の精度を上げるためのツールである。味覚センサのデータとPOSデータ、価格や地域差のデータを組合すことで、多様な美味しさを見える化でき、美味しさの感受性が違う人々をつなぐ可能性を示す。
 人類史上初の2つのことが起きている。1つは、世界中が豊かになってきている点である。もう1つは、世界中が少子高齢化社会になってきている点である。これは全く新しいニーズであり、食品業界にとってもチャンスである。ただし、国によって美味しさの感じ方が大きく異なるため、お互いが相手の味を理解することは難しい。そこで、多様な美味しさの見える化により、食品の市場調査、設計および品質管理に役に立つ。

【プログラム】
1.食品業界の潮流
 1.1 なぜ、味覚センサが今必要とされているのか?
2.味の見える化技術
 2.1 味覚センサの原理
 2.2 味の数値化
 2.3 コク、キレ
3.美味しさの見る化とビジネス活用例
 3.1 多様な美味しさの見える化(地域差、年齢差、トレンド、価格差)
 3.2 コンセプトの明確化
 3.3 美味しくてコストがかからない食品の最適設計
 3.4 体によくて美味しい食品の設計
 3.5 美味しさのプロモーション
 3.6 製品の美味しさを保つ品質管理と品質保証
4.今後の展望

【質疑応答】


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