【本講座で学べること】
・ペロブスカイト太陽電池の開発の歴史と研究背景
・各国(韓国、欧州、中国、日本など)の研究開発動向と産業界の取り組み
・太陽電池の構造・材料・作製法など、技術の基本的な仕組み
・高効率化・性能向上のための課題と対策(結晶品質、ヒステリシスなど)
・実用化に向けた製造技術と量産化の課題(インクジェット、スクライビング等)
・鉛の使用や非鉛化、リサイクルといった環境対応と規制への対応策
・製造コストと社会実装に向けた課題・展望
【講座概要】
次世代の太陽電池として注目を集める「ペロブスカイト太陽電池」は、世界各国で研究開発が活発化しています。本講座では、この技術について、その歴史的背景から最新の研究動向、さらには実用化に向けた課題や展望に至るまで、研究動向の面から解説することを目的しています。実用化に向けた技術的・環境的な課題として、耐久性や劣化機構の解析、宇宙用途での応用可能性、製造プロセスの最適化、鉛の使用に関する規制対応、リサイクル技術の進展などを取り上げます。あわせて、製造コストや社会実装に関わる経済的また地方自治体等が関わる導入モデルについても紹介し、ペロブスカイト太陽電池の実用化へのヒントを探る目的としています。
1.歴史・背景・研究の経緯
1.1 ペロブスカイト太陽電池の開発の経緯
1.2 原型となる桐蔭横浜大学での研究内容
1.3 発表直後の情勢、RoHS指令、その他研究の制約
1.4 「基本特許」をめぐる問題
2.各国の研究開発・動向
2.1 韓国とヨーロッパ、英国における固体型ペロブスカイト太陽電池の成功
2.2 新型太陽電池開発への日本企業の支援
2.3 中国でのペロブスカイト太陽電池開発の進展
2.4 中国と台湾、桐蔭横浜大学での研究のつながり
2.5 日本における有機系太陽電池研究とペロブスカイト太陽電池
2.6 タンデム型ペロブスカイト太陽電池をめぐる海外ベンチャーの動き
2.7 国内外でのペロブスカイト太陽電池の実証試験
3.技術内容(構造・製法・性能)
3.1 ペロブスカイト太陽電池の作り方
3.1.1 成膜方法および材料
3.1.2 性能の特長
3.1.3 ペロブスカイト太陽電池の構造
3.2 ペロブスカイト太陽電池はどのように開発されたのか
3.2.1 色素増感太陽電池とペロブスカイト太陽電池
3.2.2 光電変換材料
3.2.3 湿式太陽電池から固体太陽電池への転換
3.3 ペロブスカイト太陽電池材料
3.3.1 電子輸送層(ETL層)
3.3.2 正孔輸送層(HTM層)
3.3.3 透明導電膜
3.4 ペロブスカイト太陽電池の性能向上とヒステリシス
3.4.1 I-V特性およびMPPT測定
3.5 高効率化に向けた結晶品質の向上
4.実用化・製造技術・環境対応
4.1 耐久性試験と劣化機構の解析
4.2 宇宙用太陽電池としての検討
4.3 ペロブスカイト太陽電池の製造技術の課題
4.3.1 ロール・トゥ・ロール、インクジェット
4.3.2 スクライビング、メカニカルスクライビング
5.材料の使用とリサイクル
5.1 鉛の使用の問題
5.2 非鉛系の最新動向
5.3 ペロブスカイト太陽電池のリサイクル
6.製造コスト
7.ペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けて
【質疑応答】
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